令和4年10月号(第147号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
神戸山手
KOBE YAMATE
 兵庫県 神戸市中央区下山手通り ほか 神戸市HP

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 神戸は江戸時代、小さな漁村に過ぎなかったが、江戸末期、日米和親条約により兵庫開港が決定されてから、明治にかけて急速に発展し大都市に成長した。

 当初は、官公庁や商社を中心とした臨海部に限られていたが、すぐに手狭となり、そこで働く人たちが居住する住宅は、住環境の良い山手エリアが次々と開発され豊かな住宅地へと変貌していった。

 その代表的エリアが「異人館のまち」と呼ばれる北野地区だが、北野地区の西側に隣接する神戸山手地区にもその傾向が見られる。特に明治末期に、兵庫県庁舎が臨海部からこの地に移転してからは、官公庁を中心に急速に整備が進んだようだ。

 またキリスト教教会や仏教寺院ども数多く点在し、三国志登場する関羽を祀った「関帝廟」も建築されており、国際色豊かな神戸らしいエリアである。

①神戸栄光教会
②兵庫県公館 ③神戸教会 ④関帝廟
 
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  ①神戸栄光教会 この教会は「日本メソジスト神戸教会」の第二会堂として、大正末期に建築されたが、阪神・淡路大震災で全壊した。長年「赤レンガの教会」としてその姿が市民に親しまれてきたことから、平成16年に再建された。国際都市神戸を象徴する建物として、「風見鶏の館」とイメージが重なる。
②兵庫県公館 この建物は、旧兵庫県庁舎である。兵庫県庁舎は明治当初、兵庫の津付近にあったが、明治末期に下山手通りに移された。ギリシャ・ローマ様式を復興させたいわゆるルネサンス様式を学習した堂々たる外観である。現在は県政資料館と迎賓館として活用されている。

③神戸教会 日本基督教団の神戸教会。昭和初期の建築で、シンプルな外観だが、多重層になった尖塔が特徴的で美しいプロポーションを形づくっている。まわりを高層マンションが取り囲みつつあるが、古典的なデザインが充分に存在感を示している。

④関帝廟 三国志に登場する蜀の武将、関羽を祀ったお寺。神戸には約1万人の中国人が在住しているといわれている。そのため神戸に住む華僑たちが明治の中期に中国人のためのお寺として建築した。大戦中の神戸空襲で焼失したが、昭和22年に再建された。