あなたを生かす聖書の言葉

2021年7月4日(投稿)

今週の聖句    列王記

 聖書「あなたたちはエクロンの神バアル・ゼブブに尋ねようとして出かけているが、イスラエルには神がいないとでも言うのか。」

(列王記下13)

イスラエルの王アハズヤが病気になったとき、イスラエル神に祈ることをせず、エクロンの神バアル・ゼブブに治癒を求めて使者を出します。それを知った神は、エリヤを通じて、神を信頼しないのだから「上った寝台から降りることはない。あなたは必ず死ぬ」と告げます(4)。普通ならここで悔い改めるのですが、アハズヤそれに対して怒り、エリヤを抹殺すべく50人隊長を遣わします。しかし、50人の兵卒たちは、天からの火によって滅ぼされます。同じことが繰り返されます。アハズヤな頑なな心は変わりません。三人目の50人隊長が派遣されます。この隊長は前のことを知っていますから、エリヤに懇願し、命乞いをします。エリヤは、その隊長に既に自分が語ったことを王に告げるように言い(16)、彼を帰します。それでもアハズヤは悔い改めることなく、エリヤの言葉の通り、寝台から降りることなく、病死します。

この王の愚かさを笑う訳にはいきません。「苦しい時の神頼み」という言葉がありますが、「苦しい時の神離れ」もあるのです。わたしたちもそうなりかねません。困難や苦難が続くと真の神に信頼し、祈ることを止めかねないのです。アハズヤが頼りにしたバアル・ゼブブとは「ハエの王」という意味だそうです。力はたいして無いのですが、 ( ばい ) 菌を運ぶという意味では侮れません。それよりの興味深いのは、バアル・ゼブブは、マルコ322の悪霊の頭ベルゼブルと関係があると言われていることです。その悪霊の頭を、主イエスは既に駆逐してくださっているのです。わたしたちには、今や何も恐れる物はありません。「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮される」(Uコリント129)と仰せになる勝利者キリストへの信頼をもって、その主に信頼して祈り、主を崇める歩みをしてゆけばよいのです。

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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