お気に入り絵本の紹介
=お気に入り絵本の感想=

 『かずのぶ(長男)』『よしつぐ(次男)』 の お気に入りの絵本について,読み聞かせをしてきたときの感想と, 子供の反応について書いてみました。 これからの絵本選びの参考になればいいのですが・・・・・。


 絵本の表紙画像の掲載については,全て出版社の許可を頂いております。 このページからの無断転載・無断使用はお断りします。 また今回ページへの掲載を快諾してくださった出版社の皆様に心から御礼申し上げます。

[0歳頃〜]

[くつくつあるけのほん]

   1.くつくつあるけ
   2.おててがでたよ
   3.きゅっ きゅっ きゅっ
   4.おつきさまこんばんは


 どの絵本も読み聞かせは0歳頃からしていて, 『かずのぶ』 は, どれも喜んで見ていたり,何度も読んでと絵本をもってきてせがんだりしていましたが, 様々な反応は1歳過ぎてから見られるようになりました。  1歳2ヶ月の頃の 『かずのぶ』 のお気に入りが「おつきさまこんばんは」。 おつきさまが隠れるページでは泣きそうになり,出てくると笑って喜ぶ。 裏表紙の「べーっ」と舌を出しているところでは自分も「べーっ」。 おつきさまの表情が, すんなりと自分の気持ちと重なるのでしょうね。
 1歳6ヶ月の頃,お空の満月を見て「べ−」としていました。

 「くつくつあるけ」では,くつがころんでしまう場面ではしんみょうになり,
 「きゅっきゅっきゅっ」では,自分も最後にきゅっきゅっきゅっと拭いてもらって満足。
 「おててがでたよ」では,手が出なくて「う〜ん」と頑張っているページで, 一緒になって「う〜ん」と言って歯をくいしばっていました。 いつも自分の体験を重ね合わせていたのだと思います。

 また1歳10ヶ月の頃,夕食の時,自分のエプロンについているクマ,ウサギ,ゾウにスプーンの 食べ物をつけて「くまもパクパク」「うさぎもパクパク」「ぞうさんもパクパク」と言っていて, 絵本のまねをしているんだなあと嬉しくなりました。(きゅっきゅっきゅっ)

 『よしつぐ』 は9ヶ月の頃,「おつきさまこんばんは」の おつきさまの絵が好きで,にこにこしておつきさまをさわっていました。1歳1ヶ月頃には 毎日のように本棚の中からこの絵本を選んで持ってきては,「ん,ん」と何度も読んでと要求して, 何回も繰り返し読みました。「こんばんは」でおじぎをして見ていました。
 また「くつくつあるけ」では,くつがピョンピョンとはねるページで一緒になって,ドンドンと とんで遊んだり,「きゅっきゅっきゅっ」では,「今度はどこにこぼしたかな」などと言うと, 絵を指さして次に自分の手や足を出して,「ん,ん」とふいてと要求して喜んでいました。

 [林 明子:文・絵,  セット定価:2600円(各650円) 福音館]
 


[がたんごとん がたんごとん]

 4ヶ月の頃からとてもお気に入りの絵本でした。赤ちゃんの身近なものが次々と汽車にのせてもらいます。

 ことばは,「がたんごとん がたんごとん」と「のせてください」の繰り返しなのですが, 赤ちゃんの頃は,「ミルクさんが 『のせてください』 だって・・・」,「ミルクさん,どこにのったかなあ」, 「汽車にのせてもらって,にこにこしてるね」などと絵の話をしながら,それぞれのページを見て満足して, 自分で次のページに進もうとするまで,ゆっくり読み聞かせしていました。

 また,「がたんごとん−,がたんごとん−」 という言葉の調子が心地よかったのかなと思います。

 [安西水丸:文・絵  定価650円  福音館書店]
 


[じゃあじゃあ びりびり]

     松井紀子:文・絵  偕成社


[ばいばい]

 このシリーズの絵本は,赤ちゃんにちょうどよい小さな絵本で絵も単純ではっきりしていて, 8ヶ月の頃から読み聞かせていました。 1歳1ヶ月の頃には,「こんにちは」 で首をこくんとして, 「ばいばい」 で手を振ってばいばいのしぐさをするようになり,絵本を見ながらニコニコ遊んでいました。
 毎日の生活の中で 「こんにちは」 も 「ばいばい」 も経験しているからでしょうね。

[じゃあじゃあ びりびり]

 [じゃあじゃあ びりびり] に出てくる場面にしても,毎日の生活の中で手を洗う時には 「水,じゃあじゃあ〜」 と言いながら洗っているし,そうじをするときは 「そうじ機,ブィーン ブィーンしようか」 とそうじ機を出してくるし,外で犬に会うと 「ワンワンだね」 と言っているので (ごくあたりまえのことで何気なくですけどね) そのような経験と絵本が結びついて, 絵本を楽しめるようになっていくのかなと思います。

 いかにも 「おもしろいね」 と言いたげに,私が1ページ読むたびに私の顔を見上げて にこにこしていました。

 『よしつぐ』 は1歳2ヶ月の頃,ひとりで[じゃあじゃあ びりびり]を 開いて 「もにゃもにゃ」 「むにゃむにゃ」わからない言葉を言っていました。 自分で読んでいるつもりかな。


[えんやら りんごの木]

“あかちゃんのわらべ唄” というタイトル通り,言葉を聞いていて気持ちいいのかな。  0歳の頃からよく聞いていました。

 私は最後のページの木の芽に水をあげている絵がすきなのですが,  2歳か3歳の頃かしら・・・。  「どうして水あげてるの?」 と 『かずのぶ』 に聞かれて, 「はやく大きなりんごの木になってほしいのかな」 と答えながら,ようやく気がついたんだなぁ・・・ と,うれしく感じました。

 [松谷みよ子:文/遠藤てるよ:絵  定価700円  偕成社]
 


[いただきまあす]

 『とうちゃん』 のお気に入り。自由にのびのびおいしそうに食べるところがいいのかな?

 『かずのぶ』 はフォークでほっぺをさして「あいた」と言ったり,顔も手もぐちゃぐちゃにしている「くまくん」を見て, 大笑いしながらみていました。
食事のとき,まねっこして「あいた」としてみせたり,「くまくんはテーブルの上に乗っていたよ」 などと言っては嬉しそうでした。

 読み聞かせは,1歳前頃からでしたが,こうした反応は2歳頃のものです。

  『よしつぐ』 は食べることに一番興味があったのか(?), この絵本が大好き。やはりくまくんのすることが面白いようで,1ページ毎に指をさして, 「くまくん,自分のイスを持ってきたねえ」 「あ〜あ,こぼれちゃったねえ」 「ほっぺたいたただねえ」 などと言ってもらうと納得して満足そうでした。 この絵本のせいではないと思うけど,いまだに手づかみで食べることが多いのです。(2歳2ヶ月)

 この「くまくんシリーズ」は,どれも子供らしい「くまくん」が描かれていて,子供の気持ちそのものだなと感じます。 そんなところが共感できるので,どの本もすんなり受け入れ喜んで,何度も何度も繰り返し「読んで」 と言ったのだと思っています。

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[こんにちは]

 『かずのぶ』 が1歳1ヶ月の頃,よちよち歩いて公園へ行く道でたんぽぽの花や,石ころなど色々なものに「こんにちは」 とおじぎをしていました。
 「あー,絵本をまねしているんだ」と,とっても嬉しくなったことを覚えています。また絵本を見ながら, 絵に「こんにちは」とおじぎをしていました。

 『よしつぐ』 は表紙のありや,次のページのちょうちょ,すずめなどは 身近でよく見かけている生き物なので,「あり」 「ちょうちょ」 など指さしてよく見ているのですが, 馬・カバなど大きな動物になるとページをさっさとめくってしまいます。 まだ大きな動物はあまり接したことがなくて,わからないのかな。(1歳11ヶ月)

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[どうすればいいのかな]

 『かずのぶ』 は,くまくんがしゃつをはいたり,ぱんつをきたり,ぼうしをはいたり,くつをかぶったり, まちがえるたびにゲラゲラ笑っておもしろがっていました。



 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[いってきまあす!]

 『かずのぶ』 のいちばん好きなページは 「みずたまりをじゃぶじゃぶ」 とみずたまりを元気よく歩いているページです。 自分もやりたいと思って見ていたのかな。  次は 「ああ,よかった!」 とおとうさんにだっこして助けてもらうページ。これもくまくんの気持ちになって, 「ああ,よかった」 とホッとしていたのでしょう。

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[どろんこ どろんこ]

 『かずのぶ』 は「どろんこ どろんこ!」と,くまくんがうれしそうに,どろどろになっている絵が大好きでした。


 『よしつぐ』 は特にこの絵本は気に入ってよく持ってきました。 自分がどろんこ遊びが大好きだったからかな。くまくんといっしょに自分もどろんこ遊びをしている気分になっていたのかもしれません。 バケツに水をいれてくるところや,どろだんごを1つ1つ指さして喜んでいました。

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[おふろだ おふろだ]

 くまくんも,くまのおかあさんもおとうさんも,みんなにこにこおだやかな表情で, ほんわかした雰囲気が伝わってきます。
 『かずのぶ』 は,くまくんがおふろに入るのと同じ順番で,「あったまったら,せなかごしごし」 などと言葉もよく言いながら入っていました。

 そして最後はお父さんに絵本を読んでもらっているページなので,「とーちゃん,えほん」 と読んでもらって楽しそうでした。

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[おとうさん あそぼう]

 おとうさんといろいろなことをして遊びます。 『とうちゃん』 とも同じことをしてもらって, よく遊んでいました。
 『とうちゃん』 が,この 『くまくんシリーズ』 が好きなのは,くまくんの型にはまらない のびのびしたところだけでなく,おとうさんがたくさん登場して, くまくんといっぱいかかわっているから嬉しかったのかしら...と私はひそかに思っています。

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[よういどん]

 「よういどん」 をしてよく遊んだので,『かずのぶ』 にとっても身近な言葉で,とくに1歳半頃から3歳頃まで喜んで見ていました。
 とくに 『どすん! あれあれ』 『どすん! あいた』 と,失敗するページがおもしろいようで, げらげら笑ったり,「どすん あいた」 と言ったりしていました。
 『ぼく,いっとうしょう』 と嬉しそうにゴールする最後のページは, 共に嬉しそうな表情で満足して終わっていました。

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[ぼくうんてんできるんだ]

 スケートボードやローラースケートで 「すってんころり!」 ところぶ所で笑っていました。
 『バスもうんてんできるんだ』『ひこうきだってそうじゅうできるんだ』というページでは, 本物のバスやひこうきではなく,押し車のバスや小さなおもちゃのひこうきで,大人が見ると 「なあんだ おもしろい」と思ってしまいますが,『かずのぶ』 は 「そうか...うんてんしてるんだ」とすんなり受けとめていて,子ども達はもって歩くだけでも うんてんしてる,そうじゅうしている気持ちになっているんだなあと,改めて考えさせられてしまいました。

 [渡辺茂男:文/大友康夫:絵  定価700円  福音館書店]
 


[ぴよぴよぴよ]

 4ヶ月の頃から2歳頃まで,よく読み聞かせをしました。赤ちゃんの頃は喜んでじーっと絵を 見つめていましたが,絵の中にあるストーリーは,どのくらい判っていたのかな?それよりも 「ぴよぴよぴよ」という言葉の響きを楽しんでいたのではないかと思います。

 同じように見えるけれども,それぞれのひよこが表現している様子や,ずっと登場している猫の 気持ちなど,大きくなってからも充分楽しめる絵本だと思います。

 [平野 剛:文・絵  定価650円  福音館書店]
 


[もう ねんね]

 4ヶ月頃から読み聞かせをしていましたが,とても喜んでいたのは1歳の頃。寝かしつけるときも, 自然に 「毛布もねんね。カズもねんねー」 と唱えていて,私の口癖になっていたような気もします。

 同じシリーズの「いないいないばあ」は初めて読み聞かせをした絵本で(3ヶ月), 初めはただ読んでいる私ばかりを見ていたのが,だんだん喜ぶようになり,声をたてて笑ったり, 「ばあ」 と遊んだりしました。

 [松谷みよ子:文/瀬川康男:絵  定価670円  童心社]
 


[いい おかお]

 4ヶ月頃から。ふうちゃん,ねこ,いぬ,ぞうとみんながいいおかおをして次々並ぶたびに, 笑っていました

 1歳過ぎると,「かずのいいおかおは?」 と言うと,同じように目をつむってすましていて 私が笑ってしまうのです。

 『よしつぐ』 はビスケットが気に入って,「ん,ん」と指さしていました。 いっしょに食べたかったのかな? (1歳5ヶ月)

 [松谷みよ子:文/瀬川康男:絵  定価670円  童心社]
 


[いないいないばあ]

 『かずのぶ』 に初めて絵本の読み聞かせをしたのが3ヶ月の時で,この本でした。 初めは,ただ読んでいる私ばかりを見ていたのが,だんだん喜ぶようになり, 「ばあ」 のページで声をたてて笑ったり,普段も 「いないいないばあ」 でよく遊んだりしました。

 1歳2ヶ月頃,「ないないばー」 と言っていました。絵本で覚えたのかな?

 『よしつぐ』 は,初めきつねさんの顔がこわかったようで, 「ばあ」のページで泣きそうになって絵本を閉じていました。でもすぐ馴染んで,1歳8ヶ月の頃には ひとりでページをめくって,「ばあ」 と言って遊んでいました。

 [松谷みよ子:文/瀬川康男:絵  定価670円  童心社]
 


[おふろでちゃぷちゃぷ]

 1歳2ヶ月の頃とても喜んで,読み終わると 「もう1回」 というふうに,絵本を出して要求していました。 『はやくはやく』 と洋服を次々脱いでいくところでは,気持ちがはやるのか足をバタバタさせている時がありました。

 2歳の頃には,最後のページの 『あたまあらってきゅーぴーさん』 を 「やってやって」 と言って, いつもきゅーぴーさんの姿を鏡にうつして喜んでいました。

 [松谷みよ子:文/いわさきちひろ:絵  定価670円  童心社]
 


[いぬがいっぱい] [ねこがいっぱい]

 どちらも4ヶ月の頃から。向かいの家で犬を飼っていてじっと犬を見つめていたので, 読み聞かせをしてみました。犬も猫も近所でよく見かけたので身近だったのでしょう。

 1歳の頃は,パッとページをめくると,違う犬や猫が出てくるので,目を大きく見開いて 驚いたような嬉しいような表情で見ていました。
 最後のページの犬や猫が,どのページにあるのかめくってみて,確かめている姿がよく見られました。

 [スカール:作/やぶきみちこ:訳  定価650円  福音館書店]
 


[1歳頃〜]

[もこ もこもこ]

 この絵本も,1歳8ヶ月頃から喜んでいました。ことばの響きと絵の動きが面白いようで, よく笑っていました。単純な絵とことばだから,すんなり子どもには受け入れられるのでしょう。

 『よしつぐ』 は,1歳4ヶ月の頃から喜んで見るようになりました。
 「もぐもぐ」 のページではよく笑っていました。『よしつぐ』 には 食べるイメージが一番身近でよくわかったのかな。

 1歳9ヶ月の頃には,「もこ」 「にょき」 「ぎらぎら」 など, 私と一緒にことばを言って楽しむようになりました。

 [谷川俊太郎:文/元永定正:絵  定価1280円  文研出版]
 


[もけらもけら]

 1歳8ヶ月の頃からのお気に入り。
 この頃,『かずのぶ』 は簡単な言葉を話し始めた頃で,指を指して 「ここ,ここ」,「それ,それ」などと言ったり,「むつ,むつ(おむつのこと)」,「ちょーちん,ちょーちん」 など,ものの名前を2回続けて言うことが多かったので,「もけらもけら」の中の言葉も言いやすく, すんなり受け入れられたのかもしれません。自分でも話せる言葉なので,よく覚えて何度も唱えていたり, 指を指して言ったりしていました。

 言葉の響きと絵の感じ全てを,それなりに受け止めているんだなあと感じました。
 大人が見ると,一体なんだろう? とびっくりしちゃう絵本ですけどね。

 [山下洋輔:文/元永定正:絵/中川悦子:構成  定価1100円  福音館書店]
 


[まる まる]

 まるの形が2つ切り抜かれていて,いろいろな形や表情が出てきます。 単純な線と そのものずばりの言葉。 わかりやすく面白い。 子どもって面白いものにはすぐ反応するんだなぁ〜と思いました。

   1歳4ヶ月の頃,声をたてて笑って何度も読んだり,丸い穴に指をつっこんだり, 線をなぞって遊んだりしていました。 近所の友達に見せてもすぐ , 「もう1回読んで〜!」 と反応が返ってきて,「やっぱり・・・」 という感じ。

 はじめ月刊誌で手に入れましたが (ここに載せている表紙はその月刊本です), その後ハード版で出版されました。 人気があったのでしょうね。

 [中辻悦子:作  定価670円  福音館書店]
 


[しろくまちゃんのホットケーキ]

 食べることが大好きな 『よしつぐ』 は,1歳になった頃から この絵本がお気に入り。  あわたてきでかきまぜるページでは,私が「カチャカチャ」と手でかきまぜるまねをしてみせると, 一緒に手をぐるぐる動かしていました。ふだんから台所でなべやフライパンやおたまを出しては, カチャカチャ音を鳴らして遊んでいるからかな。

 一番好きなのは,ホットケーキがやけるページ。 「プツプツ」 「ホカホカ」 などの音や絵が気に入っている様子で,じっーと見て笑ったり,指さしたり。

 そして食べるページまでは喜んで見ているのに,最後の食器を洗うページは パタンと閉じてしまいます。 片づけにはまだ興味がないのかな。

 最近(1歳8ヶ月)は,ようやく最後まで見てくれるようになりました。 そのうち,お皿洗いが面白いと思うようになるかな。

 [わかやま けん:文・絵  定価800円  こぐま社]
 


[くだもの]

 1歳6ヶ月頃から 『よしつぐ』 のとてもお気に入りの絵本。

 はじめ私が 「はいどうぞ」 と読んだ後, 「もぐもぐ」 「ぱくぱく」 と食べるまねをしたり, 『よしつぐ』 に 「はいどうぞ」 とあげるまねをしたりすると 喜んで口をあけたり,もぐもぐしたり,というやりとりを楽しんでいました。

 そのうち自分で絵をつかむようにして口へ入れ,食べるまねをして遊ぶようになりました。

 [平山和子:文・絵  定価700円  福音館書店]
 


[さようならこんにちは]

 この絵本も1歳6ヶ月頃から大好きで,よく 『よしつぐ』 が自分で持ってきて 「読んで」 と (言葉では言わないけれど) せがむようになりました。

 毎日の公園遊びで,ブランコに乗っていて 「ゆーらりゆらり」 という言葉と,いったり来たりする (近づいたり離れたりする) 絵と,ブランコに自分が乗ったときの揺れる気分とが一致したからかなと思っています。

 ちょうちょの存在が気になるようで,いつも指でさして 「ちょうちょ,ちょうちょ」 といいます。 友だちみたいに思っているのかな。

 [いまき みち:文・絵  定価550円  福音館書店]
 


[2歳頃〜]

[おでかけのまえに]

 とっても楽しみにしているピクニックに行く前に,次々と大変なことが起こります。
 『かずのぶ』 自身にも経験のあること(ころんでどろんこになってしまうこと)や, やってみたいこと(お弁当を作ったり,お化粧をしたりすること)が出てくるせいか, 一枚一枚のページをじっくり楽しんでいました。

最後の「わーい,ピクニック」というセリフを,よく実際ピクニックに行くとき叫んでいました。

 [筒井頼子:文/林 明子:絵  定価700円  福音館書店]
 


[きょうのおべんとうなんだろな]

 小さなコガネムシから大きなゾウまで,いろいろな動物達がそれぞれのお弁当を「何だろな」と考えてひらきます。

 『かずのぶ』 はそれぞれの動物の好きな食べ物に興味を持ったようで, 「ねこさんはあじのひらきが好きだって」,「うさぎさんはにんじんが好きだよねー」, 「りすさんはくるみをたべるよ」などと言っては,繰り返し絵本を見ていました。

 同じシリーズの「どこでおひるねしようかな」,「みんなみーつけた」も同じ動物達が出てきて, 楽しいお話を展開します。

 [岸田衿子:文/山脇百合子:絵  定価700円  福音館書店]


[みんなみーつけた]

 かわいい動物達のかくれんぼ。次のページに出てくる動物の手がかりが 絵の中に示されていて,それを指さして 「わかっているよ」 と言いたげな得意そうな表情の 『かずのぶ』 でした。きっと一緒にかくれんぼをしていたんだね。


 2歳〜3歳のころ,何度も読んでとせがまれました。また,ひとりでもページをめくってながめていました。

 


[ころころころ]

 2歳の頃から。小さな子どもは小さなものをよく見つけて,ひろったりさわったりしますよね。 石ころでも,おかしのゴミでも何でも宝ものにしてしまうけれど,ビービーダンも大好きなものの 一つでした。

 絵本のいろだまは,そんなビービーダンに似ています。だからこんなに好きなのかなあ・・・? 小さな丸い玉って,小さい子の興味をひくものなのではないでしょうか。ということはさておいて, 絵本ではいろだまが,ころころころがっていきますが,そこには様々な障害が待っています。 「ころころころ」という言葉が楽しいようで喜んでいました。
 また,指でいろだまの絵をさわってみたり,「あかとあか」と言って色を探したりして, 遊びながら楽しんでいました。

 [元永定正:文・絵  定価700円  福音館書店]
 


[かちかちやま]

 2歳の頃読んだ時,「どうして,たぬきさんしずんじゃったの?」 と, 最後のページ (たぬきがブクブク沈んでいく絵) にこだわって何度もたずねていました。  「たぬきさん,おばあさんにうそをついて悪いことしたでしょ」 などと説明しても, また何度も読んではたずねていました。

 5歳になると,一人で最後のページを開いてじっと見て,「おばあさん食べるなんて悪いよね。 それで背中が燃えてどろのふねで沈んじゃうんだよね」 と納得している様子。 また「かずは水の中にもぐるのはいやだ!」 とも言ってました。

 物語の筋というものが理解できるようになって,判るのだなあと思いました。でも意味が充分判らない時でも, 「うさぎどん,うさぎどん,かやをかってなににするんだ」 「うさぎどん,うさぎどん, かちかちいうのはなんのおとかな」 「うさぎどん,うさぎどん,ぼうぼういうのはなんのおとかな」 などということばのやりとりや繰り返しの面白さ,絵の雰囲気を感じて楽しんでいるので, 何度も 「読んで!」 と言うのではないでしょうか。

 [小澤俊夫:再話/赤羽末吉:絵  定価1150円  福音館書店]
 


[あのねこ このねこ]

 私は,「けっこうむずかしい言葉が入っているし,わからないかな・・・」 なんて思うのですが,子どもはそんなことおかまいなしで,気に入った絵本は何度でも持ってきます。  この絵本はとにかく “言葉の調子良さ” と “絵の面白さ” が好きだったようです。

 1歳9ヶ月の頃,まだ片言なのに 「あのね あのね」 (『あのねこ このねこ』のこと), 「どーいう どーいう」 (『どういうわけか』のこと) とブツブツつぶやきながら楽しんでいました。

 そして,ねこのいろいろな表情や動作をじっと見ていました。

 [小長谷清実:文/桐谷エリザベス:絵  福音館書店]
 


[こいのぼり]

 空を元気に泳ぐこいのぼり。 『かずのぶ』 も大好きで 毎朝ベランダで一緒に,こいのぼりをあげたり,夕方にははずす手伝いをしたりしていました。

 そんな経験からか,2歳3ヶ月の頃(6月頃でしたが) この絵本がとても気に入りよく読みました。

 いろいろな角度からこいのぼりを写した写真と,短くスパッとからだに入ってくる言葉。  『かずのぶ』 は特に言葉によく反応し覚えて, 私と一緒に声に出して言ったり,ひとりでブツブツ言いながらページをめくっていました。

 こいのぼりの季節はすっかり過ぎていましたが,夏・秋とよく読みました。

 [長谷川摂子:文/英 伸三:写真  福音館書店]
 


[ぐりとぐら]

 かわいいのねずみの「ぐりとぐら」が大きな卵を見つけます。さてこの卵を使って何を作るのでしょう?

 2歳半頃から 『かずのぶ』 がいつも「やってみたい!」と思っている“お料理”。 小麦粉や砂糖・牛乳・卵を泡たて器を使って混ぜる,お鍋で焼く。 いつも砂場でまねしてやっていることを 『ぐりとぐら』 が 本当にやってみせてくれる。ワクワクする気持ちで見ていたのだと思います。 そして最後は一番楽しみな食べること! 森の動物達がいっぱいいい匂いにつられて集まってきます。きっと自分も一緒に食べたような思いで 見ていたのでしょうね。

 このシリーズの絵本はどれも大変喜びました。話の内容が 『かずのぶ』 にとって興味のあること, 『ぐりとぐら』 の考えることすることが共感できること,言葉がリズミカルで覚えやすく心地よいことなど, さまざまな理由があるように思います。

 『かずのぶ』 はよく,絵本の言葉を覚えてブツブツつぶやいていました。 「おりょうりすることたべること,ぐりぐら ぐりぐら」,アサリの殻を見て「さてこのカラで何を作ったでしょう?」

 [中川李枝子:文/山脇百合子:絵  定価700円  福音館書店]
 


[ぐりとぐらのえんそく]

 公園で,「はしれはしれぐりとぐら」「いばらくものすなんのその」 と歌いながら走っていました。



 [中川李枝子:文/山脇百合子:絵  定価750円  福音館書店]
 


[ぐりとぐらのかいすいよく]

 「いぬかき」「くらげおよぎ」「くじらおよぎ」「いるかジャンプ」と, お風呂の中でおおさわぎでバシャバシャまねをして遊んでいました。



 [中川李枝子:文/山脇百合子:絵  定価750円  福音館書店]
 


[ぐりとぐらとくるりくら]

かずのぶ 「ちからこぶって何?」
 「とうちゃんのちからこぶは大きいよ」
 「かあちゃんもちからこぶできるよ」 と力こぶを見せる。
かずのぶ 「かずのちからこぶはどれ?」
  「ここかな? もっともっと元気に遊んだら,ちからこぶが大きくなるよ」


 [中川李枝子:文/山脇百合子:絵  定価750円  福音館書店]
 


[ぐりとぐらのおきゃくさま]

 大きなあしあとを見つけたぐりとぐら。 「だれのかしらべてみよう!」 『かずのぶ』ぐりとぐらと一緒になって,どきどきしながら大きな長ぐつ, 大きなオーバーやぼうし,大きな手袋を見ていました。



 [中川李枝子:文/山脇百合子:絵  定価700円  福音館書店]
 


[3歳頃〜]

[おふろだいすき]

 3歳10ヶ月の頃,読み聞かせるととても気に入り,何度も何度も読まされました。  ちょうど,自分の好きな「ぬいぐるみ」や「おもちゃ」「自然物」などと空想の世界で, 遊ぶことを楽しめる時期になってきたからかしらと思います。

 水笛の鳥を「プッカさん」と呼んで,一緒に湯に暖まったり,身体をせっけんで洗ってあげたりして, お風呂の中で遊んでいました。

 [松岡享子:文/林 明子:絵  定価1150円  福音館書店]
 


[ばったくん]

 3歳頃から読み聞かせをしていますが,とくに4歳になってから喜んでいます。  ばったくんが,ぴょんぴょんとびながらいろいろなものの上をはねて冒険します。「かずのぶ」は 私が読むのに合わせて,ばったくんの動きのてんてんを指でなぞって遊びながら見ています。

 ばったくんの気持ちになって,一緒に冒険しているのでしょうね。

 [五味太郎:文・絵  定価700円  福音館書店]
 


[てんぱたんてんぱたん]

 昔話の中には,言い回しが難しかったり言葉になじみのないものが出てきますが, すんなり受けとめているようで,「まなこって何?」 「ぜんこって何?」 と聞いていましたが, すぐ生活の中で 「ぜんこがあった」 などと使っていました。
 また 「ねずみの歌」 は笑って聞いていておもしろいようでした。 (読む時は 「歌?どーしよう」 と一瞬思いますが・・・)

 最後の結末には,「えっ?!」 「どうして?!」 「ずうーっと?!」 としつこく聞いていましたが, 何度も繰り返し読むうちに,「そうなのかあ」 と納得できるようになっていきました。 (悪いおじいさんは土の中から出られなくなり,もぐらになってしまいます)

 [梶山俊夫:再話・絵  定価1000円  福音館書店]
 


[さんまいのおふだ]

 この話も言葉が面白いようで,「ひとえだきっちゃ ぶっかつね,ふたえだきっちゃ ぶっかつね」 とか, 「おばばが,こぞうのあたまをペランペランとなめたり,おしりをザランザランとなでたりして」 とか, 「まだまあだ,ピーピーのさかり」 という部分を笑ったりまねして言ったりしていました。

 そしておばばが,おにばさの顔になり追いかけてくるとドキドキしながら,こぞうの気持ちと一緒になって, 逃げてきたのだと思います。
 ようやく寺について,「はやはや」 とおしょうさまをせかすところでは,息を飲んでいる様子で, 最後豆をガリガリかじってしまうと,「ホッ! ああよかった」 という 『かずのぶ』 の気持ちが私にも伝わってくるのです。

 一人でもページっをめくって絵を眺めていました。

 [水沢謙一:再話/梶山俊夫:絵  定価750円  福音館書店]
 


[おやすみなさいフランシス] 「フランシスのいえで」

 なかなか寝付けないフランシスにやさしく何度も話して聞かせ,付き合ってあげるおとうさん。  『かずのぶ』 を寝かしつけながら自分が先に寝てしまう私は読みながらちょっと反省。

『かずのぶ』 はなかなか寝つけないというようなことはなかったけれど, 次に不思議に思ったり不安になったりするフランシスの気持ちに共感していたのかと思います。

 [おやすみなさいフランシス] は3歳の頃よく読み聞かせをしましたが, [フランシスのいえで] は4歳になり,幼稚園の絵本室で見つけて借りてきました。
 そして表紙をめくってびっくり! 「フランシスに赤ちゃんいるの?!」 ゆりかごに寝ている 赤ちゃんとフランシスの絵だったのです。 『かずのぶ』 はこの頃は 一人っ子だったので,どんな気持ちで見ていたのでしょうか。

 この頃友だちとも 「ぼくのうちは○人家族」 という会話がよくあったようで, 「どうしてぼくのうちは3人家族なの?」 「ぼくは一人っ子じゃないほうがよかった」 などとさかんに言っていましたから。

 絵本の中の歌の部分が気に入ったようで,「かあちゃん歌って!」 と言われました。 そして自分でもよく口ずさんでいました。

おやすみなさいフランシス
 [ウィリアムズ:絵/ホーバン:文/松岡享子:訳  定価1000円  福音館書店]

フランシスのいえで
 [ホーバン:絵/ホーバン:文/松岡享子:訳  定価971円  好学社]
 


[4歳頃〜]

[かにむかし]

 まず絵にびっくり。 おかあさんがにから小さな子がにが 『ずぐずぐ ずぐずぐ』 出てくる絵は, 私もすごい! と思いましたが, 『かずのぶ』 も驚いた顔で,じっとながめていました。

 そしてその子がにたちが,さるを退治に出かけようとする時のページで,「このかにたち, みんなきびだんごもってるの?! ひとりひとりみーんな?!」 と言ってました。たしかに みんな1つずつ持っているのです。

 そしてことばのやりとりが面白く,「かにどん/かにどん/どこへ/いく」 「さるのばんばへ/あだうちに」 「こしに/つけとるのは/そら/なんだ」 「にっぽんいちの/きびだんご」 「いっちょ/くだはり/なかまに/なろう」 「なかまに/なるなら/やろうたい」 というところで, 笑ったり言い回しをまねしたりしていました。

 パンパンぐりが気にいって,くりを食べた時,その1つに目や口を描いて, 「ぱんぱんぐりだよ!」 と遊びに使っていました。

 [木下順二:文/清水 崑:絵  定価1600円  岩波書店]
 


[さっちゃんのまほうのて]

 『かずのぶ』 のまわりには,今までこのような障害のある子がいなかったせいか, とてもびっくりしたようで読んでいる途中から質問ばかり。「どうして指がないの?」 「かずはあるよ」  「どうしておなかの中でけがをするの?」 そのたびに私は同じ答えを言い,『かずのぶ』 も聞いているのだけれど,しばらくするとまた同じことを質問するという繰り返しでした。

 はじめは手のことばかりが気になったようでしたが,そのあとはひとりで何回も絵本を開いて読んでいて, さっちゃんの友だちとのやりとり,おかあさんとのやりとり,おとうさんとのやりとりに気持ちが移っていったようです。

 私もあえて 『かずのぶ』 にたずねたりはしませんでしたが, 心の中にしみこんだ絵本だったと思います。

 [田畑精一,野辺明子,志沢小夜子,先天性四肢障害児父母の会
                             定価1165円  偕成社]
 


[いもうとのにゅういん]

 4歳の頃の 『かずのぶ』 はまだ一人っ子でした。 家族が入院するという経験もなく,この絵本の話はとても新鮮でびっくりしたようです。

 とくに気になったのはぬいぐるみのほっぺこちゃんでした。 はじめは 「どうしてほっぺこちゃんあげたの?」 と,おねえちゃんのあさえちゃんが貸してあげる 場面を気にしていましたが,何回か読むうち,あさえちゃんが入院したあやちゃん(妹)に, ほっぺこちゃんをプレゼントする場面に引きつけられたようです。

かずのぶ : 「ほっぺこちゃん,どうしてあげたの?」
かあちゃん : 「どうしてだと思う?」
かずのぶ : 「入院してかわいそうだから」

と,言葉ではわかっているかのようだけど,あさえちゃんの本当の気持ちはわからなかったから 何回も繰り返してたずねていたのかな。

 その頃の『かずのぶ』 には自分の大切なものを人に貸してあげるなんてことは, ましてプレゼントするなんて,とてもできないことだったのです。

 この絵本は今でも思い出したように持ってきては,読んでと言ったり,自分でも読んだりしています。(7歳)

 [筒井頼子:文/林 明子:絵  定価750円  福音館書店]
 


[おたまじゃくしの101ちゃん]

 おかあさんがえると,101ぴきのおたまじゃくしのお話です。

 101ぴきのおたまじゃくしが,けんかをしたり,まごまごしたり,それぞれ勝手なことを おしゃべりしているページが面白いようで,「〜やて」 「〜やて」 と何度も繰り返して笑っていました。

 中表紙の絵をじっと見て,「たまごがいっぱいだよ。おかあさんが産んだんだね。 あっ,ここにもかえるさん,おとうさんかなあ。何してるのかなあ。会社に行くのかなあ。」  また 「かえるのおかあさん,101個も卵を産んだんだね。」 と卵に興味を持ったようでした。

 ざりがにとたがめの闘いでは会話が面白かったようで,何度も聞いたり言ってみたりして笑っていました。

 この頃は近所の川や幼稚園で,おたまじゃくしを見る機会が多かったので, 身近な小動物として親近感をもって受けとめたのかもしれません。

 [加古里子:文・絵  定価780円  偕成社]
 


[ポンタのじどうはんばいき]

 たぬきのポンタが自動販売機の中に入り,森の動物達の願いごとをかなえてあげるお話です。

 『かずのぶ』 は自分で何回かページをめくって読んでいて, それから「読んで!」 と持ってきました。(自分でも読むようになってきましたが,やはり読んでもらいたいのでしょうね。)

 興味を引くことがいっぱいあったようで質問ぜめ。

 「どうして“にんまり”したの?」
 「どうしてこわれたの?」
 「だれが“こわれました”ってはり紙したの?」

そして次の日,朝起きたとたん 「自動販売機つくる!」 と段ボール箱を持ってきて自分で作りました。 中へ入って 「だれかこないかなあ」

 結局そのあと,近所の女の子が遊びに来たので, 『かずのぶ』 は絵本を読んであげて, ふたりでごっこあそびをしていました。

 この頃から 『かずのぶ』 は,お話の中のことを実際にやってみたり, 試してみたり遊んだりということがふえていったように思います。

 [加藤ますみ:文/水野二郎:絵  定価800円  ひさかたチャイルド]
 




絵本紹介ののトップページへ    ホームページへ