平成26年4月号(第45号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
福 住
HUKUSUMI
 兵庫県  篠山市福住 他  篠山市HP

丹波篠山観光協会HP

福住さとねっと
 篠山市福住

 伝統的建造物群保存地区

 福住は、篠山の城下町から東へ10キロメートルほどのところに散在する農村集落の中にある宿場町である。西京街道沿いにあるこの集落は、江戸時代に宿駅として指定され、それ以降、明治入って現在のJR福知山線が開通するまで宿場町として発展した。街道沿いの村々は、旅籠や農業をあわせて営むとともに、京都と篠山の間にある流通拠点としても発展したようで、残されている町並みは、町家と農家が混在していて、京都の西はずれにある嵯峨鳥居本地区とよく似た景観が保存されている。ただ農家は昔茅葺だったものに、ことごとく鉄板屋根がかぶせられており、すこし残念な気がする。

 町並みは、街道沿いに点在しながら連なっており、背後に田んぼと小高い丘陵が控えていて里山的なのどかでのんびりした空気に包まれている。伝建地区に選定されてからまだ日が浅いせいもあるのだろうが、ほとんど観光化もされておらず、ごく普通の山あいの小さな集落が古い町並みとともにしっかり保存されていて味わいがある。
@わだ家 A福住上地区  B川原地区  C安口地区   
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@わだ家(わだや) 昔郵便局だった古民家がしばらく空家のまま放置されていたものを、1か月単位で借りることができる「篠山暮らしお試し住宅」として改修され、活用されている。平入り塗屋造りの広大な邸宅で、学生サークルの合宿用にはピッタリな雰囲気である。
A福住上地区 このあたり案内パンフでは、“宿場町の町並み”となっているが、塗屋造りに袖蔵を備えた様子はどうみても商家の町並みである。おそらく旅籠と商売の両方を営んでいたのだろう。ゆるやかに曲る街道沿いに妻入りの民家が建ち並び、絶好のスケッチポイントである。

B川原地区 福住の集落から西京街道を京都方面へ10分ほど歩くと、川原の集落にはいる。このあたりは塗屋造りの商家と茅葺屋根(今はみんな鉄板をかぶっているが)の農家が混在する町並みになっている。どの家も手入れが行き届いていて、静かで穏やかな町並みである。

C安口(はだかす)地区 安口と書いて「はだかす」とは、まず読めない難読地名だ。このあたりまでくると町家が混ざるものの大半が農家である。このスケッチは西京街道の裏側から見たものだが、小川とたんぼを前景として蔵が並び、整然とした美しい景観である。新興住宅地の裏側は、ポリのごみ箱や空調の室外機が並ぶ雑然としたものが当たり前なのと対照的だ。