単相 100V 用 単相インバータ もどき… ( 555 版 ) 2005.11.11
単相100Vを位相制御するのではなく、「一波(正負)単位」で制御して、擬似的に周波数を変えよう…というものです。(単相100Vに同期して高速にスイッチのON/OFFをやるわけです) ![]() ← この 単相 100V を、 1波 ON 、2波 OFF にすると 見かけ上、1/3の周波数になる? |
|
内部の発信器 (555) の出力で 単相 100V を ON にするタイミングをコントロールすれば、結果、その発振周波数によって、ON になる「1波(正負)」の間隔が変化し周波数が変わったように見える?事になります。 当然の事ながら、周波数を上げる事はできません。(笑) 一般的なインバータに比べてノイズが出ないのがメリットでしょうか。 |
1) これは主に開発現場とかで、スピードコントローラの付いていない(単相100Vで動く)モータのスピードを少し落としたい・・・などという用途に向けたものです。(全てのモータで使えるわけではありませんが…) アマチュアの方が家庭用の機器をコントロールするのは「想定外」(笑)です。 2) この回路図では2AタイプのSSRなので、ヒューズも2Aになっています。SSRを大電流タイプに変更する場合、ヒューズも変更して下さい。 L 負荷(モータとかソレノイドみたいに「コイル」があるヤツ)には突入電流がありますので注意してください。 3) 動作原理上、周波数が下がると「スムースな動作」は望めません。特に負荷の軽いモノには向かないようです。例えば12cm角のファンだと、周波数を下げると「かっかっかっ」(笑)と回ります。これが、30cmの家庭用換気扇あたりだとけっこうスムースに回ります…。 尚、周波数を下げた場合、「高速にスイッチをON/OFFしている状態」となんら変わりませんので、対象となる機器によっては寿命に影響を与える事もありそうです。ご注意願います。 4) 回路的にCRを多用していて、555の発振回路以外でもノイズなどの影響を受けやすくなっています。作成される時は配線を短く、コンパクトに組んで下さい。 5) 回路図にはIC毎のパスコンを書いていませんが、適当に実装願います。初心者?の方は、IC毎にVCC端子とGND端子の間へパスコン(104)を実装されるのが無難です。 6) AC100Vの感電にはくれぐれもご注意願います! |
1) 周波数調整用VRトリマの値を1MΩにした場合、555の発振周波数の範囲は、ほぼ2Hzから100Hz程度になるハズです。対象によっては、もっと範囲を絞った方が操作がしやすくなると思いますので、周波数調整用VRトリマの値を1MΩから250KΩとか100KΩとかへ変えてみて下さい。 2) +5Vの消費電流は、555の種類にもよりますが、5mA程度だろうと予想されますので、7805はLタイプで充分です。もちろんヒートシンクは不要です。(電源は7805で安定化しなくても、ほぼ問題なく動くようですが…) 3) トランスの2次側はセンタータップ付きで、電圧は6Vとなっていますが、これより低い電圧はマズイかも知れません。高い方は10V程度までなら問題は無さそうです(←テストはしてませんが…)。ゼロクロス検出のタイミングは電圧が高い方が正確になります。電流は50mA以上のモノが安心です。 ![]() 4) センタータップ付きのトランスが無い場合、2次側の巻線の片側をGNDへ落とせば(回路図で巻き線の片側が無くなった状態)、問題なく動作します。その場合、片波整流(懐かしい…)になりますが、消費電流も少ないので、特に問題は無いと思われます。 |
|
![]() ダイオードブリッジで全波整流にすると、ゼロクロスの検出位相が少しズレる事になります。 |
|
5) 回路図では、ゼロクロスSSRの型式が D2W102F になっていますが、これはだいぶ前に秋月電子通商で買ったヤツです。今は D2W203F が売られているようです。(200V3Aタイプ、¥250、2005.11.09) 6) SSRの駆動電流は、数mA〜十数mA程度と思われますので、Q1,Q2 は何でもいいと思います。(2SC1815とかで) 7) SSRの駆動電圧が+24Vとなっているモノには注意が必要です。この回路図だと、せいぜい8V程度の電圧で駆動する事になります。D2W102F には 28V との記述がありますが、これで充分動くようです。(D2W203Fも4V程度より動作するとか) ただ、メーカの保証の範囲外で使う場合、動かなくても文句は言えません…。 |
![]() 「ゼロクロス動作」をうたっているSSRの中には、目的の半波の「手前の半波の最後付近」でONになるものがあります。正確なゼロクロスより少し早くSSRを駆動すると、その現象が出るわけです。正確なゼロクロス点でSSRをONにすれば、この問題は起きません。(普通はこの現象が起きてもあまり問題にはならないと思いますが・・・) (波形拡大) |
|
これが問題になる場合、SSRのONタイミングが早い可能性がありますので、まずはオシロでタイミングを確認してみて下さい。(理想的なゼロクロスなら、こういう事は起きないハズなのですが… まっ、世の中に「完全」は無いのが常ですから)![]() 本回路で一番簡単に「SSRのONタイミングを遅くする」には、ダイオードのD3とパラに、103〜104のコンデンサを入れてみて下さい。 |
|
SSRのONタイミングを遅くし過ぎると「次の半波がONになる」ので注意して下さい。
|
たぶん…、そのままで動くと思いますが、動作テストはしていません。組立て後、動作確認をお願いします。 |