Reenactment Group "BCo/100Bn""

WW2における、アメリカ陸軍第100歩兵大隊、並びに小銃中隊及び重火器中隊の編制について


第100歩兵大隊(独立) 編制 Organizational Chart of The 100th Infantry Battalion(Separate) 19 September 1943 ///T/O&E 7-95,7-96,7-13,7-17,7-1815.Jul.1943


第100歩兵大隊(独立)本部及び戦務中隊等 編制 Organizational Chart of HQ&Service-Company Of The 100th Infantry Battalion(Separate) 19 September 1943 ///T/O&E 7-95,7-96,15.Jul.1943


WW2 合衆国陸軍 小銃中隊 編制 Organizational Chart of RifleCompany in WW2 U.S.ARMY ///T/O&E 7-17 26.Feb.1944


WW2 合衆国陸軍 重火器中隊 編制 Organizational Chart of HeavyWeaponsCompany in WW2 U.S.ARMY ///T/O&E 7-18 26.Feb.1944



第442連隊戦闘団編制 Organizational Chart of The 442nd RegimentalCombatTeam June 1944 ///T/O&E 7-95,7-96,7-13,7-17,7-18 26.Feb.1944

※映画等のイメージとは違い、実際の編制はこうなっています。
※U.S.ARMY Table of Organization and Equipment No. 7-95,7-96,7-13,7-17,7-18(26 February 1944)を参考。

上記の資料を基に作成致しました。
階級の日本語訳については諸説ある所ですが、日本陸軍の階級に照らしつつアメリカ軍の態勢に合わせる形で表現しております。

以下に基本的なまとめを掲載します。

1 個人携行火器としては兵、下士官ともに基本的にライフルを装備します。主要各国と違い、将校は拳銃を基本装備としておらず前線に出る将校はカーバインを装備しました。

2、本部要員、重火器要員など役職又は職種により自衛用に拳銃を個人携行火器と交換または返納して装備しました。開戦後は火力を補うため、一部カーバインに代替されました。

3、SMG(トミーガン)は中隊管理の車輌乗員用の自衛火器又は警備用です。
中隊での保有数はごく少数であり斥候や歩哨時にも使用されますが、将校や分隊長等の指揮官が所持するのは稀でした。

4、分隊の支援火器はBARであり編制上は3名(射手、補助手、弾薬手)で運用される事となっており副分隊長が指揮するとされていましたが、実際には2〜3名で運用する場合が多かったようです。

5、M1919A4又はA6は中隊の火器小隊が保有する、中隊全般支援用の軽機関銃(LMG)であり、1個軽機関銃分隊(機関銃1挺)の編制は分隊長、射手、補助者、2名の弾薬手の5名。
2個分隊(機関銃2挺)で機関銃セクションとなります。
また、60mm迫撃砲分隊は分隊長、射手、助手、弾薬手2名の5名で編制、3個分隊(砲3門)で迫撃砲セクションとなります。
火器小隊は機関銃セクションと迫撃砲セクション、そして小隊本部で編制されました。
重火器の場合、指定火器の射手は拳銃装備、弾薬手はカーバイン装備とされましたがライフルも多く使用されていました。

上記の他、中隊本部には2個対戦車班(バズーカ5本及びライフルグレネード)とCal.50重機関銃が配置されました。

6、M1903(A1)ライフルはM1ライフルの不足を補うためM1917ライフルと共に国内での訓練部隊、後方職種、他国への供与等で使用されました。
M1903A3ライフルも訓練及び後方地域でのM1ライフルの不足を補う事で使用されていたため、戦闘職種の部隊で使用される事はありあませんでした。

7、狙撃銃M1903A4(M1C及びD)は中隊保有火器であり個人携行火器ではありません。
狙撃銃は編制上では指定された小銃分隊員が装備する事となっていました。しかし実際にはアメリカ軍は攻撃主体であり、狙撃自体がほとんど運用されませんでした。
また狙撃銃はスコープ規正後の扱いがデリケートなため、通常の小銃小隊戦闘では不都合でもありました。
前線の小銃小隊においてはM1ライフルを使用していた事が多かったようです。

8、歩兵中隊には2両のジープとトレーラーが配備されました。原則的には火器小隊に所属するとされていましたが、連絡、移動用として中隊本部でも使用されました。
なお、中隊では本格的な整備が出来ないため、車両の本格的な整備は大隊で実施されることとなっていました。

9,通信機材としてSCR-536(BC-611)が6台、CE-11有線電話リールセット(ドラム、1000ft有線、各ストラップ、ハンドル及びハンドセットで構成)2セット。
著名なSCR-300(BC-1000)無線セットやEE-8電話機は定数に含まれて居ませんが、任務に応じて大隊の通信小隊から貸し出されていたものと考えます。


なお、1944年2月発行のマニュアルによる中隊の火器定数及び編制表は以下の通り
なおこの編成表は1944年2月に制定されており、「オーバーロード作戦」前にはこれに合わせる形にしていたかと思われますが、実際には全ての面で人員が不足しており、必ずしも表の通りでは無かったことが伺えます。
特に下士官の不足により階級が1つ、2つ下の者が代行していた例が多いと考えます。
しかしながら、火器の定数は減る事はあっても増える事は滅多になく、例えば一般に思われているほどSMG=トンプソン短機関銃等を保有していない点も興味深いです。

なお、装備者指定の無い火器については本部にて管理されており、任務の必要に応じて貸出される事が普通です。

将校の拳銃については個人の携行装備であり、中隊保有火器ではないため記載しておりません。

火器等定数

01 Unit



Co
HQ
中隊
本部
Weapons Pt
火器小隊
Rifle Pt.
小銃小隊
×3
Pt
HQ
60mm Mortar Sec LMG Sec Total
Pt.
Pt.
HQ
3Sq
(each)
Total
Pt.
2
4
104
40
Sec
HQ
3Sq
(each)
Total
Sec
Sec
HQ
2Sq
(each)
Total
Sec
01 M1 Carbine, c 9 4 1 2 7 1 2 5 16 1 1 28
MachineGun cal.30 M1919 1 2 2 2
02 MachineGun cal.50 M2 1 1 1
SubMachineGun cal.45 6 6
Launcher Grenade M7 g 1 2 1 1 3 5 1 3 10 36
03 Launcher Grenade M8 1 1
Launcher Rocket M9 5 5
Mortar 60mm M2 1 3 3 3
04 Pistol Auto cal.45 M1911 p 10 2 6 2 4 20
Rifle Browning Auto Cal.30 M1918 b 6 1 3 15
Rifle Cal.30 M1 r 26 2 1 1 4 1 1 3 9 4 11 36 143
Rifle Cal.30 M1903A4 1 3
Trailer, 1/4t, 2-wheel, cargo 2
Truck, 1/4-ton, 4x4 2
Radio Set SCR-536 6
Reel Equipment CE-11 2



将校定員

Unit Sp.
Serial
No.
Co
HQ
中隊
本部
Weapons Pt
火器小隊
Rifle Pt.
小銃小隊
×3
Pt
HQ
60mm Mortar Sec LMG Sec Total
Pt.
Pt.
HQ
3Sq
(each)
Total
Pt.
2
4
104
40
Sec
HQ
3Sq
(each)
Total
Sec
Sec
HQ
2Sq
(each)
Total
Sec
Capt(大尉) 1 1
1  CoCO(中隊長) 1542 (1)c (1)
1Lt(中尉) 1 1 1 2
1  Executive(中隊運用) 1542 (1)c (1)
2  WepPtCO(火器小隊長) 1542 (1)c   (1) (1)
1Lt(中尉) 1 1 1
2Lt(少尉) 2
1  PtCO(小隊長) 1542 (1)c (1) (3)
Total Commissioned 2 1 1 1 1 6



兵下士官定員

Unit Sp.
Serial
No.
Co
HQ
中隊
本部
Weapons Pt
火器小隊
Rifle Pt.
小銃小隊
×3
Pt
HQ
60mm Mortar Sec LMG Sec Total
Pt.
Pt.
HQ
3Sq
(each)
Total
Pt.
2
4
104
40
Sec
HQ
3Sq
(each)
Total
Sec
Sec
HQ
2Sq
(each)
Total
Sec
1stSgt(中隊先任下士官) 1812 1c 1
Tsgt(技能軍曹) 1 1 1 1 4
1  Pt. (小銃小隊付下士官) 745 (1)r (1) (3)
2  Pt. (火器小隊付下士官) 1812 (1)c (1)
Ssgt (上級軍曹) 2 1 1 1 1 2 1 1 4 16
1  Mess (給与係下士官) 824 (1)c (1)
2  Pt. Guide (小隊付) 745 (1)g (1) (3)
3  Sec Leader(機関銃セクション長) 604 (1)g (1) (1)
4  Sec Leader(迫撃砲セクション長) 607 (1)r (1) (1)
5  Sq Leader(小銃分隊長) 745 (1) (3) (9)
6  Supply (補給係下士官) 821 (1)c (1)
Sgt (軍曹) 1 1 3 1 2 5 1 3 15
1  Communication(通信下士官) 542 (1)g (1)
2  Sq Leader(機関銃分隊長) 604 (1)g (2) (2) (2)
3  Sq Leader(迫撃砲分隊長) 607 (1)r (3) (3) (3)
4  Sq Leader assistant(副分隊長) 745 (1)g (9)
Cpl.(伍長) 1 1
1  Clerk.Company(中隊事務) 405 (1) (1)
Unit Sp.
Serial
No.
Co
HQ
中隊
本部
Weapons Pt
火器小隊
Rifle Pt.
小銃小隊
×3
Pt
HQ
60mm Mortar Sec LMG Sec Total
Pt.
Pt.
HQ
3Sq
(each)
Total
Pt.
2
4
104
40
Sec
HQ
3Sq
(each)
Total
Sec
Sec
HQ
2Sq
(each)
Total
Sec
T4(4級特技兵) 28 4 1 4 13 1 4 9 26 2 10 32 2
T5(5級特技兵) 4
Pfc(1等兵) 104
Pvt(2等兵) 40
1  Ammo Bearer(弾薬運搬手) 604 (2)c (4) (4) (1)r (3) (13)
2  Ammo Bearer(弾薬運搬手) 607 (2)c (6) (6) (6)
3  Ammo Bearer(弾薬運搬手) 746 (1)r (3) (9)
4  Armorer Artificer(T5)(武器係) 511 (1)r (1)
5  Bugler(中隊ラッパ手) 803 (1)c (1)
6  Cook(T4) (糧食係下士官) 060 (2)r (2)
7  Cook(T5) (糧食係下士官) 060 (2)r (2)
8  Cook's Helper(糧食係) 521 (2)r (2)
9  Driver(T5) (車両係) 345 (2)g (2) (2)
10  Gunner MG (機関銃手) 604 (1)p (2) (2) (2)
11  Gunner MG Ass(機関銃助手) 604 (1)p (2) (2) (2)
12  Gunner Mortar(迫撃砲手) 607 (1)p (3) (3) (3)
13  Gunner Mortar Ass(迫撃砲助手) 607 (1)p (3) (3) (3)
14  Messenger(伝令) 745 (3)c (2)c (1)c (1) (1)c (4) (2)r (2) (13)
15  Rifleman(小銃手) 745 (7)r (21) (63)
16  Rifleman Automatic(BAR手) 746 (1)b (3) (9)
17  Rifleman AutomaticAss(BAR助手) 746 (1)r (3) (9)
18  Basic(基幹要員) 521 (17) (17)
Total Enlisted 兵・下士官計 33 5 2 5 17 2 5 12 34 4 12 40 187
AGGREGATE 総計 35 6 2 5 17 2 5 12 35 5 12 41 193

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