- 雑誌などを見ていますとATFを交換することにより
- 新油の清浄作用のためにスラッジのハガレが起きたり、
- 油圧ラインのポケットに落ち着いていたゴミが動き出したり
してATの調子が悪くなる場合がある、と言う記事をよく目にします。
- しかしATの設計者の方はそう言ったトラブルはそれ以前に問題があるのではと仰ってます、つまりATF交換が原因ではなくATが滑り出したとかシフトが上手く行かないなどの症状が出ているにも関わらずATFの交換で何とか元に戻そうとすること自体がナンセンスだと。
- 結局そう言った症状が出てきた場合には分解手入れすべきなんですね、ATは構造や動作が複雑で良く分からずまた修理費がとてつもなく高いと聞かされているので我々素人は藁にもすがる思いでATFに頼ろうとするのです。
- 前記のような事例は事実のようですがすでに内部に起きていた異常がATF交換で顕著に表れただけなのです、つまりATに不具合症状が出だしたらもう手遅れなのです、ATFの交換や添加剤などにより改善されることはまず無いでしょう。
- 少々具合が悪くなった状態からATF交換によって蘇ることは殆どなく、交換しようとしまいと一旦悪化傾向になると悪化の一途をたどることが多いものです。
- 指定交換周期等で交換するATFですがガソリンスタンドなどの場合は指定ATFがまず無いと思った方がいいでしょう、スタンド側はこれは互換性があってとか何とか言ってくると思いますがATFが指定されている場合は少なくともディーラーに行きましょう。
- と言いながらディーラーでも扱っている全ての車のATFの在庫は持っていないそうです、でも少なくともガソリンスタンドよりATF交換の知識はあると思ってました。
- しかしながらATの専門家のお話ではその信頼できる?はずのディーラの技術力は残念ながら大変低いのが実状でだそうです。
- メーカがどこであろうとATをそれだけ勉強しようとする整備士の方もいなくなってしまいました。
- 何故なら特に電子制御になってから技術内容が多岐に渡りそれだけ理解が困難になったこと、不具合原因と結果とが1対1には対応しないことが多くそれだけ真の不具合原因を見つけることが困難になったということでもあります。
- また、例え技術力があったとして専門的な装置を揃え時間を掛けて不具合原因を明確にしても誰もそれに対してお金を払ってくれるわけではなく、もし原因の推定が間違っていて修理方法が間違ってしまうと完璧な修理ができずユーザ(お客)を却って怒らせてしまうのが落ちなのだと思います。
- だから、99%以上のディーラではアッセンブリ交換を勧めます、これだとユーザ負担で完璧に修理できる可能性が大でディーラーは余分なリスクを負わなくてすみます、もっとも現実にはこれしか出来ないのが実態です、ユーザを納得させるだけの技術的な実力を持ったサービスマンはいないと思った方が良いでしょう。
- ディーラーでもこのような状態なのでカーショップに勤務している人が技術的な教育を受けているとは思えませんし資格試験も受けることは無いようです、それでも来客にはあたかも全てを知っているような口をきく人が多いと思います。
- ガソリンスタンドのアルバイトの店員など全く無知と考えるべきでしょう、メンテ関係の月刊誌「自動車○学」ではいろいろなトラブル事例を紹介していますがスタンドでのトラブルが結構多いです、アルバイトの店員に正しいやり方でやってもらうことはまず無理でしょう、大事な車のメンテはご用心を。
- たかがATFの交換、されどATFの交換、悩みはつきませんね。
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