Reenactment Group "BCo/100Bn""

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WAC-Uniformについて。


WAC-Women's Army Corps(陸軍女性部隊)とその前身であるWAAC-Women's Army Auxiliary Corps(陸軍補助女性部隊)について。

第二次世界大戦中、兵力の不足を理由としてアメリカ陸軍はそれまで看護任務のみに限定していた女性の勤務を拡大するため、1942年5月14日に法案が可決されWAAC-Women's Army Auxiliary Corps(陸軍補助女性部隊)が設立。
指揮官は法律家で新聞編集者でもあったOveta Culp Hobby(オヴィータ・カルプ・ホビー)
戦闘に従事しない後方支援を専門とする事でより多くの男性兵士を前線に送ることが可能となる。
しかしWAACの制度では正規の兵士として扱われず、負傷や捕虜となった際に問題を抱える事になる可能性があった。
その為「正規の兵士」とする為の議論がなされ、1943年7月3日にWAC-Women's Army Corps(陸軍女性部隊)が設立。Oveta Culp Hobbyは大佐に任命され女性部隊の指揮官を継続。
新規に募集を行うと同時にそれまでWAACに属していたメンバーにはWACへ移行するか民間人へ戻るかの選択が与えられ、75%のメンバーがWACとして陸軍に残った。
WAACからWACへ移行した際、被服からWAAC袖章が廃止され、WAACは正規の陸軍部隊では無かった為にボタンや帽章のデザインが通常の陸軍の国家章とは違うものであったのが、WACとなって全て陸軍のデザインの物に変更され服自体は継続使用された。


WAACの鷲章ボタン。 陸軍の正規部隊では無かったため、国家章たる鷲章が使用できなかった。


WACの国家章たる鷲章ボタン。


以後、WACはアメリカ陸軍の後方支援に絶大な実績を残し続け、第二次世界大戦中に約15万名の女性が従軍した。
なお、そのうち142名が日系アメリカ人女性の従軍者である。



(夏用制服)
トロピカルウーステッドサマーユニフォーム


1945年初夏 ハワイ太平洋方面軍勤務 Pvt.(二等兵)

CAP,WAAC,SUMMER,MENBER'S(WAACメンバー夏用帽子)※帽章がWACに変更
CAP,GARRISON,WAC,SUMMER,TROPICAL-WORSTED,KHAKI(WAC夏用トロピカルウーステッド略帽)


WAIST,COTTON,WOMEN'S(女性用コットン シャツ)


NECKTIE,COTTON,MOHAIR,KHAKI(カーキ コットンモヘヤ ネクタイ)
SKIRT,WAC,SUMMER,TROPICAL-WORSTED,KHAKI(WAC夏用トロピカルウーステッドスカート)

JACKETS,WAC,SUMMER,TROPICAL-WORSTED,KHAKI(WAC夏用トロピカルウーステッドジャケット)

SHOES,SERVICE,WOMEN'S,LOW (WAC用サービス(ロウ)シューズ)


BAG,UTILTY,WAAC(ReProduction)(WAACメンバー用汎用バッグ)



ジャケットの徽章について。


右襟「U.S.章」


左襟「通信兵科章」


左胸「Women's Army Corps Service Medal」(WAC従軍章)、「American Campaign Medal」(アメリカ従軍章)


右肩「US Army Forces, Pacific Ocean Areas」(陸軍太平洋地域軍)部隊章。





(冬用制服)オリーブドラブ ウール サービスユニフォーム
1944年冬 フランス国内米軍駐屯地勤務 T5(5等技術官)

CAP,WAAC,WINTER,MENBER'S(WAACメンバー冬用帽子)※帽章がWACに変更
※夏用同様にウールODのギャリソンキャップ(略帽)も存在しますが、今回どうしても見つからず、同梱できませんでした)


WAIST,WOOL,OD,WOMEN'S(女性用ODウールシャツ)


NECKTIE,COTTON,MOHAIR,KHAKI(カーキ コットンモヘヤ ネクタイ)
SKIRT,WAAC,WINTER,MENBER'S(WAACメンバー冬用スカート)

JACKETS,WAAC,WINTER,MENBER'S(WAACメンバー冬用ジャケット)※ボタンがWAC用に変更

SHOES,SERVICE,WOMEN'S,LOW (WAC用サービス(ロウ)シューズ)


BAG,UTILTY,WAAC(ReProduction)(WAACメンバー用汎用バッグ)

ジャケットの徽章について。


右襟「U.S.章」


左襟「WAC兵科章」


左胸(写真左から)
「Women's Army Corps Service Medal」(WAC従軍章)
「American Campaign Medal」(アメリカ従軍章)
European-African-Middle Eastern Campaign Medal」(欧州アフリカ中東従軍章)


右肩「Army Service Forces」(陸軍支援部隊)部隊章。


両腕「Technician 5th Grade」(5等技術官)



その他

靴について。
SHOES,SERVICE,WOMEN'S,LOW (WAC用サービス(ロウ)シューズ)は夏、冬兼用で通常勤務に使用した。
その他、野戦用のアンクルブーツ(レギンスと併用する)や戦闘ブーツも存在する。


BAG,UTILTY,WAAC(ReProduction)(WAACメンバー用汎用バッグ)
WAC用の汎用バッグはWAACから引き継いで使用され、デザインに変更は無かった。
化粧品や小物を携行する。
WACの制服はデザインを重視し、ポケットには通常何も入れない為、制服時は常にこのバッグを携行する。
夏、冬兼用。



NECKTIE,COTTON,MOHAIR,KHAKI(カーキ コットンモヘヤ ネクタイ)
ネクタイは夏、冬兼用で男性用と素材は変わらなかったが、長さが少し短かった。
※今回女性用が用意できず、男性用で代用。
また男性はネクタイの端を写真のようにシャツの第2と第3ボタンの間に仕舞う事とされていたが、女性は主に胸元が膨らむと言う理由で禁止されていた。
しかし、実務の邪魔になる等を理由として男性同様に仕舞う女性兵士も多かった。





SCARF,WAC,DRESS(WAC用ドレス・スカーフ)
夜会、式典用のドレスユニフォームは別に制定されていたが、通常の制服にドレス・スカーフを着用する事で兼ねる事ができた。
夏、冬兼用で襟元を隠し制服の襟を保護するように着用する。







OVERCOAT,FIELD,WOMEN'S(女性用野戦オーバーコート)
野戦用としつつも制服の上から着用された。 着脱式ライナーと二枚構造になっており、アウターのみでも使用可能で、フードも付いている。


徽章類の説明。



US章ディスク
陸軍の兵、下士官がサービスユニフォーム(制服)右襟に着用する「U.S.」のディスク。
WACも男性と同じ物を着用した。
※士官用はディスクの無い「U.S.」章。



兵科章WAC ディスク
陸軍に入隊した女性WACの兵、下士官がサービスユニフォーム(制服)左襟に着用する「パラスアテネ」のディスク。
パラスアテネは「知恵、勝利、工芸のギリシャの女神=WACの職務と目的を象徴」したものである。



兵科章 通信 ディスク
陸軍で通信兵科の兵、下士官がサービスユニフォーム(制服)左襟に着用する「クロスする信号旗」のディスク。


当初戦争省(War Department)ではWACは部隊でもWAC兵科章を着用すべきとしていたが、現場での女性兵士の多くは男性同様に配属された兵科の着用を求め、現地の指揮官も非公式でそれを認めており、これらは陸軍内各部でも対応が異なった。
1945年になり陸軍航空隊(Army Air Forces)、陸軍支援部隊(Army Service Forces)では男性同様の兵科章の着用が命ぜられたが、実戦部隊である陸軍地上部隊(Army Ground Forces)では支援兵科以外の戦闘兵科の兵科章の着用を禁じられた。


Service Medal & Ribbons(リボン) ※通常勤務ではメダルは着用せず、略綬としてリボンバーのみ着用する。


「Women's Army Corps Service Medal」(WAC従軍章)
WACサービスメダルは1943年7月29日に承認され、次の期間に従軍した女性兵士に授与された。
・1942年7月10日から1943 年8月31日の間の女性陸軍補助隊(WAAC
・1943年9月1日から1945年9月2日の間の陸軍女性部隊(WAC)


「American Campaign Medal」(アメリカ従軍章)
1942年11月6日付の大統領令9265に基づいて承認され、次の期間、地域で従軍した兵士に授与された。
・1941年12月7日から第二次世界大戦終了後のアメリカンシアター(北アメリカ、カリブ海、特定の大西洋と太平洋の島々、南アメリカ)
青色はアメリカを表し、中央の青、白、赤のストライプは真珠湾攻撃後のアメリカ国防の継続を表す。
白と黒の縞はドイツの旗を指し、赤と白の縞は日本色を指す。

※従軍期間は連続30日以上または60日間以上の勤務。



「European-African-Middle Eastern Campaign Medal」(欧州アフリカ中東従軍章)
1942年12月に承認され、次の期間、地域で従軍した兵士に授与された。
・1941年12月7日から第二次世界大戦終了後のヨーロッパ-アフリカ-中東地域(ヨーロッパ、西部ソビエト連邦、グリーンランド、アイスランド、アフリカ、および南西アジア)茶色はアフリカの砂を、緑はヨーロッパの緑の野原を表す。
中央の青、白、赤のストライプは真珠湾攻撃後のアメリカ国防の継続を表し、緑、白、赤はイタリア、白と黒はドイツを表す。

Sleeve Patche(部隊章)


「Army Service Forces」(陸軍支援部隊)
米陸軍の戦闘兵科と航空隊に属さない支援兵科(工兵、通信、兵器、補給、化学、医療、輸送)をまとめた組織で、陸軍総参謀長の指揮下に入る。


Rank Insignia(階級章)
「Technician 5th Grade」(5等技術官)
技術伍長等とも訳されるが、一定の特技資格を持つ兵士が役付けされる。
階級についてWACは男性と同様に扱われる事が前提であったが、しばしば軽んじられる事もあった時代である。


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