解説 猩 々
中国潯陽の江、金山の麓近く、揚子という所に、高風という親孝行な男がいました。不思議な夢の告げに従い、揚子の市場に出て、酒を売っていました。その店に、いつも一人の童子が来て、酒を買って飲みますが、その有様が不思議なので、名を尋ねますと、海中に住む猩々と名乗り、酒壺を抱いて海中に帰っていきました。
高風は、壺に酒を満たして、潯陽の江に出て、猩々の出てくるのを待ちました。
猩々は酒の酔いに任せて舞を舞い、高風の正直さに感激して、酒を満たした壺を与えます。
解説 猩々乱
「中之舞を特殊な舞(乱と言います)に変えて舞うときに曲名もこのように変えます」
乱は、特殊な足使いで舞う舞です。流儀により、その足使いもずいぶん違います。技術的にも高度なもので、十分な鍛錬を要求されるものです。