介護保険の負担増

一定以上の所得の方は 利用料負担は2割に引き上げ

 社会保障の改悪をつぎつぎ進める安倍政権。

 介護では、「要支援者」から訪問介護と通所介護を取り上げ、特別養護老人ホームから要介護1、2の人を締め出し、在宅でも施設でも利用料の大負担増をすすめるなど、「介護難民」を政府自ら増やしていく方向です。

介護保険利用料引き上げ

2割負担の影響(在宅サービス)。要介護1は7700円が15400円に、要介護5は21000円が37200円に。 介護保険の利用者負担は制度開始以来1割ですが、一定以上の所得がある人は2割に引き上げられます。

 合計所得が単身で160万円(年金収入のみで280万円、夫婦では359万円)以上が基準。65歳以上の20%が対象になり、「高所得」とはいえないのに利用料が急増します。

 在宅では、要介護1の人が7700円から1万5400円になるなど軒並み倍加。施設では有料老人ホームで要介護1の人をのぞいて施設入所者すべてが負担上限額(3万7200円)に達します。

 「これまで使えたサービスを減らさないと」「いずれ全員が2割にされる」との声が上がっています。

 特養ホーム入所者は低所得者への居住費・食費の補助(補足給付)が縮小されます。

 補足給付は、05年に居住費が保険から外された際、低所得者の負担軽減のため設けられたもので、103万人が利用しています。これを一定以上の預貯金(単身1千万円、夫婦2千万円)があれば、補助対象外にします。年30万〜80万円も負担が増えかねません。

 厚労省は、特養ホームを退所しても国民年金(年79万円)と預貯金1000万円があれば「10年間生活できる」と説明。“10年以上は生きるな”といわんばかりの姿勢です。

 現在、夫婦のどちらかが施設に入る場合、多くが「世帯分離」をしていますが、今後は世帯分離していても、配偶者が住民税課税されている場合は補足給付の対象外にします。

 さらに補足給付の支給額を決めるさいの収入に、非課税の遺族年金、障害年金も加えるなど手当たり次第に負担増を求めています。

 利用者負担を2割にすると年750億円、補足給付縮小で年700億円の給付費が削減できると厚労省はもくろんでいます。

大企業は消費増税でトクに

 安倍政権は、この4月から消費税増税をします。社会保障の切り捨てがどんどんすすめられるなかで、負担が庶民を襲います。輸出企業は、消費税の「輸出戻し税」という制度で、例えばトヨタが1800億円、日産が900億円、パナソニックが330億円余などが還付されています。輸出戻し税とは、事業者が輸出を行った場合、仕入れ段階で支払った消費税を還付する制度です。

 一部の大企業は取引の実態として、中小企業や下請けに対して納品の際に「消費税分を安くしろ」などと単価を買いたたく場合があります。国内販売が中心であれば、下請けに払わなかった消費税分も販売価格に転嫁され、その分を懐に入れることができます。輸出大企業の場合は、下請けに「払わなかった」消費税分まで税務署から還付されます。

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