令和元年6月号(第107号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
肥前浜宿1
HIZENHAMAJUKU
 佐賀県  鹿島市浜町  鹿島市HP
 
 
鹿島市観光協会HP
浜中町八本木宿

浜正津町浜金屋町

伝統的建造物群保存地区
   肥前浜宿は、室町時代に有明海に通じる浜川に沿って開けた在郷町である。江戸時代に入ってからは、多良往還と呼ばれた長崎脇街道が整備され、その宿場町としても栄えた。
 現在では、佐賀―長崎間といえば、車窓から有明海を眺めながら通過するだけの区間だが、当時は有力藩である鍋島藩と、唯一の海外貿易港をもつ長崎との間は、重要動線だったようで、浜宿は「浜千軒」と呼ばれるくらい賑わっていたようだ。
 明治になってからは、江戸期に鍋島藩から規制されていた酒造業が解禁されて盛んになり、多良往還沿いに多くの酒蔵が建ち並ぶようになり、今日の酒蔵通りに至っている。
 ところで肥前浜宿の重要伝統的建造物群保存地区は、醸造町としての「浜中町八本木宿」と港町としての「浜庄津町浜金谷町」とに分けて選定されている。厳密すぎてかえってわかりにくい。
 @旧乗田家住宅  A飯盛酒造  B酒蔵通り C山口醤油醸造所    ←画像をクリック 
      
    @旧乗田(のりた)家住宅 江戸時代後期の武家屋敷だが、ボロボロになって放置されていたものを、篤志家の寄付をもとに修復されよみがえった。くど造りの美しい外観で、貴重な文化財である。
A飯盛酒造 JR肥前浜駅から南西の方向に10分ほど歩いていくと、酒蔵通りに突き当たる。飯盛酒造はその突き当たり正面に立地していて、赤いレンガ造りの煙突が、いいランドマークになっている。蔵造りの主屋は大正期に建築されたものらしい。

B酒蔵通り 多良往還は、酒蔵通りと名付けられ、美しい町並みに整備されている。左手前の蔵造りの建物は、江戸時代に荷物の輸送を行う人馬を継ぎたてた継場で、現在はまちなみ案内所を兼ねて公開されている。その向こうの木造洋館は、昭和初期の郵便局で、現在は公民館として利用されている。

C山口醤油醸造所 江戸時代から現在まで続く造り醤油商家。蔵造りの2階の妻壁に、なまこ壁で化粧した品格のある建物だ。山口家はもとは武士だったそうである。この建物の右奥に続く蔵造りの建物は、中島酒造場で、こちらも江戸時代から続く造り酒屋。