花木の剪定は時期を選ぶ

ツツジ祭りの後のミステリー

近所の奥さんの話しです
ある神社で毎年行われるツツジ祭に行ったのですが
日にちを間違えてしまい、一昨日が最終日だったとのこと。でも、
せっかく来たのだし、まだ花は咲いているだろうと
境内に足を踏み入れたところ、何と一輪の花もありません
祭が終わった途端、何千株とあったツツジが一斉に花を終わらせてしまうなんてことが
あるのか、と大変不思議に思われたそうです

この話を聞き、私には最終日翌日の光景がありありと目に浮かんできました
植木職人たちが総出でツツジの花がらを摘み、刈り込みを行ったのです
花がないのはこのためだったわけですね

花木は最低、年1回は剪定し、形を整えてやります
でも、なぜあえて花が残っているこの時期にツツジを刈り込んでしまうのかと
いうと、翌年もしっかりと多くの花をさかせるためなのです



ツツジやサツキは、花が終わりかけの頃新芽が出て成長し、
夏ごろその先に翌年花となる芽ができます
これを花芽と言いますが、刈り込み時期を誤ると、この花芽をうっかり落としかねません
そうなると、来年の花はまったく期待できません
また、花芽ができていないからまだいいだろうと、ぐずぐずしていると
新芽がかなり伸び、それだけ作業が大変になります
作業は、できるだけ要領よく楽にやりたいものです

このように、ツツジやサツキはまだ全部の花が咲き終わる前、
「もう少し花を楽しみたいな」と思う頃に刈り込むのがベスト
しかし、ツバキやモクレンなど多くの花木は、
おおむね花が咲き終わった後に剪定するのがあんぜんです

ただ例外もあって、ナツツバキやサルスベリなどは
枝ぶりが分かる落葉期の剪定が望ましく、
ウネは花芽が固まってから剪定します

木が花を咲かせるのは年一回の大仕事
非常に体力を使うのです
その木のライフサイクルを考え、的確な手助けをしたいものです

ただ、だからといって、花芽ができる時期に肥料をやり過ぎるのは考えもの
葉は茂り、枝がぐんぐん伸び、木は花芽を付けるのを忘れてしまいます

肥料は花が咲き終わった後、「ご苦労様」と感謝の気持ちを込め、与えるのです
これをその名の通り「お礼肥え」とよんでいます