伊豆半島紀行   (1998.10.24〜25) 

 集合地点の名神高速道路桂川SAには既に全員勢ぞろい。紅一点藤澤さんの愛車R1100R
も最初の1000点検を済ませたばかり。今回ツ−リングのお世話をしていただく杉山さん
(R1100RS) からコ−スの説明と 400km走行する高速道路の休憩ポイントの説明を受け、8
時15分スタ−ト。雨は西から徐々に回復とのこと、私たちのスピ−ドより天気回復のス
ピ−ドの方が早いことを念じつつ。

 昼前に浜名湖SA(307km) にて昼食、鰻丼でパワ−つける。どちらまで?。御殿場IC経
由伊豆です、雨は?。雨具は必要ですよ。東と西のバイク乗りの情報交換。
 静岡通過  富士山を遠望、頂上には雪が。トンネルを出ると真正面に冠雪の富士山が綺
麗にそびえる。2時10分富士川SA着(432km) 富士は頂上付近に雲が掛かっている。広い
裾野を従えどっしりとたたずむ富士は雄大だ。今年の秋は台風が来てもそのあと天気が優
れずこのところ秋晴れがない。富士の雄姿を拝むのを半ば諦めていただけに目の前の富士
を見て感激・感激。
 長い上り坂で前を走る柳原さん(R100RS)が路肩に急停車。何故?。「ガス欠ですわ」リ
ザ−ブタンクに切り替えスタ−ト。「リザ−ブ使うの初めてです」と柳原さん。2時50
分御殿場IC着(479km豊中から7400円。高速道路走行中は雨に少し降られたが路面は乾い
ていた。ラッキ−) 

  R138で小田原方面へ、この近くにはフェラリ−やポルセの自動車の博物館がありますよ
と中村さん(R1100RS) の説明を聞きながら走行。すぐ右折し長尾峠から箱根スカイライン
へと向かう。樹木を縫って進むカ−ブばかりの一車線登り道。直前まで雨が降っていたの
か路面はしっかり濡れている。前を走る三好さん(R100R) との車間が開いていく。

  高度が上がるにつれ視界が開ける、右手に沼津や駿河湾をハッキリ望む景色が美しい。
峠を下った所の展望台にて芦ノ湖を見下ろす。左に仙石原、正面に箱根山、右前方に元箱
根、湖面には観光船が何隻か、雨上がりの綺麗なパノラマの風景。箱庭のようだ。
  雨がポツポツとスクリ−ンにあたる。全員雨具着用で箱根スカイラインのゲ−トを通過
(15:30 490km 250円) 。芦ノ湖スカイライン(210円) も路面は依然濡れ路面は黒く光って
いる。景色を楽しみたいとの思いはあれど慎重に前車に続く。

  箱根峠(15:40 504km) で国道1号線とクロス、熱海箱根峠線を十国峠方向へ。何と路面
が乾いているではないか。先程まではこわい感じで走ってきたが、ここからは大丈夫と全
員鉄馬に鞭を入れ走り込む。山の稜線を結ぶ道に7台のBMWが綺麗に連なって走行。景
色も右に左に開けそして流れる。ヤッホ−
  十国峠へあっと言う間に着いてしまった。記念の写真をとバイクを並べたがフラッシュ
が必要。まだ4時と言うのにもう暗い、雨雲が低く垂れていた。
 伊豆スカイライン料金所(16:10 514km 560円) を雨降るなか通過。御殿場からは中村さ
んに先導と無線で案内していただいている。東京勤務のころ毎週富士から伊豆方面に早朝
から走り込んでいました。景色も最高、高速コ−ナ−リングも楽しめますよと。しかし現
実は雨、しかもガスも湧いてきた。

 突然 富士が雲の中から。そう突然に。低く垂れ込めた雨雲の間から輝く富士山が現れ
た。頂上から7合目位まで雪を冠った富士が光り輝いているではないか。あまりの美しさ
に写真を撮っておこうと停車。雨で周りは暗いし富士山頂の上方も黒い雲に覆われている
が、雨雲の上方から富士山に夕日が当たっているのだろう。最高の富士だ。
  雨の高原道路は氷雨とガスの中でのツ−リング。早く温泉に浸かりたい、温泉と熱燗の
ことのみを思いながらテ−ルランプを追う。全員無事到着。(17:20 568km) 
 かんぽの宿での仕事は濡れた雨具・グロ−ブ・靴等を乾かすこと。部屋のなかは乾燥場
になる。大きな浴場で今日の疲れを癒し、いざ夕食。暖まった身体で先ずビ−ルで乾杯。
地酒の熱燗や冷酒で皆さんの身体も快調。今日のコ−スや雪の富士、雨のスカイライン。
ポインタ−にライラック・メグロやサンパチ。レ−サ−片山さんの若いころの六甲の走り
ぶりなどバイク談義は続く。

  藤沢さん「集合場所を間違わないよう子どもと下見に行ってきました。ツ−リングと温
泉と美味しい地酒そして楽しい話。私の想像していたツ−リングで涙が出るほど感激して
ます」ツ−リングへの期待と気合が伝わってきます。益々盛り上がる会話に気が付くとあ
の大きな食堂は私たちだけでした。

  天気が気掛かりで早く目が覚める。窓の外は墨絵の世界。太陽が水平線のからのぞく、
日の出だ。真っ赤な大きな太陽、陽光で目前の大島のシルエットが一瞬消える。それぐら
い活きよいよく眩しい太陽に感激・感激。感謝・感謝。今日はいい天気になるぞ。
8時40分スタ−ト。抜けるような空。下田への道は山が迫り海に落ち込む、左の海に
は大きな波が打ち寄せる、波しぶきがバイクにかかりそう。真っ青な空と海、緑多い急斜
面に民家が点在する伊豆の風景を楽しむ。昨日の雨と霧が嘘のようだ。途中の集落は全て
温泉の標示あり。

  伊豆は温泉と火山と地震の宝庫。R135はカ−ブ・トンネルの連続。後藤さん(K100RS)
から走行中の写真を撮りますと無線で連絡、次のコ−ナ−でピ−スサインで応える。途中
から山梨ナンバ−のR100RSも一緒に走りBMWが8台連なる。狭い2車線の国道は結構混
んでいた。

 下田(9:40 609km)から松崎町へは海岸を離れ山のなかを走るコ−ス。南伊豆町の日野交
差点右折し右松崎町へ、直進は石廊崎だ。ここからは今までの混み具合が嘘のように快適
に流れる。アップダウンのガレットラインでコ−ナ−リングを楽しむ。

 松崎町に入ると温泉好きの後藤さんが先行。雲見温泉は閉まっていたので次の露天風呂
を探す。すぐ先の石部漁港で露天風呂を見つける。漁港の奥に簡単な目隠ししただけの素
朴な風呂だった。少しぬるめ湯であったが無料だったので納得。

 小さな入江が集落になっている。集落に近づくと道は下って海に近づく、集落を過ぎる
と道はまた上っていく、その分視界は開ける。道が整備される迄の足は船が主役だったこ
とがここに来て理解できる。遠くに富士が見えてきた。
 土肥の港(12:50 678km)からは時間短縮のため西伊豆スカイラインをパス、船原トンネ
ル(310円) を経て修善寺道路(150円) へ。浄蓮の滝、独古の湯は次回の楽しみに残し中伊
豆道路を経てR1へ。真っ正面に日本晴れに映える富士山を見つつ沼津IC(14:30 730km) か
ら東名に乗る。帰路の無事故を願い安全走行、9時に吹田SAに無事到着(1159km)。
 21:40 1186km自宅着。念願の伊豆。走りは堪能しました。感謝。 ja3xyd 中谷宏作)