令和4年11月号(第148号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
伏 木
FUSIKI
 富山県 高岡市伏木 高岡市HP

高岡市観光協会HP





 伏木は古く万葉の時代に、越中の国府が置かれていた町である。

 そこに、「万葉集」を編纂したことで知られている大伴家持が国守として赴任してきて
5年ほど滞在したそうである。そのため路面電車「万葉線」とか「万葉小学校」とか、万葉集にちなんだ名前がつけられたものが市内各所にみられる。
 
 また伏木港は日本海に面した要港として古くから栄え、特に江戸時代以降は北前船の寄港地として飛躍的に発展し、北海道・東北や瀬戸内方面との通商で大いに賑わった。そのころの豪商の屋敷や、洋館などが現在もいくつか残されていて、往時の繁栄ぶりを垣間見ることができる。

 現在の伏木港は、大型クルーズ船などが寄港する国際貿易港として整備され、町の中に残された歴史遺産を生かした観光の町として歩みだしている。

①気象資料館
②北前船資料館 ③棚田家住宅 ④旧 伏木商業銀行
 
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  ①気象資料館 明治中期に建築された日本初の私立測候所で、現在は気象資料館として保存・公開されている。測候所としては随分とおしゃれな洋館づくりで、レストランのようである。海路による貿易が町の繁栄の生命線だったので、建物にも力が入ったのだろう。

②北前船資料館
 江戸時代から廻船問屋を営んできた旧秋元家のお屋敷。屋根の上には望楼が設けられている。港に出入りする船の様子をここから眺めていたのだろう。現在は北前船資料館として内部が公開され、航海用具や歴史資料などが展示されている。

③棚田家住宅 古くから廻船問屋を営んできた棚田家のお屋敷。建物は明治の伏木大火後、明治23年に建築されたもので、内部は非公開だが茶の湯に親しんだ主人の意向を反映して、数寄屋造りの瀟洒で贅沢なしつらえになっているそうである。
④旧 伏木商業銀行 明治末期に建築された洋館風にデザインされた蔵造りの建物。現在は高岡市商工会議所伏木支所として現役で使用されている。現在でも目立つ建物だが、建築当時は皆、目を見張っただろう。北前商人の先取の心意気が伝わってくる。