アウトバーン&ロマンチック街道 (2001/7/1〜9) NO2
              (BMW MOJ Europe Touring 2001)        ja3xyd 中谷宏作

ツーリング2日目
 小鳥の声で目が覚めました、爽やかでからりと晴れた日本晴れ(チロル晴れ)。遠くの高い山には
陽がさして山が輝いて見えます。今日もツーリング日和になりそうです。
 頬にヒャと冷たい空気を感じながらツーリングのスタートです。きれいな湖を見ながら、遠くのア
ルプスを見ながらツーリングが始まります。このシーンに思わず「ヤッホー」。

 シーフェルドからアルプスを目がけて走ります。景色はいい、水は澄んでいる、空気はきれい。道
は適度にカーブしている・・ですね。良かったですね。アルプスを目の前にしての走りは。歌の歌詞
にありますように・・森と泉(湖)に囲まれて・・そんな景色の中をスタートしました。

 右も左も山が迫っているようなところでちょっと寄り道をしたのだと思います。寄り道というより
チロルの景色を見るためコースを変えて走ってくれたのですね。田舎の小道をどんどん登って行きま
すと、上の方は広い丘になっていまして牧草地が広がっています。
 向こうの山が目の前に、その上の方には雪をかぶったアルプスが見えています。途中通り過ぎる小
さい集落には、あの美しいお家が、庭や窓にきれいな花がいっぱいの、のどかな平和なシーンです。
山の中腹の道はアップダウンしながら小さなを谷をクリアーして次の集落とを結んでいます。谷の下
方には川が流れ、国道や街並が見えています。オーストリアの山岳地帯の景色を楽しみました。

 高いところの道から下ってまた国道に出ました。ガソリンスタンドに立ち寄り満タンにしましたが、
向こうではスタンドがほとんどセルフ、自分でガソリンを入れるんです。その経験をすることも今回
のメニューのひとつです。

 小さな町を通り過ぎるとき、先頭を走るトッティが指差しています。見るとゲートのようなものが
あります・・・? 検問所の建物のようです、ここから先はイタリアとのこと。何の審査もなしで、
しかも一時停止もすることなく、ここが国境のゲートですよと説明のため徐行しての国境通過です。
あっけなくイタリアに入りました。
 次第にアルプスが迫ってきます。狭い谷間にきれいな水が流れている川、平行して走る道、途中に
はきれいな民家が数戸くらいの集落、そんな村や町をいくつも通り過ぎました。バカンスが始まった
7月の初めですから、平行して走る高速道路には車のルーフに荷物を満載した乗用車やトレーラーを
引いた車が多く走っています。

 右折で山道に入っていきました、1.5車線のセンターラインの無い道です。インストラクターが左
手を上げぐるぐる廻しています、ここからは一本道でフリー走行OKの合図です。走り屋さんは手綱
を放した馬のように、たちまちバイクの姿が見えなくなりました。
 対向車情報を送ってくれる無線の声も次第に聞こえなくなりました、前を走るバイクと相当離れて
しまったようです。私は「そんなに急いでどこ行くの」ではないですが、周りの景色を楽しみながら
カーブを一つ一つクリアーして追いかけます。私は何しろタンデムですから。

 長靴の形をしたイタリアの上の方にアルプスが横たわっているのですが、そのアルプスを挟んで北
側にオーストリア、その上がドイツです。私たちはドイツの南にあるミュンヘンからバイクでアルプ
スに向かって走って来たわけです。
 バイクでアルプスの峠に向かっているわけですが、高度があがるにつれ、次第に樹木が少なくなり
そして次第に視界が開けてきます。そうしますと、山の向こうにまた山が見えてくるわけです、さす
がアルプス。次から次へと、山また山というわけですね。
 気温も少しずつ下がってきています、頬にあたる風が冷たくなってきました。夏ですから寒くはあ
りません、いいですねーこの風、顔、気持ちが引き締まります。
 大きなカーブを廻ったところにレストラン(ホテルのレストラン)が一軒ありました。周りに樹木
がまったくありません、その代わり展望は最高です。
 アルプスの山並みが遠くまで見えるところでの昼食です。他のバイクも20台くらい止っています。
たぶん地元のライダーでしょうか。 と言ってもここイタリアか、オーストリアか。ドイツやスイス
も直ぐそこですから。いいですね、飛行機や船に乗らなくてもさっと外国に行けるわけですから。

 昼食はホテルのレストランです。メニューはチーズの盛り合わせでしたがボリユームがありとても
食べ切れません。ナプキンに包んで勝手にテイクアウトしました。大陸の山の中ですから、海の魚と
いうよりも牧畜で保存の効くチーズ製品、しかもチーズの種類が多かったですね。(高い山に囲まれ
たこの地方、食材に野菜が少ないようでした)
 目の前が標高2000mを越える峠、ここを越えて向こう側に下ってまた違う峠を越えてオーストリア
へ帰ってきます。
 ここからの道が今までと違うのですね、切り立った急斜面に、こんなところによう道をつけたなー
と思いました。ヘァピンカーブの連続でおまけに日本みたいにガードレールが有りませんから、深い
谷底がよく見えます。登りの道は目の前は山の斜面ですが、下りの道は谷底までよく見えます。
 ガードレールの代わりに路肩にブロックが置いてあります、その代わり展望はいいですね、景色を
さえぎるものはありませんから。
 私はタンデム、バイクに二人乗りですから、どうしても前のバイクと離れてしまいます。普通の道
では一人乗りのバイクとそんなに変わりませんが、見通しの効かない下り道はブレーキの効きが一人
乗りに比べ悪くなります。カーブで対向車に遭いますとタンデムの場合、制動距離が長くなります、
安全走行のためその分車間距離が開いてしまいます。
 転んでけがをしてしまったらこのツーリングが台無し、失敗です。少々遅れても安全第一です。
前を走るバイクとの距離が開いた分安心して景色を楽しみました。

 再びアルプスへ挑戦です。次第に急勾配になりヘァピンの連続です。右側通行ですから右カーブの
方が小回りになります。BMWフラットツィンはこの点いいですね、急なヘァピンカーブの上り道、ミ
ッションを一段落としてアクセルを廻しますと、バイクがヒョィッと右側に傾いてスッーと曲がって
くれます。
トンネルを抜けるとそこは雪だった」(オーストリアはイタリアの北側)ちょっと下ったところ
にバイクを止めました、ギャーはローに入れてと無線から声が。勾配がきつくニュートラルですとバ
イクが独りでに動き出します。
 目の前に「テンメルクヨッホ峠 2506m」の標識が。足元には残雪が溶け出し路面に水が流れ出し
ています。アルプスの峠道を緊張しながら登ってきましたので、目の前に広がるアルプスのすばらし
い景色に皆さんおおはしゃぎ。雪の上を歩き回ったり、カメラでパチリ・パチリと周りを写しまくっ
ています。
 雪は残雪ですのでザラ目です、その雪の中にビーマー紅一点の草野さんはトッティたちに抱きかか
えられ放り投げられました。草野さんのキャーの悲鳴(笑顔ですが)、それから雪の投げあい。真夏
の雪合戦が始まりました。

 峠道の登りに比べ下りの方が視界が広がりその分景色はいいですね。遠くの山並みを楽しみながら
下って行きます。 ゲートです、イタリアーオーストリア国境のゲートです。ゲートを通るだけで再
びオーストリアへ入国です。予定していなかったイタリアまでのツーリングに感激しました。

 途中すれ違うビーマーからの手信号、どうやら先の方でスピード検問をしているらしい合図。手振
りだけで意味がわかります。
 アルプスツーリング、この感動を分かち合い、感激を試しながらのコーヒーブレイクで、さらに鋭
気をチャージしシーフェルドのホテルに向け走り出しました。
ツーリング最終日
 清々しい朝を迎えました。今日はツーリングの最終日で、ミュンヘンに向けてスタートです。峠道
から適度のワィンデングロード、森と湖とバラエティに富むコースです。平地に下ってきますと周り
はあの柔らかな曲線の丘や森、牧草地の景色に変わってきます、景色の変化とともに気温も上がり身
体は汗ばんできました。
 あのチロルやアルプスでの走りや爽やかな気温が思い出されます。あの快適な走りが、昨日のこと
だったのにと・・・。それを知ってかトッティたちは森の中へとバイクを進めます。緩やかな丘陵地の
なかにこんなコースがあるなんて・・・そんなコースを選んで走ってくれました。
 
 スタートしたミュンヘンに帰ってきました。ガス満タンでショップへ、バイクの点検を済ませ今回
のツーリングは終了しました。初日チロルへ220km、2日目はアルプス越えでイタリア往復300km、
3日目ミュンヘンまで200kmと約720kmを走りました。
 アウトバーン、ロマンチック街道、アルプスの標高2506mのテンメルクヨッホ峠越えとバラェティに
富んだ快適なツーリングでした。

ツアーメモ 
 念願のアウトバーン、ロマンチック街道、アルプスの道を堪能しました。ドイツBMW Clubのビーマ
ーとの交流やビヤーケラーなどでの国際色豊かな交換などで楽しいツアーに大満足。
  7月1日夜9時55分成田空港離陸、フランスのシャルルドゴール空港経由(現地時間4時半着)、日
本からドイツのミュンヘン空港まで約13時間半のフライト、2日朝9時過ぎにミュンヘン空港に着陸。
夜出て朝に着くフライトは7時間の時差を感じず体調は絶好調。(帰りは11時間半)
 現地でツーリング前後各々一日のフリータイムがあってBMW関係施設の見学や観光など中身の濃い
充実したツアーメニューにもかかわらずゆとりがあった。天気も最高。
 今回のヨーロッパツーリング、9日朝全員無事帰ってきましたことが最大の成功、そして私はこの
ツーリングで元気をもらって帰ってきました。

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