**はじめてのインド;アーユルヴェーダ体験記**

今年の8月”さとわの会”会員の石崎恵子さんがインドへ行かれました。彼女がインドでの体験を書いて下さいましたので紹介させて頂きます。
石崎さんは今年、指圧・マッサージ師の資格を取得し現在東大阪の整骨院に勤務しています。 昭和46年10月9日生まれ(30歳)のカパ体質のおおらかで明るい女性です。

8月11日(土)

夜10:30頃、ニューデリー空港に到着しました。DR.シャルマとガイドさんが出迎えて下さりマリーゴールドの花の レイを首にかけて頂き感激しました。
思えばヨーガを数年前から習い、常々是非インドへ行きたいと切望していた私ですがきららへ何回かお邪魔してインドの話を聞く うちにますますインド熱が増していた所に職場から7日間の夏休みをもらうことが出来て今回のインド行きが実現したのですが、 初めての海外旅行で多少の緊張を感じていたのが、シャルマ先生とガイドさんの優しいまなざしに緊張感も吹っ飛びこれからのインドへの期待に胸が一杯になりました。

8月12日(日)

午前10:00シャルマ先生のDR.HIROE INAMURA’sパンチャカルマセンターにて今後のスケジュール相談とアーユルヴェーダの説明を受ける。 ラッキーな事に8月15日は”インド独立記念日”で先生は色々準備もありそちらに時間がとられるそうだが、行事を見ることが出来そうだ。 又、クリニックでのアーユルヴェーダ治療の見学もOKとの事。

私が見学させて頂いたのは30代位の女性の患者さんで、昨年12月に右下肢が突然動かなくなり、病院に行っても原因不明で治療を施しても効果がなく、 半年以上経ってからこのクリニックの評判を聞いて訪れたとのこと。
今回の彼女の治療コースは14泊コースで毎日、朝からアーユルヴェーダの治療を受けている。 ちなみにここのクリニックは宿泊設備が整っている。

私と出会ったこの日は治療開始から7日目でした。彼女に聞いた所によると、最初にクリニックに来たときは右足 は全く動かず触っても熱さや冷たさ、痛い、かゆいの何の感覚も感じられなっかったそうです。7日が経過し足の感覚が少しずつ感じられるようになり、マッサージされている時 も熱いという感覚も判って来たと言っていました。

午前中は”カティ・バスティーというのを行うとの事で見学させて頂く事にしました。
カティ・バスティーはうつ伏せに寝た状態で仙骨の廻りに粉と水で練った粘土状のものを輪の様に乗せて仙骨部分に高さ3.4cm位の円形の土手を乗せ、 その中に温めた油を少しずつ流していきます。オイルが土手の淵一杯になり、オイルの温度が下がると中のオイルを別の容器に移し、また温かいオイルを入れていきます。 約40分行なうそうですが、患者さんは常に仙骨部分が温かく気持ちが良く、これは特に下肢の悪い人に効果的だそうです。
優しいアーユルヴェーダの治療法に感激してしまいました。

午後は祈りの儀式、ヤグーの為、解散となりました。
明日はシロー・ダーラーやアビヤンガ、ポートリー・マッサージを見学させて頂けるようです。

8月13日(月)

この日は一日中クリニックで昨日の患者さんの治療を見学させて頂きました。
シロー・ダーラー、カティ・バスティー、アビヤンガ、 ポートリーマッサージを見ました。
おもしろいと思ったのはポートリーマッサージです。これもアビヤンガと同じように2人のセラピストがベッドの両側に立ち、 左のセラピストは患者の左側、右のセラピストは右側をマッサージしていくのですが、”ポートリー”の中にはニンニク、レモン、ハーブの葉を ゴマ油で炒めたものが入っていて、それを綿布で包んであります。丁度、お好み焼きを焼く時に使う油引きに似ています。
ポートリーのハーブエキスと温かいオイルを全身に刷り込むようにリズムカルにマッサージしているのを見て、私はお好み焼きを想像してしまいました。 あの油を引く時の手つきで器用にまんべんなく全身をマッサージしていきます。途中でポートリーの表面が冷めてくると予備の温められたポートリーと 交換してマッサージを約30分続けていきます。

一人一人に優しいアーユルヴェーダに感激すると共に「私も早く体験したい」気持ちが強くなりました。

8月14日(火)

シャルマ先生が一日お休みのため、朝からインドに来て初めての観光へ出かけました。
アグラへ行き、インドの世界遺産として知られるタージ・マハルを見学しました。天気も良く、美しい大理石の白亜のドームが青空に輝いて見えました。
次に雄大なヤムナ河岸にそびえるアグラ城に行きました。赤く高い城壁が印象的で柱、壁、天井すべてが赤く、複雑な彫刻が見事でそれらを見ながら当時の人々 の暮らしや城での皇帝やその側近達の生活ぶりに思いを巡らせていました。




8月15日(水)

朝10時よりクリニックにて先生から50日コースの場合のパンチャカルマのトリートメントの種類や効果等の講義を受けました。続いてポートリー作りやギーを用いた目・鼻・耳のトリートメント を見学させて頂きました。
ギーによる目のトリートメントは日本のアーユルヴェーダ関連の本で知っていましたが、鼻や耳にもギーを入れてトリートメントを行うのを初めて知りました。鼻のトリートメントは湯煎したギーを数滴、鼻腔に滴下するものですが、ギーを滴下する前に蒸気(スチーム)を顔にあてながら鼻で蒸気を吸い込み、顔・首・肩・鎖骨の回りのオイルマッサージを施していました。鼻にギーを滴下した後も同様のマッサージをしていました。鼻のトリートメントは神経組織を鎮静させ精神を落ち着かせ安らいだ眠りをもたらすそうです。耳のトリートメントは横向きに寝かせた患者さんの耳にギーを少しずつ満たしていき10分程経つと綿で耳のギーを吸い取ります。ヴァータドーシャを減らし、聴覚向上に良いそうです。

8月16日(木)

待ち望んでいたアヴィヤンガとシロー・ダーラーの体験をしました。
ご存知のようにアヴィヤンガは温められたオイルで全身をマッサージする療法ですが、 仰向けの状態で下肢から左右両側に一人ずつのセラピストが同じ圧、同じリズム、同じ方向で行っていきます。
下肢から始まり、腹部、上肢と続き、 次に腹這いになり下肢、臀部、背部、肩上部、上肢とゆっくり愛情深く施して頂きました。
全身が軽く柔らかくなった感じがしました。
まさに自分の身体がコンニャクになったよう!! これだけでも充分リラックスしたのですがその後シロー・ダーラーをして頂きました。ベッドに仰向けに寝た状態で頭部(眉間のマルマ)に温められたオイルを垂らす療法ですが、 髪の生え際をゆっくりと行ったり来たりしている時は頭部を軽くシャンプーされるようなマッサージも施されます。 ウトウトと眠ってしまいそになるとセラピストさんにおこされます。眠って意識がなくなる効果が半減してしまうそうです。
意識と無意識の狭間を行ったり来たりを繰り返しながら頭から足の先まで全身の力が抜けて身体と心が浄化されていく感覚を味わいました。終わってみると何十時間も熟睡した後、全身リラックスしてリフレッシュしたような 感じで落ち着いていました。
まさに”究極のリラクゼーション”です。その日はホテルに戻っても便通が良く夜は熟睡出来ました。

今回のインド旅行はアーユルヴェーダの治療の見学、体験と私にとって貴重な経験となりました。
インドの食生活で胃腸も快調!心と身体も喜んでいました。
寺院ではよく人々が祈りを捧げている姿を見たものです。魂の安らぎとはこの様な祈りの姿勢から生まれるものなのか?!

心身魂の医学、アーユルヴェーダの国であるインドにおいては心・身体・魂が三位一体となって人々の生活に密着してそのまま存在するのです。
今後は私も一人一人を大切に心、身体、魂のバランスをとる事を大切に考え、少しでも多くの方のお役にたちたいと思っています。
そして機会があれば、またインドに行きたいと思っています。

石崎恵子

"書くのは苦手で・・・・・・”と言いながら忙しい中、一生懸命書いて FAXで送って下さった石崎さんありがとうございました。インド人の家庭を訪問して食事を御馳走になった事やインドでの体験を楽しそうに 時には豪快に笑いながら話して下さいました。
以前、私もシャルマ先生のクリニックに短期間ですが、お邪魔してお勉強をさせて頂いたのですが、 色々と体験された彼女の話を聞き、良い刺激を受けました。
次回、行くときは前回に出来なかった勉強やアーユルヴェーダの体験をじっくりと味わいたいな!!
そして、ゆっくりとインドに浸りたい!!と思った私です。

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