あなたは 201347905423 のような大きな数が、9の倍数かどうか判断しなさいと言われたらどうしますか。実際に 20137905423 ÷ 9 を計算し、割り切れるかどうかをみればよいのですが、かなり面倒な計算ですね。何かもっと早く判定する方法はないものでしょうか。
もしこの問題が、2の倍数かどうか判定せよという問題ならば、みなさんはすぐにわかるでしょう。すなわち、一の位が2の倍数(偶数)ならば、その数は2の倍数であり、そうでなければ、その数は2の倍数ではないということになります。したがって、20137905423は2の倍数ではありません。しかし、3の倍数かどうか判定せよということになると、一の位の数字を見るだけでは無理なことは、21が3の倍数だが11が3の倍数ではないことから明らかです。
それでは、実際に3で割ること以外に3の倍数か判定する方法はないものでしょうか。文字式を勉強した今、それを使って考えてみることにしましょう。
@3の倍数判定法
各位の数字の和が3で割り切れるときにかぎり、その数は3の倍数である。 |
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たとえば、531が3の倍数かどうか判定するには、5+3+1=9が3で割 り切れるかどうかをみる。この場合9は3で割り切れるので、531は3の倍数 である。
なぜこのようなことが言えるのか?
1の位がa、10の位がb、100の位がcの3桁の整数について考えてみると、
100a+10b+c = (99+1)a + (9+1)b +c
= 99a+a + 9b+b +c
= (99a+9b) + (a+b+c)
= 3(33a+3b) + (a+b+c)
赤字部分は3の倍数であることは明らかであるからa+b+cすなわち、各位の数字の和が3で割り切れるときにかぎり3の倍数ということになる。
今、3桁整数の場合だけについて述べたが、何桁であろうと同じ方法で説明できる。
ちなみに 20137905423 は 2+0+1+3+7+9+0+5+4+2+3=36 であるから、36÷3=12 すなわち、3の倍数である。
以下に、4〜9の各倍数判定法を紹介します。
A4の倍数判定法
下2桁が00か4の倍数であるときにかぎりその数は4の倍数である。 |
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なぜこのようなことが言えるのか?
100は4で割り切れるから、100の倍数は4の倍数である。したがって、下2桁が00である整数は4の倍数である。
下2桁が00でない場合、たとえば、3468を例にとると、3468=3400+68であり、3400部分は4の倍数であるから下2桁68が4の倍数かどうかで3468が4の倍数かどうかが判定できる。この場合、68は4の倍数であるから3468は4の倍数である。
ここでさらにもう少し掘り下げて考えてみよう。下2桁の十の位の数字をa、一の位の数字をbとすると、
10a+b=8a+2a+b 部分は4の倍数だから、2a+bが4の倍数、または0ならば、その数は4の倍数だといえる。
すなわち、十の位の数字の2倍と一の位の数字の和が4の倍数または0で判定できるのである。
B5の倍数判定法
一の位の数字が0か5ならば、5の倍数である。 |
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C6の倍数判定法
その数が偶数であり、かつ、各位の数字の和が3の倍数であるときにかぎり、 その数は6の倍数である。 |
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理由は各自考えてみよう。
D7の倍数判定法
各位の数字に、一の位から順に 1,3,2,−1,−3,−2 の6つの数をこの順にかけ、(この6つの数は7桁以上の数の場合繰り返してかける)その和が7
で割り切れるときにかぎり、その数は7の倍数である。 |
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E8の倍数判定法
下3桁が000か8の倍数であれば、その数は8の倍数である。 |
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もう少し掘り下げて考えると、一の位の数字に十のくらいの数字の2倍を加え、さらに百の位の数字の4倍を加えたものが8で割り切れるときにかぎり、その数は8の倍数だといえる。
7の倍数判定法、8の倍数判定法は少しむずかしいですが、文字式を使って考えるとその方法の正しさが証明できます。
一度チャレンジしてみてください!
F9の倍数判定法
3の倍数判定法を読んだとき、既に発見している人もあると思いますが、 100a+10b+c = (99a+9b) + (a+b+c) = 9(11a+1b) + (a+b+c) であるから、 赤字部分は9で割り切れることは明らかである。 したがって、各位の数字の和が9で割り切れるときにかぎり、その数は9の倍数である。 |
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20137905423 は 9の倍数 である。
なぜなら、2+0+1+3+7+9+0+5+4+2+3=36 であり、36÷9=4
すなわち、各位の数字の和が9で割り切れるから。