2SC1815GR 5パラ プッシュプル リニア アンプの実験


トランスは秋月の格安ビーズと、FB-801で比較しながらやってみます。
アイドル電流は80mAにしています。


これは1.8MHzのデータです。赤い太い線がFB-801の方です。
ゲイン、飽和出力共にFB-801の方が優秀です。


これは7MHzのデータです。
ゲインはほとんど同じ、飽和出力は若干FB-801の方が大きくなりました。

リニア領域ではありませんが何とか30dBm(1W)出力できています。
この時、両方ともコレクタ電流は200mA弱でした。(直流入力=12V×0.2A=2.4W)
入力電力は+2dBm(1.6mW)でしたから、ゲインは28dBということになります。



  【格安ビーズ】
  【FB-801】
こうして見ると格安ビーズの方が高調波は少ないです。(出力は27dBm)


   【格安ビーズ】
   【FB-801】
出力は30dBm。今度は逆転して、FB-801の方が高調波は少ないです。


これは28MHzのデータです。違いはほとんどありません。
ゲインはリニア領域で18dBぐらいです。

   【格安ビーズ】
   【FB-801】
27dBm(500mW)出力時。
どうでしょうか。2倍高調波はFB-801の方が少なく、4倍高調波は格安ビーズの方が少ないです。
まあ、大差ないでしょうか。


   【格安ビーズ】(28.26dBm 670mW 出力時)
   【FB-801】(28.43dBm 700mW 出力時)
入力は+13dBmで、飽和しかけています。ほんの少しだけFB-801の方が出力が大きいです。


これは50MHzのデータです。若干、格安ビーズの方がゲインが高くなっています。
どちらもまだリニア領域です。
ゲインは格安ビーズで11.5dB、FB-801で11dBぐらいです。


   【格安ビーズ】    【FB-801】
24dBm(250mW)時です。同じようなものでしょうか。



【まとめ】

入力=-10dBmで、出力も-10dBmになる周波数は102MHzでした。

出力=30dBm(1W)時のコレクタ電流はいずれも0.2A弱でした。
電源電圧は12Vですので直流入力=2.4W弱です。
効率は40%程度。損失は1.4W弱で、これを10個の2SC1815で分担しています。
単にパラっているだけで、若干10個の2SC1815間でバラツキはあるのでしょうが、
1個のPcは0.4WIcは0.15Aなので余裕でしょう。
放熱器無しで1分間連続出力したところ、40℃ぐらいになりました。
1WでのCW運用では放熱器は不要です。

秋月電子で売っている格安ビーズ(1000個で\3000 太陽誘電製 BP53RA040020070M)は
けっこう「使える」という印象です。今回は入力・出力に1個ずつ使いましたが、出力側は2個を
並べて接着してメガネ状にしても良いと思います。FB-801の値段の1/10以下ですから気軽に
じゃんじゃんチョークコイルなどにも使えます。

外形はFB-801に比べて、長さはほぼ同じ・直径は半分に近いようです。(スリム)
AL値は実測で、FB-801の約半分の0.8μH/t^2 ぐらいです。





【追記】
出力トランスを変えてみました。秋月格安ビーズに
1次側:バイファイラ4t
2次側:6t
これは1.8MHzのデータです。
ゲインは落ちますが、飽和出力は上がりました。
+8dBm入力時、33.1dBm(2W)、
+13dBm入力時、33.8dBm(2.4W) が得られました。


これは7MHzのデータです。
やはりゲインは下がりましたが、飽和出力はアップしました。
+5dBm入力時、30.7dBm(1.17W)、
+13dBm入力時、32.2dBm(1.66W) が得られました。

28MHz、50MHzではトリファイラ4tのトランスと変わりありませんでした。
私の持っているSSGの出力は+13dBmまでなので飽和するまでドライブ
できていないためです。