あなたを生かす聖書の言葉

2022年2月20日(投稿)

今週の聖句    歴代誌上18

 聖書「主はダビデに、その行く先々で勝利を与えられた」

(歴代誌上18:6,13)

ダビデと聞いて思い起こすことはいろいろあるでしょうが、彼の人間臭さ(罪深さ)を示す出来事は、やはりバト・シェバ事件でしょう。またダビデの息子たちの骨肉の争いや、三男アブサロムの反乱も忘れることはできません。それは、歴代誌で言えば201に「ダビデ自身はエルサレムにとどまっていた」とある、その後に起こる出来事、事件なのですが、歴代誌はそれらについては一言も触れません。なぜ何も記さないのか。ダビデを美化しようとしているという人もいますが、そうではないでしょう。

歴代誌を読んで示される一つの事は、一切を統べ治め給う主なる神への信仰です。18章にはダビデの戦果が記されていますが、そこでは、上記のように「主はダビデに、その行く先々で勝利を与えられた」と繰り返されています。またダビデ軍の司令官であるヨアブは、アンモン軍との戦いの際に「主が良いと思われることを行ってくださるように」(19:13)と祈って、一切を統べ治め勝利を与えてくださるのは主であるという信仰を表明しています。歴代誌が証ししようとしていることは、そこにあります。ダビデがどれほどの罪を犯したとしても、人の罪が神の統治を歪めたり、無効にしたりはしないのです。その意味では、ダビデの過ちは、神の計画を変更するような重大事件ではないのです。

17:14には、神の宮を建てようとしたダビデに、主なる神は預言者ナタンを通して「彼の王座はとこしえに固く据えられる」と語っています。ここの「彼」とは、直接的にはソロモンのことですが、この言葉は、マリアへの受胎告知のとき、天使ガブリエルが、生まれてくるイエス様について語った言葉(ルカ1:33)と同内容です。そのことからも分かりますが、主なる神の統治と御心の行使は、主イエスにおいて成就するのです。歴代誌は、その統治者キリストへの信仰へと、わたしたちを導こうとしているのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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