平成28年3月号(第68号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
内 子 2
UCHIKO
 愛媛県 喜多郡内子町内子 内子町HP

内子さんぽHP
八日市護国
伝統的建造物群保存地区
 内子は、松山と大洲を結ぶ大洲街道沿いに発展した宿場町であり、また定期的に市が開かれていた商業町でもある。特に、櫨の実に含まれる脂分(木蠟)を抽出し、それを漂白・脱色してつくる晒蠟(さらしろう)の製造・販売により江戸後期から大正期にかけて栄えた町として特色があり、町並みはその繁栄の面影を今日まで伝えている。

 晒蠟からは和ろうそくやせっけんがつくられる。電燈がなかった時代の灯りといえば、菜種油に芯を浸して燃やす方法が一般的だが、臭いや煙があったので、大切な行事やおもてなしのときなど、高級品である和ろうそくが用いられた。内子で製造される晒蠟は、その品質の良さから、四国だけでなく京阪神や海外まで、広い販路を確保して膨大な富を築いたようである。今日まで残されている木蝋商人たちの豪邸から、その繁栄ぶりがうかがえる。
⑤下芳我家住宅 ⑥商いと暮らし博物館  ⑦ビジターセンター ⑧内子座   
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  ⑤下芳我家住宅 この家も本芳我家の分家の屋敷。本町通りに面して、広い間口を持った塗屋造りの建物で、玄関の上には、立派な千鳥破風を備えている。現在は、そば屋として活用されている。また、隣接して隠居屋が軒を連ねて建てられている。
⑥商いと暮らし博物館 明治期の商家を活用し、昔の薬屋の商いと暮らしの様子を再現し、展示している。リアルな人形を配置して雰囲気を出しているが、室内は薄暗いのでいささか不気味だ。

⑦ビジターセンター 昭和初期にたてられた警察署の建物を、内子の観光拠点として活用している。木造建築だが、石造り風の様式建築の外観に仕上げられている。JR内子駅から伝建地区へ向かって歩いていくとその途中にあり、観光拠点として、格好の立地である。

⑧内子座  大正期に、内子の豪商たちの出資により建築された芝居小屋。老朽化による解体の話もあったそうだが、町並み保存運動の機運の中で見事に復活した。単なる見学施設としてではなく、地域社会の文化活動に積極的に利用されることを期待したい。