仏陀の生涯 |
「法隆寺について」はガイドで多くの方にお話しいたましたのでホームページに掲載す
インド、パキスタン共に博物館では展示品のカタログが販売されていないうえに展示 |
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太子は現世に生を受ける前は兜率天で菩薩として修行されておりました。現在は弥勒
本生譚、仏伝図ともにわが国の絵巻物と違うのは絵巻物は捲きながら閲覧いたします
仏陀の生涯で大きな出来事を四つ、八つに分けまして釈迦四相、釈迦八相と言い、釈 |
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太子、仏陀の時代とも常にガードマンとして
付き |
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例えとして適当かどうかは分かりませ |
![]() |
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「燃燈仏授記(ねんとうぶつじゅき)」はガンダーラで多く見られます。これは仏陀の |
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![]() 燃 燈 仏 本 生 |
メーガは過去仏の燃燈仏が近く都に来られることを知り是非お会いしたいと出向き |
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上図は「過去七仏と弥勒菩薩図」ですが右の一仏が破損して六仏となっております。 |
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「六牙象本生」は仏陀の前世の物語です。 |
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![]() 部分図 |
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仏陀が前世で六本の牙がある象王(青矢印)だった時の話で、象王が一人の王妃に贈 |
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大猿本生 |
仏陀は前世で動物であったといいその動物には象・猿・鵞鳥などがありますが我が |
![]() 大 猿 本 生 |
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ある国の王は川に流れるマンゴを拾って食すると美味しかったので王は川上の木に |
1はマンゴが流れる河、2は矢を引いてまさに猿を撃とうする兵士、3は橋代わり |
他の本生譚は後述いたします。 |
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托胎霊夢(たくたいれいむ) |
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白象ですがインドでは象(青矢印)はそのまま表されますがガンダーラでは象(赤矢 |
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占 夢 |
![]() 占 夢 |
「占夢」とは仏陀の生母となる王妃の |
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誕 生 |
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![]() ヤクシー |
マーヤー夫人は里帰りして散歩中、ルンビニ園で急に産気づき無優樹の樹枝を右手 |
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誕生の後、7歩歩かれた「七歩行」と「灌水」ですが誕生するや否や七歩行された後 |
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「灌水」はインドとガンダーラでは違いがありガンダーラでは誕生直後の太子に産湯 |
![]() 灌 水 |
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一方、インドでは竜蓋を着けた2龍が灌水しております。図では太子の誕生を2龍 |
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御者と愛馬の誕生 |
![]() 御者と愛馬の誕生 |
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太子が誕生すると同時に後の御者のチャンダカ、愛馬のカンタカが誕生したとのこ |
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勉 学 |
太子は勉学、武芸に優れた才能を示されたということです。特に、相撲、弓術が抜 |
通 学 |
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太子は羊に乗って学友と一緒に学問所に |
筆記用具には木板か石板を使用したと |
競 技 |
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![]() レスリング・弓術 |
レスリングは相手が死ぬかギブアッ |
下段はレスリング・弓術ですが上段はい |
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太子は右手で象を持ち上げ今まさに投 |
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![]() 儀 式 |
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この儀式はお見合でしょうか結婚式でしょうか。 |
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樹下観耕 |
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「樹下観耕」の代表的な彫像で、堀辰夫の名作『大和路 |
食弱肉の現実を見て世の中の無情に衝撃を受け心を痛めました。 |
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2頭のこぶ牛を棒で追い立てながら犂を引かして耕作しているの |
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宮廷生活 |
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父王は太子に絶世の美女に囲まれたわが国の江戸城の大奥のような生活を過ごさせ |
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四門出遊 |
太子は城内の者が見守る中で城を |
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南門を出れば腹が異常に膨れた病人(青矢印)に会うという場面でしょうか。ただ |
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出城前夜
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出家決意 |
太子は昼間音楽とともに踊り狂っていた官女たちのだらしなく醜い寝姿を見て宮廷 |
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出家踰城(しゅっけゆじょう) |
![]() 出 城 |
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太子が迎えにきた御者と愛馬で城を出ようとするところです。 |
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居城から馬の蹄の音で妃が目を覚まさないようにヤクシャが馬の脚を支え馬を持ち |
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御者、愛馬の別れ |
御者と愛馬の帰城 |
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![]() 御者、カンタカの帰城 |
愛馬が太子の足をなめ別れを惜しんでおります。 |
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落 髪 |
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太子自ら左手 |
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![]() ターバン供養 |
太子が自分自身で髪の毛を切りその髪を空中に投げたのをインドラが受け止めその これらの儀式と次の衣服の交換とは順序が逆になるかも知れません。 |
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衣服の交換 |
![]() 衣服の交換 |
途中で猟師に出会い太子の衣服と |
太子は修行中の菩薩ということですがもう既に光背があります。 |
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仙者訪問 |
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麦わらの小屋に住む仙者を訪ね多くの |
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苦 行 |
![]() 苦 行 像 |
「苦行像」そのものは少なくラホール博物館 |
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苦行を捨てる |
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苦行生活を続けるも疑問点の |
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![]() スジャーター遺跡? |
太子は沐浴の後村娘スジャーターから乳粥(にゅうひ)の奉仕を受け元気になり体力 尼連禅河の近くにあるストゥーパ跡でありますがスジャーターの関連遺跡とのこと |
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カーリカ龍王夫妻の讃偈 |
![]() カーリカ龍王の讃偈 |
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悟りを開くべき最後の瞑想のためボードガヤに向かう太子に、間もなく仏陀になら |
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草刈り人の布施 |
草刈り人の頭上に樹木があるの |
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ボードガヤー |
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仏陀が成道されたということは仏陀の生涯の中で |
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魔衆の攻撃 |
苦行での悟りは得られなかった太子はピッパラ樹の下で瞑想に入りましたが、魔衆 |
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魔衆たちは頭でっかち、太鼓腹、大口でわめきオーバアクションで脅しておりますが |
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右の写真は聖山・サーンチーを訪れた時の孔雀で、この時間サーンチーに居たのは |
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左図 下段の兵士は人間の姿で、両端の兵士は立派な鎧を着け槍、剣と楯を持ってい 右図 下段には魔王の三人娘で左端はなぜ負けたのかで悩む魔王(青矢印)を慰めてい |
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「成道」とは精神的なもので形で表現できず魔衆の攻撃を退けた場面の降魔成道を持 |
降魔浄土 |
![]() 降 魔 浄 土 |
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魔王は我が三人娘による色仕掛けの攻撃に失敗をいたしましたので武力攻撃に切り 左図 魔王は今まさに剣を抜こうとしております。その父親の無謀な行為を止めよ 右図 太子が右手を大地に触れ大地の神を呼び出してから戦いは太子に有利となり、 |
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左側は大地の神々でしょうか。右側はブッダガヤの聖堂からほうほうの体で逃げ出す魔衆でその狼狽ぶりの表現は見事です。 |
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四天王奉鉢 |
![]() 四天王奉鉢 |
「四天王奉鉢」とは四天王が仏陀に鉢を |
力で4つの鉢を1つの鉢に纏められたのが仏陀の左手にある鉢です。 四天王奉鉢はインド、パキスタンでも人気のある仏伝です。 |
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梵天勧請 |
「梵天勧請」はガンダーラで好まれ多くの作品があります。釈迦はガンダーラには訪 |
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禅定印を結び結跏趺坐する仏陀。左右はブラフマー、インドラです。菩提樹は仏陀 |
![]() 梵 天 勧 請 |
仏陀は禅定印ではなく説 右側はインドラでターバ
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それではと、最初の説法を鹿野苑(ろくやおん)(現在のサルナート)で行うことにな |
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鹿は野生ですから鹿野苑では人間に危害を加えないよう金網で人間と鹿が接触しな |
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![]() 初 転 法 輪 |
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説法のことを転法輪と言い転法輪とは字の通り法輪(ダルマ・チャクラ)をまわすこ 右図は降魔印のようですが2匹の鹿が蹲っておりますのでサルナートでの初転法輪 |
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次に仏陀が他の宗教徒を神通力をもって改宗させる物語を記載いたします。 |
火神堂内毒龍調伏(どくりゅうちょうぷく) |
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「火神堂内毒龍調伏」とは仏陀が毒龍(蛇)を |
をカーシャパ兄弟に見せましたところ釈迦の超能力にカーシャパ兄弟は感嘆して合掌 |
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尼連禅河渡渉の奇跡 |
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「尼連禅河渡渉の奇跡」とは仏陀が尼連禅河 下部の仏陀の偉業に感嘆の合掌しているの |
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![]() |
右側のシーンは薪を割ろうとして斧を振 |
カーシャパの改宗 |
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バラモン僧だったカーシャ |
なかったのでないでしょうか。 |
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祇園精舎の寄進 |
祇園精舎といえば平家物語の冒頭「祇園精舎 |
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れた黄金を2人の者が敷地一杯に敷き詰めております。 |
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須達多長者が祇園精舎の敷地と三つの 下部には黄金を敷き詰めたという証が
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帝釈窟説法 |
![]() 帝 釈 窟 説 法 |
「帝釈窟説法」とは、仏陀が帝釈山の洞 手印は説法印ではなく禅定印でまだ瞑 |
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![]() 帝 釈 窟 説 法 |
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獼猴奉蜜(みこうほうみつ) |
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「獼猴奉蜜」は釈迦八相の一つに数えられるも |
た猿でしょうか。 |
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幼児の布施 |
仏陀も毎日その日の生活の糧を求 |
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右端はヴァジラパーニでしょう。中央の木は棕櫚でこの話には出てくるそうです。 |
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酔象調伏(すいぞうちょうぶく) |
「酔象調伏」とは仏陀を快く思わな |
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ころでしょう。釈迦八相の一つです。 |
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白犬の因縁 |
![]() 白 犬 の 因 縁 |
「白犬の因縁」とは「吠える白い犬」とも言われ |
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火から救われたジョティシュカ |
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写真はガラス戸に写ったライトの影響で仏陀 |
い出したという話です。炎の中から男の子(青矢印)を救いだし子供の名前をジョティ |
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舎衛城(シュラーヴァスティー)の奇跡 |
「舎衛城での奇跡」では「千仏化現(せんぶつけげん)」と「双神変(そうじんぺん)」が著 |
![]() 千 仏 化 現 |
舎衛城の神変(千仏化現の奇跡)は異教徒 蓮華座に坐し瞑想中の仏陀は,次々と化
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舎衛城の奇跡 |
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「舎衛城の奇跡」と言われる作品は多 |
![]() 千仏化現・化仏を発する禅定仏 |
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蓮華座に座し禅定印の仏陀の両側に、蓮華座上の仏立像を3体ずつ放射状に表して |
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双神変(そうじんぺん) |
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「双神変」はインド、ガンダーラでは少ないで |
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燃肩仏 |
![]() 燃 肩 仏 |
禅定印を結び結跏趺坐した仏陀の両肩から 手が異常に大きいのと真丸の光背が印象的 |
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この作品も舎衛城の奇跡であるとの |
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「従三十三天降下」はインド、パキスタンともに数多く造られております。三道宝 |
従三十三天降下 |
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三十三天(忉利天)とは須弥山の頂上にあり、中央に 天界と地上界が結ばれた階段はインドラが造らせた |
の階段の表現はスペース的に難しかったからでしょう。 合掌して迎えるのはブラフマー、インドラです。仏足跡のところで跪いているのは |
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優填(ウダヤナ)王の造像 |
![]() 優填王の造像 |
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「優填王の造像」とは仏陀が誰にも告げず三十三天に |
ところです。この「釈迦如来像」を中国僧が故国に持ち帰りましたのを、東大寺の僧 |
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死女が子を産む話 |
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若くてきれいな王妃が懐妊いたしまし |
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スリグプタの招待 |
![]() スリグプタの招待 |
「スリグプタ」が仏陀を招待した際、落 |
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アパラーラ龍王の帰依 |
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「アパラーラ龍王」はスワート河を氾濫させては農作物を駄目にして農民を苦しめて |
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アングリマーラの悔悛 |
![]() アングリマーラの悔悛 |
容姿端麗な少年だった「アングリマーラ」は師 下段は仏陀に敬意を払うマガダ国の王ウダー |
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アータビカの帰依 |
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ある野蛮人「アータビカ」は王に毎日、 |
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マンゴ園の寄贈 |
![]() マンゴ園の寄贈 |
台座上に結跏趺坐して右手を施無畏印に |
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エーラパトラ竜王の訪仏 |
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「エラーパトラ龍王」は前世に善行を積 |
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涅 槃 |
仏陀は鍛冶職人が差し上げた食事に当ってしまいました。迫りくる死期を悟った仏 |
![]() 涅 槃 図 |
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左図で説明いたしますと寝台の両側後方には沙羅樹が表されており沙羅樹が2本で |
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上図はインドでは珍しい涅槃図です。左から沙羅樹の中からの樹神(青矢印)、頭に手 |
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納 棺 |
![]() 納 棺 |
納棺の前に仏陀の遺体を布で包むのです |
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荼 毘 |
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荼毘の着火が出来ず困惑しているとこ |
ているとのことです。薪は香木の白檀でありました。 |
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分舎利戦争 |
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中央は仏陀の舎利を祀っているクシナーラ国に分舎利を求めて攻城する王たち。城 |
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舎利分配 |
仏陀を荼毘にして舎利を祀ったのは |
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舎利運搬 |
![]() 舎 利 運 搬 |
これは部分図です。華麗な文様の衣で飾った象、その象に二人の護送人が乗ってお |
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造 塔 |
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アショーカ王が八つに分配された仏舎利を安置した塔から塔を解体して舎利を取り出 |
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これより仏伝図です。 |
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1は太子誕生、2は二龍灌水、3は降魔成道。4は従三十三天降下でその下の5は |
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1は占夢の場面。 |
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1は白象がマーヤー夫人の右脇から胎内に |
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1は太子の前世は兜率天の菩薩で天上の神々が太子に白象となって地上界に降下する これらの図の特徴は手足が細く表現されていることです。 |
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白象(青矢印)を円盤内で表すのはガンダーラの特徴です。 |
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これからはインドの「サーンチー」について記述いたします。しかし、すべてではな |
![]() サーンチー第一塔(北側) |
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サーンチーには第一塔から第三塔まであります。塔については次回に記載いたしま |
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ヴェッサンタラ本生 |
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「ヴェッサンタラ本生」は現在の正門・北門(当初は南門が正門)にありしかも本生 |
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左側の下段から始まり右側で上段に反転します。水差しを持った王子(青矢印)がバ |
![]() ヴェッサンタラ本生 部分図 |
王子が一人の子供の手を引き王妃は 山中でのヴェッサンタラ王子家族の
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食料品を調達に出かけた妃(青矢印)は子供たちに異変が起こったのでないかと胸騒 |
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カピラヴァストゥへの帰郷 |
仏陀は王舎城から故国のカピラヴ |
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竹林園での説法 |
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「竹林園」はビムビサーラ王が寄進した |
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デーブァ夫妻の接待 |
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デーブァ夫妻(中央に見える)による仏陀
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帰郷説法 |
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最上段は仏陀の前世は兜率天に居られその兜率
中段は仏陀がカピラヴァストゥへ帰郷の際父王 仏陀の帰郷に父王、仏陀妃の喜びは大変だった |
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サーマ本生 |
![]() サーマ本生 |
親孝行なサーマ少年の物語です。めくらに |
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画 中西 雅子 |
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