あなたを生かす聖書の言葉

2021年5月2日(投稿)

今週の聖句    列王記上13

 聖書その人はベテルに来たとき通った道に戻ることなく、ほかの道を通って帰って行った。」(列王記上13:10  

ユダからベテルに来た神の人が、ヤロブアム王の行為が御心に適わないゆえ、裁きを受けると告げます。ヤロブアムは怒り彼を捕えようとして手を伸ばしますが、その手は萎えてしまいます。王は手を元に戻してくれるよう懇願し、元に戻してもらいました。王は神の人を王宮へと招こうとしますが、彼は、それは神から禁じられていると言って固辞し、上記聖句にあるように、来たときの道に戻ることなく、「他の道を通って帰って行」きました。ヤロブアムは、そのことを通して神の警告を受けたにも拘らず、「悪の道を離れて立ち帰」えらなかったので、「地の面から滅ぼし去られることと」(3334)なりました。

話は戻りますが、神の人の一連の言動を知ったベテルの老預言者が、神の人を追いかけ、神からの指示であると偽って彼を自分の家に連れ帰り、飲食の接待をしました。その饗応を受けた神の人は、帰り道、獅子に襲われて死にます。老預言者が騙したとは言え、人の甘言に乗り、神の言葉に留まり続けることをしなかったからです。ヤロブアムは神の御心に従うことをしなかったので滅びましたが、神の人と言えども同じなのです。聖書はここで、何があっても神の御言葉に聞くことを勧めているのです。

 今ほど触れましたが、ここの10節には「来たとき通った道に戻ることなく、他の道を通って帰って行った」と記されていました。この言葉は、救い主に出会いひれ伏して幼子を拝んだ東方の占星術の学者たちが、「別の道を通って自分たちの国へ帰って行った」(マタイ2:12)という言葉を思い起こさせます。彼らはヘロデと約束していましたが、権力者の言葉に聞くのではなく、夢で示された神の御心に聞き従ったのです。御言葉に聞き、そこに留まることが、主を信じる者の生きる道なのです。

 

京都大宮教会 牧師 渡邉宣一

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