あなたを生かす聖書の言葉

2021年10月10日(投稿)

今週の聖句    列王記下15

 聖書「主の目に適う正しいことをした」(3),「主の目に悪とされることを行った」(9)

(列王記下15)

この15章には、南ユダの王2人、北イスラエルの王5人の名が挙げられています。南ユダの王たちには「主の目に適う正しいことをした」(3,34)と言われ、北イスラエルの王たちについては「主の目に悪とされることを行った」(9,18,24,27)と言われています。

その「主の目に悪とされること」とは、具体的にはヤロブアムT世(北イスラエルの初代王)が犯した罪でもあり、具体的には、列王記上12章に記されています。そこの28節以下にはこうあります。「彼は…金の子牛を二体造り、人々に言った。「…見よ、イスラエルよ、これがあなたをエジプトから導き上ったあなたの神である。…このことは罪の源となった。」実は、かつても同じことがなされていました。モーセがシナイ山に上ってなかなか降りてこなかったとき、アロンの指導の下、人々は金の子牛を作り、拝みました。その時アロンは言いました。「イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国から導き上ったあなたの神である」(出エジプト記328、口語訳)。まったく同じ言葉です。

彼らは、自分たちを救ってくださった神と違う神を拝んでいるつもりはなかったのです。自分たちを救ってくださった神を、言わば可視化し、固定化しているのです。しかし、それは神を自分の手中に置くことになり、活ける神を死んだ神にしてしまうことになります。それは、自分なりの神理解を神にしてしまう偶像礼拝であるのです。それこそが、正に「罪の源」です。京都には道端に沢山の地蔵が祀られていますが、それを拝むキリスト者はいないでしょう。しかし、今言ったような仕方での偶像礼拝は、しかねないのです。必要な事は、自分の神理解、キリスト理解を固定化しないことです。自分の神理解を捨て去って、新たに御言葉に聞き、そこで示される神を礼拝するのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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