★ 交響曲第五番 変ホ長調 ★ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/指揮:ロリン・マゼール (2005/9/17 記)
シベリウスの曲を聴いているといつも思うことなのですが、この作品もフィンランドの自然から得られたインスピレーションにより、田園的雰囲気を持った壮大な音楽の世界を作りあげ、とても力強く感銘に満ちた音楽に仕上げられています。 ホルン、フルート、トランペット等の金管楽器をみごとに使い、その「音の響き」の魅力を引き出す。シベリウスの作り出す音楽の魅力でしょうか。 また、交響曲としてはめずらしい第3楽章形式になってすます。
第一楽章の冒頭のホルンと、木管の静かな音の流れは、湖畔の森の木々の間に差し込む朝日を想像させ、気持ちも澄んでいくような、そんな感じを受けます。特にこの楽章のトランペットの演奏は印象的で圧巻です。 第二楽章は、野道を散歩しているような、とてものどかで心地よい音楽に包まれます。 第三楽章の冒頭は、まるで小動物が森の中を忙しく駆け回っているような、小刻みな音楽で始まります。その音楽が次第に大きくゆっくりと高まっていき、大きな翼を広げた鳥が、悠々と飛んでいるような、自由な広がりと大きさを感じさせるものへと変わっていきます。とてもドラマティックな楽章です。ただ、ラストはちょっと驚きました。何となく不自然な終わり方と言いますか、突然終わってしまったという感じです。あそこまで盛り上げて?? きっと、シベリウスには何か意図があったのでしょうね。
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