あなたを生かす聖書の言葉

2021年6月6日(投稿)

今週の聖句    列王記上19

 聖書「火の後に、静かにささやく声が聞こえた。」(列王記上19:12

エリヤはバアルの預言者450人との対決に勝利しましたが、アハブ王の妻イゼベルから殺意を抱かれ、逃亡します。エリヤは疲れ切っており、「もう十分です。わたしの命をとってください」(5)と願うほどでした。4040夜歩き続け、ホレブ山の洞穴に逃れます。その間、主なる神はパン菓子と水をもって養い続けてくださいましたが、その主の御支えも見失うほど信仰が揺らいだのでしょう。洞穴に閉じこもります。その彼に、主なる神は「そこを出て…主の前に立ちなさい」(11)と語られます。

前々回示された通り、エリヤは御言葉に生かされていました。だからこそ、イスラエルの民から敬愛され、メシアの先駆者としてもう一度立たされると信じられていたのです。それ程の者でも、信仰が揺らぐことがあるのです。主の前に立つことを止めた時です。主を見上げることを止めて、他のものを見、それに心奪われたとき、人はしばしば主への信仰を失いかねないのです。どれほどの者であったとしても、その点では変わりがないのです。

エリヤが主の御言葉に促されて御前に出たとき、非常に激しい風が起こります。また風の後には地震、その後には火が起こります。しかし、それらの強風、地震、火の中に、主はおられません。その後に、静かにささやく声が聞こえます。主の言葉です。主は目を見張るような出来事を通してではなく、静かにささやく声によってご自身の生きて働き給うことをお示しになるのです。必要なことは主の御前に立ち、静まって主の御声、御言葉を聞くことです。その御言葉を通して、エリヤは、自分は一人ではない。主なる神が、主を信じ主のために戦う7000人を残しておられることを示されます(18)。わたしたちも、残りの者たちがいることを知って、共に主をあがめるために、「静まって、わたしこそ神であることを知」るのです(詩篇46:10、口語訳参照)

 

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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