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         デフレ・インフレの一般理論
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2009年2月18日 チェンジだG7、金利を上げろ。G7の取るべき道

G7の取るべき道:チェンジG7、金利を上げよ:

恭しく物々しく総花的なこの程度の対策しか立てられないのなら、G7会合などしない方がよいだろう。

彼らの本丸である金利政策は、変える気がないらしい。低金利を変える気はないらしい。自分たちが間違っていると思っていないようだ。これが悲劇的な結末をもたらすだろう。

彼らにすれば、私達は低金利にしてさらなる金融緩和を取ってるんだよ。他の皆さんも私達を見習いなさい。とまるで英雄気取りのようである。

しかしデフレでは高金利こそが重要なのである。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/低金利はデフレに役だったか。)

各国中央銀行は、先ず、欧米での大きな金融資産の暴落が既にデフレに入った事を認識しなければならない。今はその収縮過程にあるのだ。

大きな資産価格の大暴落は、借金を増やし、生産量に比べて著しく資金量を減らすことになる。その結果所得線の角度が下降する。その角度の下降こそがデフレスパイラルであり循環的に価格が低下し、資金が継続的に減少する。角度の下降は、無くなった資産価格の底まで続くことになる。

(http:blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/日本の経済的位置関係参照のこと)

欧米は今この角度の下降が既に始まり、その最中にある。今はその始まりに過ぎない。それ故資産崩壊の影響を受けていない層がまだ多く存在し、そのデフレの影響は、すべての国民に及ぼしていない。しかしこのデフレ不況が続くにつれ多くの人がその影響を受けるようになり、角度の下降の終着が見える頃には、すべての人がその影響を受けることになる。

このようなデフレでは、生産量を増強する政策を取ってはならないのだ。それは返って資金を市場から減少
させることになり、デフレを促進させることになるからである。あくまでも雇用維持対策でいいのだ。

それ故に生産者を優遇するような低金利や金融緩和策は取ってはならないのである。日本がこのG7に行きながら、こんな決定をさせることは嘆かわしいことだ。

財政出動は消費者側に直接資金が入るようにしなければならない。

「デフレにおける金利政策の基本」とは。

それは金利を闇雲に下げるのではなく、預金金利をある程度維持し預金者の消費の減少を食い止めることが肝要である。そして、当面の資金繰りに悩む生産者側に補助金として低金利で融資することが重要である。これがデフレにおける金利政策の基本である。

なぜなら低金利で企業に貸し付けても、漸次売上が下がれば企業は返済できず倒産するからである。デフレ経済は年々売上が減少するから、低金利での貸し出しは多くの被害者を生むことになる。

これは審査が甘かったというより政策の破綻が生んだ悲劇である。低金利で融資してもらっても、低金利は消費を増やさないから不景気から抜け出せないのである。このことを金融政策者は重要視すべきである。

各国の財政出動の基本は、消費者に直接資金が注入されるような政策を取ることである。

その一つは上に述べたような高金利政策を維持し、貸し出し金利に補助金を出して低金利にすることである。
もう一つは消費者の負担を減じる政策である。
消費税を下げるようなものや、年金を上乗せするような補助金、生活保護以下の所得の所帯に補助金を与えるようなもの、である。

さらにガソリン税の減額、有料道路の無料化など、これらの目的は、消費者へ資金を注入し、消費を減少させない事にあり、生産者や、(トラック業者や荷主の利便性を計る物ではない)生産量を増やす事を優遇することではない。

もし私がケインズなら、財政出動で赤字にしても消費税を下げよというだろう。高金利にせよというだろう。
無節操に雇用創出の公共投資を行うぐらいなら、デフレでは、同じ無節操なら、消費税を下げたり、マイナスの消費税を掛ける方が効果が出るのである。


生産量増やしても所得が増えない理由

所得線の角度が45度線より下がり貯蓄以下になった所得線を持つ経済状態では、生産量の増大は、その増大分に見合った所得の増大をもたらさない。返って所得が減少することになる。
(好例として、日本の内閣府発表のデーター戦後最長の経済成長を参照せよ。2千2年2月より2千7年10月までの不毛成長。)

http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/経済学が大変参照のこと)

その結果、常に名目GDPの成長率が実質GDPの成長率の下位にくることになる。その結果生産曲線は右下がりなる。

このような状況では、資金を消費者側に直接回した方が所得が増えるからである。少ない資金の増加がそれ以上の生産量の増加をもたらすから、所得が増えていく。

欧米各国は、既にデフレに入り、正常な経済ではない。それ故このような時に中央銀行の独立性を認めることは弊害でしかあり得ない。
中央銀行、政府ともに共同で歩調を合わせて難局に対処すべき時なのである。デフレに置いて中央銀行の独立性は無意味である。

中央銀行G7は、預金金利の引き上げの音頭を取らなければならない。それがこの恐慌から逃れる道である。
各国中央銀行は、先ずその政策の本丸である金利を引き上げよ。
各国共同で金利引き上げを唱えよ。1国では為替の変動で無意味に終わるからだ。

一言主。(G7がこのような政策を実行するには途方もない年月がかかるかと思うと暗澹たる気分になります。)
デフレ・インフレの一般理論(http://eonet.ne.jp/~hitokotonusi/)