パラオ共和国運用記  (KC6LI)

(1993年8月)
                               




 旅にハプニングはつきもので、前回のトンガのトラブルも後で考えれば良い思
い出になりました。が、今度のハプニングは地球規模の大きなものでした。名古
屋空港からグアムで乗り継ぎパラオに降り立った頃、運良く台風が行き去ったと
ころでしたが、私たちにとってはいい「タイミングだった!」と喜んでばかりはいら
れませんでした。なんと島内が停電状態だったのです。高級ホテルでは自家発
電設備もあるのでしょうが、今回のホテルは1泊$30/室という宿ですからそ
んなものを期待できるはずがありません。何とか昼過ぎには電気が回復しまし
たが…。
 今回の宿「ニューコロールホテル」はアマチュア無線の運用に非常に理解が
あり、パラオからのペディションは必ずと言っていいほどこのホテルからの運用
です。ホテルの女性マネージャーも、最近アマチュア無線の免許を取ったそうで
す。



KC6LI運用中

 運用を始めた私たちに、多くの日本の方々から「地震は大丈夫ですか
?」という質問が相次ぎました。交信相手から詳しく聞くと、「グァム島で
大地震発生。観光客も足止めされている。」とのこと。こちらパラオでは
全く影響がなく、のんびり夏休みを楽しんでいた私たちでしたが、後日入
手した新聞を見て初めて事の重大さに気づいたのでした。

 無線運用は順調でした。時期的にハイバンドのパイルアップを楽しむこ
とはできませんでしたが、反対に7MHzや10MHzでの交信局数が非
常に伸びました。また短時間ながら50MHzで日本がオープンしました。
 帰路の経由地グァムに最終進入する飛行機の機内からは、普段と変
わらないと思われる街明かりが見えていましたが、空港内はいたるとこ
ろに地震の傷跡が見えました。

 ヤシガニやマングローブガニの隣には
フルーツバット(コウモリ)が横たわる

 KC6LIのQSLカード