令和4年6月号(第143号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
横浜山手 2
YOKOHAMA YAMATE
 神奈川県 横浜市中区山手町 横浜市HP

横浜市緑の協会HP




 横浜山手は、元町商店街の南東に拡がる高台の住宅地一帯で、幕末の日米修好通商条約に基づく神奈川開港により、外国人居留地として開発・整備された。
 山手のふもとにあり港に接するエリアである関内居留地は、入江を埋め立てた湿地帯だったため、居住地としては不向きで、もっぱら業務地としての利用に特化し、関内に隣接する環境の良い山手エリアが、住宅地として注目され、次々と西洋館が建設されていったようだ。しかし大正12年の関東大震災により、それらの建物はほとんど失われたが、住宅地としての恵まれた立地は失われず、高級住宅地として復興・再生して今日に至っている。
 現在は残された西洋館や文教施設・公園などが散策路に沿って散在し、格好の街歩きコースとなっている。住宅地でありながら、人気の観光コースとなっているが、安っぽい飲食店や土産物店が全く目につかないのが大変好感が持てる。

E旧山手68番館
Dベーリック・ホール Fエリスマン邸
G山手234番館
 
 ←画像をクリック  
  D旧山手68番館 山手68番にあった旧C.F.フランコ邸が昭和61年に山手公園内に移築され、公園の管理事務所兼テニスコートのレストハウスとして活用されている。今では住宅というよりも、テニスコートの施設として建てられたかのように、周辺環境に溶け込んでいる。
Eベーリック・ホール イギリス人の貿易商ベーリック氏の住まいとして、昭和初期に建築された。スパニッシュスタイルと呼ばれるデザインだそうで、前庭にはソテツやヤシの木が植えられ、地中海を見下ろす高台に建つリゾートホテルのような雰囲気である。

Fエリスマン邸 生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人だったエリスマン氏の邸宅。フランク・ロイド・ライトの弟子のアントニン・レーモンドの設計で、スッキリとした気品を感じさせるデザインだ。レーモンドの設計ということで建築関係の人の見学者が多いという。

G山手234番館 昭和初期に建築された外国人向けの集合住宅。4世帯が居住できるよう設計されている。関東大震災後の外国人の流失傾向に歯止めをかけ海外貿易振興を図るため、横浜市が企画・提供した。1階正面にギリシャオーダーを配し、欧米人好みのデザインに工夫してある。