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かりゆしクリニック/トピックス/#27 ステロイド軟膏に関する誤解


#27 ステロイド軟膏に関する誤解

ステロイド軟膏について、不安を述べられる方は少なくありません。主なものしては次の3つが挙げられます。 多くは、知人、インターネット、健康関係の書籍からのネガティブな情報によるものと思われます。

1. ステロイド軟膏は副作用がこわい

他のすべての薬と同様、気を付けるべき副作用はあります。 これには、(1)全身的副作用と(2)局所的副作用があります。

(1) 全身的副作用

(1)は「顔が丸くなる」「感染症に罹りやすくなる」「骨がもろくなる」「成長が障害される」 などでほとんど内服での副作用です。軟膏では通常、体内吸収量は極少で、 大量長期使用でなければ生じません。

(2) 局所的副作用

(2)は「毛細血管が見えやすくなる」「皮膚がうすくなる」「ニキビができやすくなる」 「白癬菌が着きやすくなる」などがあります。外用で、時にみられますが (トピック#19参照)前二者は非常に長期に使っている場合稀にみられます。 ニキビや白癬菌も適正使用であれば、稀にしか生じません。生じても、すぐに治療できます

2. 皮膚が黒くなったり厚くなったりするのでは

結論から言うとステロイド軟膏では、皮膚は黒くなったり厚くなったりはしないと断言できます。 時々、長年皮膚病を患っているがステロイドは絶対イヤで使っていないという方が来られますが、 皮膚が黒ずみところどころ分厚くなっています。痒みが強く掻いたり、 湿疹が悪化したりで色素沈着と皮膚の肥厚が生じているのです。 炎症が長引くと色素沈着が起こるのです。炎症が長引けば長引くほど色素沈着は起こりやすくなります。

3. 使いだすとやめられなくなり、だんだん強いステロイドを使わなければならなくなる

ステロイド軟こうは適切な強さで指示通りに使い、皮膚の炎症が治まればやめます。 中途半端な量・回数を続けると長引きます。強いステロイドが必要になるのは、 ステロイド軟膏の使い方が中途半端か、炎症が強い場合です。 標準的治療を行っていれば依存性が生じることはありません。ただし、 外用薬はあくまでも外からの表面的治療であるため、炎症を抑えつつその原因除去・緩和が必要です。 炎症の状態を確認しながら徐々にステロイドを減量します。

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