熱いお茶でも飲みながら
じっくり読んでください。

般若(はんにゃ)のお話です

知恵遅れの子を ほとけさまから
お預かりしてる親がいます。
その子は兄弟の真ん中で、
お兄ちゃんと妹が外で遊んでいるとき
家にいるその子はおやつをあげても
食べようとしません。お兄ちゃん、妹が帰って
来て3人になると、喜んでおやつを
食べるそうです。

ある時 
3人の兄弟にケーキが2つしか なかった。
母親はどうしても、真ん中の子を贔屓して
その子に1つのケーキをやり お兄ちゃんと
妹には1つを半分ずつにして食べさせようと
しました。
けれども、その子は、自分の前に置かれた
1個のケーキをじっと眺めたまま、食べようと
しません。ものも言えない子なのです。
母親はどうして食べないのかしら・・・と思い
そこで はっと気がついて、その1個のケーキを
半分に切り、半分を母親が食べはじめました、
すると その子は、喜んで食べはじめたのです

世間の人はこの子を 知恵遅れ と呼ぶけれど
この子の知恵は遅れていない。
この子はお兄ちゃんや妹が半分しか
ケーキを食べられないとき、自分は1個をまるごと
食べてはいけないーという智慧を持っている。
それは ほとけさまの智慧なんだ。

般若は ほとけさまの物差しを使って得られる
智慧です.ほとけさまの、ものさしでみれば
お兄ちゃんや妹が半分のケーキしか貰えないとき
まるごと1個のケーキを食べても、ちっとも
おいしくないのです。
ケーキをおいしく食べるには
ぼくのケーキも半分にしてほしい・・・のです

それが般若であり ほとけさまの智慧なのです

      ひろさちや 新潮選書より










いつも読みながら涙が流れます
狭い知恵を振りかざしてる自分が
恥ずかしくなります。 風

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