令和5年6月号(第155号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
関 内 2
KANNAI
 神奈川県 横浜市中区海岸通り ほか 横浜市HP

横浜観光情報HP




 

 幕末の神奈川開港に伴い整備された横浜の外国人居留地は、日本人とのトラブルを避けるため、周囲を掘割で囲い、堀に架けられた橋の前には関所が設けられた。つまり居留地は関所の内側にある、ということで「関内」と呼ばれるようになったそうである。
 関内に整然と区画された街路と町並みは、明治から大正・昭和を経て今日まで引き継がれ、横浜が大都市へと発展する中心的なエリアとして機能してきた。
 関東大震災や太平洋戦争の苦難に遭いながら、街の骨格となる街路や主要な建物は今日まで引き継がれ、現在の関内は近代的なビル群の中に、歴史的な建築物が数多く保存されている。
 「横浜三塔」と呼ばれているキングの塔(神奈川県本庁舎)・クイーンの塔(横浜税関)・ジャックの塔(横浜市開港記念館)をはじめ、明治から大正・昭和にかけて建築された名建築がエリア内に散在し、さながら近代名建築巡りが楽しめる。

 
⑤横浜海岸教会 ➅横浜銀行協会 ⑦日本郵船ビル ⑧赤レンガ倉庫  
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  ⑤横浜海岸教会 関東大震災後の昭和初期に建築された二代目で、初代の建物は明治8年に建築され、大震災で倒壊した。今や超高層ビル群の中に埋もれてしまいそうになっているが、高さ25メートルのベルタワーが印象的で、すらりとした美しいプロポーションが存在感を示している。
⑥横浜銀行協会 横浜の銀行マンの社交場として、昭和初期に建築された。アールデコと呼ばれる直線を多用したデザイン手法が採用されているため、古典的な様式建築に比べ現代的な印象を受ける。当時としては随分斬新なインパクトがあったのだろう。
⑦日本郵船ビル 日本郵船横浜支店の建物で、昭和11年に建てられた。正面玄関側ファサードに連なる16本のコリント式ギリシャオーダーの列柱の眺めは壮観で、外国船の出入りで賑わう港都横浜のエネルギーを感じさせてくれる記念碑的な建物だ。
⑧赤レンガ倉庫 幕末に開港した横浜港は、外国船の入港が急増するに伴い、大型船が直接接岸できる港の整備が急務となった。そのため明治中期から後期に関内の前面海上に新港ふ頭が造成され、並行して保税倉庫の赤レンガ倉庫が建築された。その倉庫が現在はアミューズメント施設として生まれ変わっている。