令和5年9月号(第158号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
小田原
ODAWARA
 神奈川県 小田原市栄町 ほか

小田原市観光協会 HP




 小田原といえば、まず戦国時代に北条早雲からから始まる北条氏一族により栄えた城下町としてのイメージが浮かぶ。町の中心部には昭和になってから再建された小田原城天守閣が悠然と町全体を見守るようにそびえ、現在もなお城下町の面影を色濃く残している。
 また小田原は江戸時代にはいってからは、箱根を控えた東海道の重要な宿場町としても、おおいに賑わったようだ。さらに相模湾に面した立地から、豊富な海産物が獲られることを生かした産業が古くから盛んで、かまぼこや干物は小田原の代表的な産物になっている。
 このような歴史的な色彩の色濃いまちの伝統が、小田原城址公園を中心に、老舗や歴史的施設が市内各所に散在して引き継がれ、「街かど博物館」として町並み散策の魅力づくりに生かされている。
 ただ、これらの建物や施設が連続せず広範囲に分散してしまっているので町並み景観としてはインパクトが弱く、小田原城のわき役にとどまっている感がある。

①江 嶋 ②だるま料理店 旧 明和銀行 ④小西薬局  
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  ①江 嶋 江戸時代初期から続くお茶と和紙を扱う老舗。現在の建物は昭和初期に建築された。小田原は比較的温暖な気候なのに、なぜか豪雪地域に多く見られる出桁(だしげた)づくりになっている。重厚な雰囲気を演出するためだろうか?
②だるま料理店 明治中期創業の料理店で、現在の建物は昭和初期に建築されたもの。網元を兼ねていて、ブリの大漁で財を得たという。湘南の海で獲れた海産物の味覚とともに、この重厚な日本建築の雰囲気に惹かれてか、昼間からお客さんが行列していた。
③旧 明和銀行 昭和2年から昭和16年まで営業していた銀行で、現在、中央労働金庫小田原支店として引き継がれている。小田原城の大手門に近く、旧東海道の交差点に面する1等地に立地していて、建築当時は様式建築の威厳を示していたのだろうが、現在は自動車交通に埋もれてしまっている感があるのが惜しい。
④小西薬局 江戸初期に開業し、今日まで営業を続けている薬局。建物は、関東大震災で倒壊したものを、震災後に復元したものだそうだ。現在は薬の販売とともに「薬博物館」として、昔の薬草を分類した「百味たんす」や薬をすりつぶす乳鉢などが展示され公開されている。