令和3年12月号(第137号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
岸和田 2
KISHIWADA
 大阪府 岸和田市本町 ほか 岸和田市HP

岸和田市観光振興協会HP



 岸和田は、豊臣秀吉の時代に岸和田城とともに城下町が築造されて栄え、また大阪と和歌山とを結ぶ紀州街道が整備され在郷町としても賑わった。
 さらに大正・昭和期には岸和田を含む泉州一帯に紡績工業が興り、近代都市へと発展を遂げた。
 このように岸和田は歴史の流れの中で多彩な役割を果たしてきた町であり、今日その足跡を町の各所に残していて
,興味深い町歩きが楽しめる。
 ところで現在、岸和田といえば、毎年秋に開催される「だんじり祭り」が想起される。江戸時代中期に始まったとされるこのお祭りは、町なかをにぎやかな笛・鐘・太鼓の音とともに引き回されるだんじりの隊列の勇壮なさまが人気を集め、すっかり重要な観光資源となっている。町のあちこちに残された古い町並みの姿が、この伝統的なお祭りの引き立て役になっているようだ。
D五風荘 E久住邸
F旧 和泉銀行 G寺町筋
 
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  D五風荘 もとは岸和田城二の曲輪にあった「新御茶屋」跡地に、旧寺田財閥の別邸として昭和初期に建築された建物。3つの茶室と回遊式庭園を持つ格式高い純和風建築である。現在はリーズナブルな価格で優雅な雰囲気を味わえるレストランとして賑わっているようだ。
E久住(くすみ)邸  明治後期に建築された町家。通りに面して店舗棟が建ち、中庭を挟んで裏側に居宅が建つ「表屋造り」と呼ばれる建築形式。家の前には、幕末期に当時この地にあった塩屋平衛門宅に、吉田松陰が逗留し外国船に対する海防について議論した、という趣旨の案内板が立っている。

F旧 和泉銀行 昭和初期に建築されたコンクリート造の建物で、設計者は、大正から昭和にかけて、関西を中心に様式建築の商業ビルを数多く手掛けた渡辺節である。国の登録有形文化財に登録されている貴重な建物だが、周りの今風の小型ビルの間に埋もれてしまっている感がある。

G寺町筋 紀州街道の東側に、各宗派の寺院が集まった一角があり、寺町筋と呼ばれている。狭い街路の両側に威厳ある瓦屋根が幾重にも重なりあい、統一された様式で建ち並ぶ町家街とは対照的に、ダイナミックで個性的な町並み景観を創り出している。