Viola da gamba 製作工程 [5]

 

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(37)ニスの原料
jpeg 今回はセラックニスで仕上げます。
この原料となるセラックは、地中海にいるセラック虫が出した分泌物だそうです。

 

(38)色付け
jpeg ヴァイオリン属に比べてニスの厚みが薄く、深い色がつきにくいので 木地に色を付けてニスを塗ります。
昔からコーヒー、紅茶で色を付けていました。

 

(39)色付けの出来上がり
jpeg 全体が仕上がりました。
後は、ニスを塗るだけです。

 

(40)塗装
jpeg 刷毛を使ってニスを塗っています。
なるべく薄く何回も塗るのがコツです。

 

(41)塗装の完成
jpeg 塗装が完成しました。
このように吊って乾燥させます。

 

(42)指板の製作
jpeg またヴァイオリンの話が出ますが、今使われているヴァイオリンの指板は黒檀の塊から
削りだして作っているのですが、ガンバとかバロック時代のヴァイオリンは楽器を軽くするために、 心材は軽い松のような軽い針葉樹で作り、薄い黒檀など硬い木でカバーして作ります。
今回は印象を軽くするため、ローズウッドで仕上げました。

 

(43)指版のカーブの削りだし
jpeg 弾きやすい、カーブに削ります。
これは、演奏も出来る製作家の強みでしょうか。

 

(44)薄いローズウッドの板を指板に貼る
jpeg 薄く欠けやすいので、正確に寸法を取ります。

jpeg そして、ゴムを使って貼ります。

 

(45)指板の完成
jpeg

 

(46)駒の製作
jpeg 最後の部品の駒(ブリッジとも言います)を糸鋸を使って作ります。

 

(47)完成
jpeg 正面から

jpeg 横から

jpeg ヘッドにもこのようなレリーフが彫ってあります。

 

(48)最後に
今回の写真は、兵庫県三田市在住の太田さんが作られた7弦のバスガンバ(ベルトランモデル) を使わせていただきました。
 一人で作っているとなかなか写真が撮りにくいので、私が楽器の製作をお手伝いさせていただいて 写真を取ることが出来ました。
 この楽器は彼にガンバの演奏を勧めたところ、自分で演奏する楽器は自分で作りたいということになり、 私がお手伝いして作ることになったものです。