全国戦没者追悼式 「不戦」の誓いをしない安倍首相

侵略戦争の「加害」責任にもふれず

 69年目の終戦記念日の15日、安倍晋三首相は、昨年に続き過去の日本の侵略戦争を正当化する靖国神社(東京・九段)に玉串料を奉納しました。また、都内の日本武道館で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式の式辞では、歴代首相が表明してきたアジア諸国への「加害」の反省や「不戦の誓い」を昨年に続き表明せず、歴史逆行の姿勢を改めて強く示しました。

3閣僚が参拝

 首相は昨年の式辞で、2007年に自ら述べた「アジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与え、深い反省と追悼の意を表する」という表現を用いず、歴代首相が使っていた「不戦の誓い」を削除し、厳しい批判を受けました。さらに昨年末には現役首相として靖国神社参拝を強行し、アジアだけでなく全世界から厳しい批判を受けました。

 批判を省みず今年の式辞でも同じ態度を繰り返す一方、安倍首相は「歳月がいかに流れても、私たちには変えてはならない道があります。今日は、その平和への誓いを新たにする日」などと述べました。

 玉串料は、昨年来「首相側近」として代理奉納を続けている萩生田光一・自民党総裁特別補佐を通じて、党総裁の肩書で私費で神社に納めました。

 靖国神社には新藤義孝総務相、古屋圭司国家公安委員長、稲田朋美行政改革担当相ら3閣僚が参拝。衛藤晟一首相補佐官も参拝しました。

 集団参拝では自民、民主、維新、次世代、生活など与野党の国会議員194人(代理含む)が参拝しました。

 首相が靖国神社に玉串料を納め、閣僚が参拝したことに中国外務省は「断固反対する」、韓国外務省は「嘆かわしい気持ちを禁じ得ない」と非難するコメントを発表しました。

歴代首相の式辞より

 誰もが二度と戦争しないと誓っている戦没者追悼式で安倍首相が「反省」「不戦」言わず…歴代首相らの式辞では「不戦」の意思を示しています。

平成9年 橋本龍太郎首相
「再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう、恒久の平和を確立する」
平成12年 森 喜朗首相
「再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう、恒久平和の確立に力を尽くしていかねばなりません。」
平成18年 小泉純一郎首相
「我が国は、戦争の反省を踏まえ、不戦の誓いを堅持し」
平成19年 安倍晋三首相
「我が国は、戦争の反省を踏まえ、不戦の誓いを堅持し」
平成26年 天皇の「おことば」
「歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い」

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