今こそ、声をあげよう!
アジアで2000万人、日本で310万人の尊い命を奪った侵略戦争の反省にたって、日本は「戦争はしない」「軍隊はもたない」と憲法で約束し、国際社会に復帰しました。
ところがいま、侵略戦争を正当化するなど、戦後政治の原点を否定する動きとともに、「国防軍」をつくるなど、憲法をかえて日本を戦争する国にしようとする危険なうごきがつよまっています。
集団的自衛権は日本を守るため?
「自衛権」といっても、日本の防衛とはまったく無縁です。アメリカのベトナム戦争、旧ソ連のアフガニスタンへの侵略─いかなる意味でも「自衛」とは無関係の、大国による無法な侵略戦争、軍事介入の口実に使われてきたというのが、世界の歴史の事実です。
自衛隊の海外派兵のたびに問題に
日本では、アメリカの戦争への自衛隊派兵のたびに問題となり、アメリカから“ 集団的自衛権の行使にふみきれ”( アーミテージ元国務副長官らの報告書、2000年10月)などとくりかえしもとめられてきました。
ねらいは海外での武力行使の「歯止め」をはずすこと
政府はこれまで、「いまの憲法では行使できない」と説明。だから、自衛隊がインド洋やイラクにいっても「武力行使はしない」「戦闘地域で活動しない」という「歯止め」がかかっていました。
集団的自衛権の憲法解釈の見直しのねらいは、この「歯止め」をとりはらい、アメリカと一緒に海外で戦争できる国につくりかえることです。
「反省」も「不戦の誓い」も表明しない安倍首相
安倍晋三首相は東京都内の日本武道館で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式の式辞で、歴代首相が表明していたアジア諸国に対する加害の「反省」や「不戦の誓い」を表明せず、歴史逆行の姿勢を改めて示しました。
自民党がいう「国防軍」出動命令に従わないなら死刑!?
今年の4月のBS番組で石破幹事長は、国防軍の出動命令に従わない者に対し、「(今の法律では)めいっぱいいって懲役7年」「死ぬかもしれないし、行きたくないなという人がいない保証はない」「だからその時に従わなければその国における最高刑に死刑がある国なら死刑、無期懲役なら無期懲役、懲役300年なら300年」との考えを示しました。
国の命令ひとつで軍人に「命を捨てよ」と強制した戦前の暗黒体制につながりかねない危険な改憲発言です。
憲法守る道こそ未来開く
日本国憲法は「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやう」とのべるとともに、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」「安全と生存を保持しようと決意した」としています。
世界でもいま、戦争ではなく平和的・外交的努力で問題を解決することが流れです。憲法を生かしてアジアと世界の平和に貢献する道をこそ、日本は進むべきです。
国連憲章第51条にもとづく「集団的自衛権」の発動がされたもの
- アメリカのベトナム侵略戦争
- 旧ソ連によるチェコスロバキアとアフガニスタンへの侵略
- アメリカとNATO(北大西洋条約機構)による2001年のアフガニスタンへの報復戦争など
憲法解釈を無理やりかえて、集団的自衛権を行使する道に
安倍首相は、歴代政府の説明をひっくりかえすため、内閣法制局長官を自分と同じ考えの人物にすげ替え、政府の都合による勝手な「解釈改憲」で集団的自衛権を行使できるようにしようとしています。
こんな乱暴なやり方は絶対に許せません。