とんがらし文化

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夏の終わり、首都ソウルの民家では唐辛子を干す光景がみられます。

人通りのない小道に白い壁と赤い唐辛子がなんともいい雰囲気をだしていました。

ほとんどの日本人は、まるごとの唐辛子を使う機会が少ないことと、乾燥した鷹のツメを購入するので、この風景はなんとも珍しく見えたのでした。

韓国の唐辛子は和とうがらしにくらべて大粒です。キムチに漬け込む量からみて、さほどカプサイシンは多く含まれていないのではないでしょうか。

 

 

 

農家が唐辛子を干しているのではありません。場所は、ソウル市内のど真ん中、京福宮の隣です。

キムチ用に大量の唐辛子を市場で買ってきて、天日で乾燥させます。写真のように米袋のような大きな袋入りで買ってくるようです。

日本で使う「鷹の爪」とは違う品種のようで、とても大きいでした。

ごらんください。長さは15センチメートルくらい、ほぼ手首から指先くらいの巨大な唐辛子です。タイのブリッキーヌーは小さくて辛さは飛び切りでしたから、この大きな唐辛子はそれほど辛くないのかもしれません。

唐辛子って豊臣秀吉が朝鮮出兵したときに日本から朝鮮へ伝わったものだそうです。

 

 

 

 

このように、道路と家の壁の間のわずかな私有地を利用して、家を囲むように、何かのおまじないのように、ぎっしりと唐辛子が干してありました。

こんなわずかな隙間さえ、このとおり。

外がこんな風ですから、家の中庭にも大量の唐辛子が干してあるのだと思います。

 

 

この壁も雑で素朴な味がしますが、案外手間のかかった細工です。

積み上げたレンガの隙間を埋めるだけなら、表面をベタ塗りしたほうが手っ取り早いと思うのですが、丁寧に目地棒をあてて仕上げてあります。

いい感じだと思いません?

 

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