真空管ヘッドホンアンプ HP-AMP-1K の製作

海のかざり

2015/2/25
Last update : 2015/2/25

花のアニメ概要

NPO法人 ラジオ少年の真空管ヘッドホンアンプキット「HP-AMP-1K」を製作しました(2015年2月完成)。
真空管には 6F2 (6U8)と、整流管として 6Z4 が使われています。オペアンプ使用のハイブリッドではなく、純粋に真空管だけで増幅します。
アウトプットトランスレスで、ハイインピーダンスヘッドホン(300Ω)用に設計されているが、16Ω等の低インピーダンスの使用も可能だそうです。ちなみに私は KOSS PORTAPRO を使っているので、インピーダンスは 60Ωです。

真空管ヘッドホンアンプ HP-AMP-1K 正面より 真空管ヘッドホンアンプ HP-AMP-1K 左横より

真空管ヘッドホンアンプ HP-AMP-1K

大きさを実測したところ、W144×D200×H132( 6Z4 のトップからゴム足の下まで)でした。
右下の写真のように立派なトロイダル電源トランスが使われており、ヘッドホンで聞いてもハム音がしない点が優れています。

真空管ヘッドホンアンプ HP-AMP-1K 後面より 真空管ヘッドホンアンプ HP-AMP-1K 基板を取り付け前

HP-AMP-1K 後面より(左)、基板を取り付け前(右)
(右の写真:トロイダル電源トランスが見える)


花のアニメ製作概要

特に変更した個所はなく、ほぼキットの通り製作しました。
良質の部品が使用されているので、部品もそのまま使用しました。
オリジナルと言えば、後述のアクリルカバーを作ったくらいです。

HP-AMP-1K 基板 前より HP-AMP-1K 基板 左横より

HP-AMP-1K 基板

参考までに、キットの製作上、気づいた点は以下の通りです。

基板の入力部分 電源スイッチの配線

基板の入力部分(左)と電源スイッチの配線(右)
(左の写真:入力部のコンデンサには、WIMA MKP10 0.47μF が使われていた)
(電源スイッチの配線は、本文参照)

基板むき出しなので、別途透明アクリル板を購入し、カバーを製作しました。真空管の熱がこもらないようにする必要があります。

透明アクリルカバーを製作して、乗せてみた

透明アクリルカバーを製作して、乗せてみた
(カバーの大きさは、W130×D180×H80、厚さは 2mm)
(真空管上部3ヶ所に加え、左右上部に計16個の換気穴をあけている。下部には隙間がある)

後述の発振対策を除き、調整するところもなく、一発で動きました。
音を出したところ、柔らかい魅力的な音がしており、たいへん気に入りました。コストパフォーマンスにも優れています。


花のアニメ発振対策

組み終えてテストしたところ、作り方が良くなかったのか、ボリウムが最大またはゼロの場合はならないのですが、ボリウムの最大=100%として、10〜40%と90%程度の位置で「ビー、ブー」という発振音のような大きな音がしました。
ボリウムと基板の間のシールド線の位置を変えたり、入力部分のコンデンサ(C1、C8)に触れると様子が変わるので、基板の入力部あたりが原因と思われました。
結局、基板の入力端子とパラに 47pF のセラミックコンデンサをつけると、ぴたりと止まりました。
47pF は 40kHz に対して約 85kΩ のリアクタンスになります。音への影響は問題ないと思いますが、もし同じ症状になって、試される方で、気になる方は最適値を探してください。

発振対策として追加した 47pF セラミックコンデンサ

発振対策として追加した 47pF セラミックコンデンサ


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