令和5年10月号(第159号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
北 条
HOJO
 兵庫県 加西市北条町北条 加西市HP

加西市観光協会 HP




 北条の町には、奈良時代の天平年間に創建したといわれている酒見(さがみ)明神神社(現在は住吉神社と呼ばれている)と、その別当寺である酒見寺(さがみじ)が広大な敷地の中に整然とたたずんでいる。
 一般の町並みは、密に民家が建て込んでいるだけに、この神社とお寺の境内に足を踏み入れると、厳粛でホッとするような解放感に包まれる。北条は、この住吉神社と酒見寺の門前町として生まれ発展してきた。
また、北条の町には、西国街道が東西に縦断しており、門前町付近は「北条の宿」と呼ばれる宿場町としても古くから賑わっていたようだ。明治以降も、北播磨地方の交通・商業・流通の拠点として繁栄した。
 大正
4年に北条―粟生間に開業した播州鉄道(現在は北条鉄道)は、今日も健在であり、町の中には街道沿いを中心に繁栄した時代の古い商家や町家が点在して残されている。

①酒見寺 ②西国街道 水田家住宅 ④高井家住宅  
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  ①酒見寺(さがみじ) 西国街道に面して建つ仁王門から、金堂へと一直線に伸びる参道に沿って、重要文化財に指定された多宝塔と地蔵堂が並んで建っている。参道の両側には飾り灯篭が立ち並び、荘厳な雰囲気の中で極彩色に彩られた多宝塔が艶やかで美しい。
②西国街道 住吉神社と酒見寺へと通じる参詣道は、参拝客を相手に商いをする商家が参道の両側に建ち並んでいたようで、現在もその名残の古い商家が点々と残されている。またこの道は西国街道でもあったので、往来する旅人のための宿場町として賑わっていた。
③水田家住宅 かって「かぎまん」の屋号で荒物の卸問屋を営んでいた商家で、建物は大正時代のもの。国の有形文化財に指定されている。現在は「横尾歴史街道 町かど亭」と名付けられ、カフェやイベント会場として、地域の人たちや観光客に向けて開放されている。
④高井家住宅 江戸末期の商家で、国の登録有形文化財に登録されている。横尾街道を挟んで、水田家住宅と向かい合わせの位置に建っており、この2つの古い商家が、昔の横尾街道の繁栄を偲ばせる重要な町並み景観要素となっている。お互いに生かしあっているといえるだろう。