平成29年7月号(第84号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
松 阪
MATSUSAKA
 三重県 松阪市殿町 松阪市HP

松阪市観光協会HP


 松阪は蒲生氏郷が整備した城下町である。また、三井財閥の基礎を築いた三井高利を始め、多くの松阪商人を輩出した商人のまちでもある。その両方の性格の町並みが、現在も保存されている貴重な町である。

 伊勢街道と和歌山街道が町中を貫き、東海道からも近い地理的条件から、政治的にも、商業上も重要拠点となっていたようだ。さらに、「古事記伝」を執筆した本居宣長が生まれ活躍したということで、文化的にも充実した町であった。

 現在の松阪市街地は、幹線街路以外の道路は城下町時代のものを相当残しているようで、碁盤目状の区画割になれた現代人としては、歩いているうちにどの方角に向かっているのか、戸惑うことがしばしばだが、松阪城址周辺や伊勢街道沿いの古い町並みを残しながら、都市計画を進めているのは貴重である。

 

①御城番屋敷 ②歴史民俗資料館  ③旧長谷川邸 ④松阪商人の館
 
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  ①御城番(ごじょうばん)屋敷 江戸時代末期に、お城の警護をする武士の家族のために建てられた長屋。現在も住宅として住み続けられている。現代生活には不便なことも多いと思われるが、ていねいに手入れされた生垣に囲まれて、美しく住みこなされている。
②民俗資料館 明治期に建築された図書館で、現在は歴史民俗資料館として公開されている。松阪城址内の一角で木々に囲まれ静かにたたずんでいる。石垣の上から全体像が俯瞰できるのでじっくり鑑賞できる。

③旧長谷川邸 長谷川家は、三井家・小津家と並ぶ松阪三大豪商のひとつ。黒漆喰塗りの袖蔵と母屋にはうだつが上がり、塀越しに見越しの松が整えられた堂々とした構えの邸宅である。現在、市に寄贈され内部が公開されている。

④松阪商人の館 江戸時代、松阪商人である小津清左衛門長弘が、江戸で創業した紙店「小津屋」の屋敷。現在は「松阪商人の館」として公開されている。広い間口に黄漆喰の壁が印象的で、風格のある上品なたたずまいである。