2SC1815GR 2パラ プッシュプル リニア アンプの実験

秋月電子通商で買える格安部品でRFアンプを作りました。

2SC1815GR \3 ×4
ダイオード \1 ×1
積層コンデンサ \4.8 ×3
フェライトビーズ \3 ×2
抵抗 \1 ×1
半固定抵抗 \40 ×1

合計約¥75

他にウレタン線、生基板が必要です。


回路図ではトランジスタは2個ですが、それぞれ2個パラにしています。(全部で4個)
アイドル電流は40mAにセットしました。
トランスの巻線はφ0.2のUEWを使っています。


周波数は左から順番に、1.8/3.5/7/10/14/21/28/50MHzです。
23dBm(200mW)ぐらいが直線域でしょうか。
飽和出力は50MHz以外は27dBm(500mW)ぐらいです。
綺麗に周波数が上がるに従ってゲインが下がっていきます。


7MHz 20dBm(100mW)出力時
スパン=50MHz
2倍高調波=-50dBc
3倍高調波=-40dBc
入力レベルは-8dBm(0.16mW)なのでゲイン=28dB



7MHz 27dBm(500mW)出力時
スパン=50MHz
入力レベルは12dBm(16mW)なのでゲイン=15dB


28MHz 20dBm(100mW)出力時
スパン=200MHz
2倍高調波=-50dBc
3倍高調波=-36dBc
入力レベルは2dBm(1.6mW)なのでゲイン=18dB


28MHz 25.2dBm(330mW)出力時
スパン=200MHz
入力レベルは13dBm(20mW)なのでゲイン=12dB


50MHz 20dBm(100mW)出力時
スパン=500MHz
2倍高調波=-46dBc
3倍高調波=-31dBc
入力レベルは9dBm(8mW)なのでゲイン=11dB


出力が20dBmになる時(リニア領域)のゲインは
 1.8MHz:34.7dB
 3.5MHz:32.5dB
 7MHz:28dB
 10MHz:26.3dB
 14MHz:23.8dB
 21MHz:20.5dB
 28MHz:18dB
 50MHz:11dB
です。

この時のコレクタ電流は50MHz以外は80mA(0.96W)、50MHzでは105mA(1.26W)
です。0.1W出力ですから効率は10%程度と悪いです。これはアイドル電流が40mA
であることも原因かもしれません。最初、アイドル電流を20mAとしたところ、C級動作
に近く、ぜんぜんリニアに増幅しませんでした。(自作プラーザで、JH5ESM/cosyさんの
アドバイスを受けました。)

効率は悪いですが非常に綺麗なリニア特性になっています。28MHz以下ではLPFは
1段で良いです。入力はSSGの出力で、これに既に高調波が含まれていての成績です。





ここから入力トランスを変えました。
1次側4t、2次側バイファイラ2tとしました。4:1にステップダウンしたということです。
グラフは左から1.8/7/14/28/50MHzです。これも綺麗に並びました。


これは1.8MHzの入出力特性です。

青い細い線は1:1の入力トランス、
赤い太い線は4:1の入力トランスを使った場合です。(以下同じ)

+13dBm入れると出力は29.9dBmとほぼ1Wです。
この時、コレクタ電流は250mAでした。(直流入力電力=3W)


これは7MHzの入出力特性です。
若干ピーク電力は赤い線(4:1トランス)の方が伸びているようです。
1.8MHzに比べて、両者の差は減っています。

+13dBm入力時、最初は出力28.4dBm(690mW)ですが、1分間経つと
27dBm(500mW)まで減少しました。
コレクタ電流は230mAとほとんど変わりませんでした。
入力をゼロにするとアイドル電流は55mAに増えていました。これは数十秒で
元の40mAになりました。
トランジスタの温度は45℃程度になりました。
トランスの発熱はほとんど感じられませんでした。


これは14MHzの入出力特性です。
入力トランスの差はほとんどありませんが、やはり最大パワーは4:1トランス
の方が若干多く取れるようです。


これは28MHzの入出力特性です。


これは50MHzの入出力特性です。
50MHzでは4:1トランスの方が全領域でゲインが高くなっています。





さて、ここまで秋月の1個¥3の格安フェライトビーズを使っていましたが、
定番のFB−801と比較してみました。


入力トランスは1次:4t、 2次:バイファイラ2t

出力トランスはトリファイラ3t です。インダクタンスは14μHで、Z=160Ω@1.8MHzと
なります。。(格安ビーズでは4tとしていました。インダクタンスは13μH)

太い赤い線がFBー801、細い青い線が格安ビーズです。


これは1.8MHzのデータです。
FB-801を使った方が1〜2dBゲインが高いようです。
+13dBm入力時は、格安ビーズ:29.9dBm、FB-801:30.0dBm と大差ありませんでした。


これは7MHzのデータです。ほとんど重なっています。


これは28MHzのデータです。7MHzと同様、ほとんど重なっています。


格安ビーズの方が若干ゲインが取れているようですが、大差ありません。


このような使い方ではFB-801の代わりに秋月格安ビーズが使えることがわかりました。