雨の乗鞍高原・せせらぎ街道紀行 (1997.9.13〜14) 

 台風19号が九州に接近の最中、最近オ−プンしたばかりの「桂川SA」に到着。朝の
陽射しに芝生の緑が鮮やか。
 アレ?  R100RSの川崎さんの姿、台風のため船釣り中止と船頭からの連絡で、急遽参加
とのこと。ワ−プ走行し到着。 歓迎・歓迎! 

  総勢8名にて9時すぎにスタ−ト。先ずは約70Km先の多賀SAまで一団で走行しグル−プ
走行のペ−スをつかみ、その先、恵那峡SAまでの約100Km はフリ−走行でツ−リングを楽
しむ予定。 千鳥の隊形にて走行。サイドバックが目立ち誰でもBMWとすぐ判る。車線変
更もスム−ス、全車綺麗に流れる。後方を走るのもなかなかいいものだ。皆さんこの走り
でグ−ですよ。ハム免許も4人、イヤ−ホンでの受信も含め全員トランシ−バ−をセット
しているので連絡は安心。

 栗東を過ぎると前方には雨雲が低く垂れている、間もなく雨。杉山さん(R1100RS) から
雨具着用のためストップするとの無線連絡。バスストップや陸橋の下で雨具を付けている
バイクが多い。メンバ−も雨具着用のため適宜停車している様子。
  R1100RT の私はウォタ−プル−フジャケット (防水-  BMW--にて購入直後)のテストを
したく、制限速度を一寸オ−バ−するぐらいで走行する。私の身長ではスクリ−ンを 1/3
位上げると、ヘルメットの上を雨が流れ上衣もズボンも濡れない。 GOOD!

 多賀SAで杉山さんを待つがなかなか到着しない。無線で呼べども応答なし。事故に合っ
ていなければいいがと案じる。10時半頃携帯に杉山さんから電話、中央道に入った先のバ
スストップまで来ている。多賀SAでの集合は聞いてなかったとのこと。申し訳ない。それ
にしても飛ばしてるね。 (雨具着用で遅れたので追いつくために一生懸命に走ったとのこ
と。 反省・・→集合ポイントは全員に周知徹底のこと) 

 三連休のため、名神・中央道はよく混んでいた。路肩走行はしないことにしているが、
時間をかせぐため時折左側も走行する。 (このとき先頭車からの情報が有難い) 
  土岐IC先で杉山さんからリア−がパンクとの無線。蝶ネジの頭の方からブスリと入る。
森田さん(R1100GS)がすぐ修理すれど穴が大きく空気漏れは完全には止まらない。エア−
ボンベを2本使用。3台伴走すれば(ボンベも6本あるので)何とかなるだろう。
  (次の恵那峡SAにてパンク修理と昼食) 

  中津川ICから中仙道 (R19) へ、雨は上がり金さん(R1100RT) の先導で再び一団とな
り走るが、黄色のセンタ−ラインと交通量が多く走りづらい。次第に信号でトップに出る
走りとなる。藪原から上高地方面へのコ−スは交通量少なく、ひなびた集落や白樺の峠道
のワインディングを快適に走行。やっとツ−リングの気分に ルン・ルン! 
  黒川の渡しを左折。上高地乗鞍林道(全線舗装 1.5車線 310円) は急カ−ブの連続、路
面は乾いているので安心。「乗用車2台通過」と対向車情報を先頭の吉川さん (R1100RS)
が送ってくれるので後続車は走りやすい。高度が上がるにつれて寒くなるが視界は広がり
高原の風景を楽しむ。乗鞍高原一ノ瀬牧場付近でパチリ一枚。
 今夜の宿は、常連の後藤さん (K100RS) お勧めの「山栄荘」。露天風呂から眺めるコス
モスと白樺の林・雲間の山並の高原情緒は最高。乗鞍高原温泉は乳白色の湯であった。近
くの白骨温泉の湯と同質のようだ。硫黄の匂いを嗅ぎつつぬるめの湯にゆったり浸たると
身体も心もやすらぐ。 極楽・極楽! 
夕食にはヤマメの骨酒を特注。身をほぐして濁り酒にすると甘い風味がでて美味しい。バ
イク談義で話が弾み、骨酒・ビ−ルも 追加・追加! 
  (夜中に大きな雨音がしていた)

 6時に目覚める。気になる雨は?・・・大丈夫。爽やかな朝を迎える。森田さんはこの
景色を捕まえようとカメラを肩に愛車GSに跨がり出かけた。乗鞍岳は雲で全く見えない
が露天風呂には朝日が射してきた。ラッキ−!
 (ところが出発の時はまた雨が降りだした)
8時30分県道乗鞍岳線で標高2740mの畳平駐車場をめざし出発。 1.5車線の舗装
路なれどつづら折れの道が続く厳しい山岳道路、しかも雨で路面はスリップしやすい。乗
用車の後ろをゆっくりと走る。スキ−場を過ぎるとカ−ブもきつく、そのうえ勾配も急。
アクセル・ブレ−キの操作が慎重になる。路面状況と対向車情報を無線で後続車に送りつ
つ2〜3速で慎重に進む。

 高度が上がる。幸いに小降りになった。雲の切れ目から高原の美しい景色が見え隠れす
る。上の方はガスで何も見えない。位ケ原山荘の建物の端から端までが霞んで見えない。
視界は10m前後。前の乗用車のテ−ルランプを頼りに歩くように進む。眼鏡にも水滴が
付きますます見えなくなる。森田さんと先頭を交代する。右手に雪渓スキ−の駐車場がぼ
んやり見えてきたが、左上の大雪渓は全く見えない。先頭から無線。「駐車場は右?・左
?」。ガスで目の前の表示が見えないのだ。「左」。

 畳平駐車場で熱いコ−ヒ−で暖をとる。雨が小降りになってきたので乗鞍スカイライン
を下る(1100円) 、視界は少し良くなったがそれでも100m位。濡れている路面は滑りやす
い。昨年夏、伊勢でのBMWツ−リングワ−ルドで、山田純さんにコ- チ頂いた走り方、
減速とリヤ−ブレ−キを効かせつつ加速してカ−ブを安全にクリア−する。

 平湯峠からのR158は雨。高山からはより強くなる。楽しみにしていたせせらぎ街道
も雨のなか。しかし雨にぬれた樹木、この雨でも濁らない渓流のなかのツ−リングもイキ
なもの。途中土砂降りもあれど無線からは口笛も聞こえていた。

 郡上八幡からは東海北陸道。東名に入ると雨も上がる。雨でスロ−ダウンした分を高速
でかせぐべく最後尾の3台で前を追う。乗用車2台が並走しているのでなかなか前に出れ
ない。左の車線の車がが少し後ろへ、先頭車がすかさず前方へ。続いて中村さん(R1100R
S)も前へ。次は私と思った途端「ウ−」。左の白い乗用車の屋根から赤灯がサッと点くの
がスロ−モ−ションのようだった。(追い越し違反だった。スピ−ドであれば何点だった
か)

 今回は雨のため予定を次々と変更したツ−リングであったが、雨には雨なりの走行をし
た。集合地点のミス・大きな穴のパンク修理・ガスや覆面パトとの遭遇など思い出に残る
ツ−リングであった。

                        (ja3xyd 中谷宏作 記)