解説   百万


 迷子の男の子(子方)を連れて都の僧(ワキ)が、嵯峨の大念仏を拝みに行きました。
 群衆の中に、大念仏の音頭を取り、我が子に逢いたいと祈念する、百万と名乗る狂女(シテ)がいました。この狂女は、見失った我が子を捜し、京都まで来た母親でした。
 僧はそれを男の子から告げられ、ひとまず、母の心の中を色々尋ねました。百万は、我が子を思う心情を舞にして語りました。
 僧は痛わしく思い、親子を引き合わせました。母と子は、仏の法力によって再会できたと喜び、一緒に故郷の奈良へ帰りました。


解説目次へ    展示室TOPへ    平成13年1月1日更新