令和3年3月号(第128号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
西 脇
NISHIWAKI
 兵庫県 西脇市西脇 ほか 西脇市HP

西脇市観光協会HP


  西脇は播州平野の東北部に位置する。播州平野は、東から加古川・市川・揖保川などの河川が流れて肥沃な土地と水利に恵まれ、また瀬戸内海の温暖な気候による日照も豊かで、古くから農業の盛んな地域だった。
 西脇もそのような自然環境の中で米作を中心とした農業で発展してきた農村集落である。
 さらに、江戸時代中期からは綿花栽培が始まり、また京都の西陣から織機製作の技術を導入して、農家の副業として綿織物の生産が盛んになった。これが播州織と呼ばれて、今日まで西脇市の重要な伝統工芸として受け継がれてきている。
 播州織製品は、明治から昭和の高度経済成長期にかけて輸出商品として伸び続け、急速な成長を遂げたようである。町の中には、農業と播州織で栄えた時代の遺産がいくつか残されていて、観光資源の役割を果たしている。
@播州織工房館 A旧 來住(きし)家住宅 B市原駅記念館 Cコヤノ美術館  
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  @播州織工房館 播州織の工場だった建物が、平成19年から播州織の生地や製品のギャラリー&ショップとして活用・公開されている。220年の歴史を持つ先染め綿織物の歴史の紹介とともに、新たな付加価値を持つファッションブランドとしての取り組み作品が展示されている。
A旧 來住家住宅 来住家は地主であるとともに糸商も営んできた旧家である。この建物は、明治末期から大正にかけて10年がかりで建築されたもので、現在は西脇市に寄付され、一般公開されている。単に来住家個人の財力だけでなく、地域のエネルギーを感じさせる邸宅である。

B市原駅記念館 明治末期に播州鉄道()が設立され、大正初期から平成2年まで西脇市駅から鍛冶屋駅まで鍛冶屋線が運行されていた。廃線後も残されていた市原駅が改修・復元され記念館として公開され、鍛冶屋線の資料などが展示されている。木造ながら洋館風のモダンなデザインだ。

Cコヤノ美術館 古くからの豪農「藤井家」のお屋敷が修復され、2008年から、小谷野達雄氏が蒐集した古美術品などを展示する「コヤノ美術館・西脇館」として公開されている。奥の母屋が明治期、それに続く洋館が大正期、一番手前の離れが昭和期、と建築時期の異なる建物が連なっている。