令和4年5月号(第142号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
柏 原
KAIBARA
 兵庫県 丹波市柏原町柏原 丹波市HP

丹波市観光協会HP




 
 柏原藩は、豊臣秀吉が晩年に、織田信長の弟の一人である織田信包(のぶかね)にこの地を所領として与えたことに始まる。

 その後、明治
4年に廃藩置県を迎えるまで、江戸時代全体を通して、おおむね織田家の子孫が藩主としてこの地を治めたため、今日でも「織田家の城下町」として町の歴史と特徴が伝えられている。

 しかし城下町といっても、戦国乱世が終わってからのまちづくりなので、城は築かれず行政庁兼藩主の居宅として、陣屋だけが造営された。

 2万平方メートルにも及ぶとされている広大な陣屋の敷地のうち、現在は表御殿の一部と長屋門だけが残されているにすぎないが、その陣屋跡周辺には、昔の武家屋敷を引き継いできたと思われる居宅が散在していて、全体として城下町の空気を感じることができる。
 

 

@太鼓やぐら A旧柏原町役場 B茅葺民家 Cたんば黎明館  
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  @太鼓やぐら 江戸時代中期に建造された建物。時報や登城の合図をはじめ、火事・災害時の警報として、太鼓が打ち鳴らされたようだ。特徴的でシンボリックなフォルムだが、周囲に建築物が立て込んでいるため、目立ちにくい存在になってしまっている。
A旧柏原町役場 昭和10年に建築され、町役場から丹波市役所柏原支所を経て、現在「かいばら一番館」の愛称でコミュニティ施設として開放されている。80年以上たつ相当に古い建物だが、丁寧にメンテナンスされて瀟洒な洋館風の外観が美しく維持されている。

B茅葺民家 陣屋に近いこのあたりは、以前は武家屋敷街だったらしく、お屋敷街が続く町並みの中に、茅葺屋根の民家が一軒だけ残されている。古い城下町の雰囲気を伝える貴重な建物である。

Cたんば黎明館 明治18年に建築された旧氷上高等小学校の校舎。古い城下町で育った子供たちにとって、このシャレた洋館校舎で学習できることは、あこがれだったのではないだろうか。現在はレストランやコニュニティー施設として保存・活用されている。