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         デフレ・インフレの一般理論
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2008年9月4日 福田首相退陣は当然の大失敗

福田首相退陣は当然の大チョンボ(大失敗)

5月にガソリン税を復活させたことがこの体たらくを招いたのである。
もし下げたままであれば、ガソリン高騰に対する対策が打たれたことから、人心が安定し、漁船の一斉休業や、トラックのデモなどなかったであろう。しかもガソリンが安くなるにつれ資金が消費者側に流れ、デフレ解消の道筋が見えてきたであろう。これは日本の大幸運であった。

http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou千載一遇の機会を逃した日本、あくまでガソリン税廃止を優先すべきである。、日本の栄光か破滅か、ガソリンの暫定税率の廃止と再値上げ阻止などを参照してください。)

しかしこれを自ら葬ったため、日本やさらに世界もデフレから逃れる道しるべを失ってしまったのである。
少なくとも今般発表された無意味な経済政策はする必要がなかったであろう。

残念ながらこの経済政策は時間と労力の無駄であり、お金の無駄使いになろう。
なんら景気浮揚の効果を見せず借金だけが増える最低の経済対策である。今までの経済政策と変わり映えせず、目玉の高速代金の低減も、トラックやタクシー会社などの運輸関係への効果を狙っており、肝心な消費者への資金還元は頭に入っていないようである。これでは本末転倒である。

小泉政権以前であればこのような政策も少しは効果が見られたであろう。
しかし
小泉政権時代の激しいデフレ政策が、経済の余裕を全く失わせたので、今回の経済政策はなんら効果を上げる事なく没するであろう。それは経済政策の重点が相も変わらず生産者にあるからだ。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/小泉政権の経済政策の失敗の総括参照)

デフレは消費を重視して消費不足を解消させる政策を取ることによって解消される。これ程デフレが深刻化している時に、なお焦点がボケた政策を取る用ではお話にならない。

日本の経済学者は、バブル崩壊後このような政策を何度もしてきたことを知っており、そしてそれがことごとく失敗したのも知っている。それ故今回彼らは何も提言しないし、できない。今までの経済学を踏襲すればそれが当然の良識である。

それをいいことに自民党は、夢をもう一度とバブル以前の夢を忘れられず、同じことを繰り返そうとしている。
デフレにおいて生産者をを優遇しても無駄である。市場で物が売れないからだ。自民党は生産者団体の利益誘導や、口利きにのみ関心があり、他の政策は取れないようだ。

最もあきれかえるのは、高速代金の低減の中身である。私が提唱してきた高速代金の低減は消費者を優遇し消費者の消費が増えるようにするものである。しかしそれは同床異夢であった。同じ高速代金の低減でも方や、運送業者団体、こなた消費者とやり方がこんなにも違うものになろうとは。

消費者優遇ならば、首都高速、阪神高速などの、最も通勤の足として使う場所を狙って代金を低減し一気に消費者に恒常的に資金を注入するのがよいのである。

高速代金の低減は普通に考えても限定的なところがあり、ガソリン税の低減と比べると幅が狭く効果の薄いものである。これでは、何の効果も上げないであろう。かえって借金が増えるかもしれない。

同じ高速代金の低減といっても、自民党と、私の考え方はこんなにも違うものなのか。唖然としてしまった。
これから分かるように自民党には、消費者へ還元するような政策は存在しないのだ。

小麦の価格を圧縮しても消費者に何の得もないだろう。それは製造業者へ媚をうっているに過ぎず、消費者の所得が増え消費が増えることはない。

このような補助金政策がデフレ下において役に立たないのは、
デフレは低価格競争が激しいため、運送業者のガソリンや高速代金を下げると、荷主が逆に君達はガソリンや高速代金が安くなったからもう少し安くできるだろうと値下げを要求されるのである。また運送業者側から運送費を下げる申し出をして仕事をもらおうとする。このようなことが起こるため価格が上昇しないのである。
逆に消費が増え、荷物が増えればトラックが足りなくなると運送費が増えるのである。先に消費ありきである。

デフレの解消の要点は付加価値に正常な価格を付けさせ、拡大再生産に必要な資金を確保することにあるからである。

運送業者が欲しいのは、売上の増加なのであり、ガソリンの補填ではない。
これでは政府が借金をして運送費(運賃価格)が下がることを促進していることになる。このようなことが生産者への補助金政策全般で起こってしまうのである。補助金政策が無駄であった理由である。

これでは、デフレは一向に解決しない。
こういう経済に逆行したことをしているのがデフレの生産者優遇策なのである。これは低金利で生産者を優遇するのも同じ結果をもたらす。
定額減税について:
定額減税は今までやって失敗したものであり、借金をして国民に還元してもその分がすべて消費に回らなければ、経済は拡張しない。低所得者に対する限定的な今だけの優遇になるが後で大きな増税が待ち構えることになる。とても推奨できない。
しかも税金を払えない、あるいは払っていない限界消費者とも言える生活保護以下の水準の人達にとっては減税の恩恵はない。

自民党の政権の中枢や政府担当者に、デフレ解消に対する政策がなく、デフレ事態がいまだにどんなものでどのようにすれば解消するか分かっていないことは明らかである。
さらに自民党には消費者への資金還元するという発想がないことである。この後自民党の誰が政権についても同じ繰り返しであろう。

民主党も小沢代表は自民党出身であるため同じような政策を取る可能性が高い。
日本の政権が消費者優遇策を取るにはまだ紆余曲折があるだろう。

幸いにも福田首相が辞任したのでさっさとこの経済対策をご破算にして新たな政策をするべきだ。

デフレ解消の理想的な政策は消費税の減額であるが、今は一番それに近い共通の理解が得やすい4月1日にやった道路特定財源の暫定税率廃止するのが最もよいであろう。
道路特定財源の一般財源化などというより、道路特定財源を廃止しその分ガソリン税を廃止すべきである。

http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/画期的なガソリン税の低減、理想のデフレ対策参照のこと)
このガソリン税を値上げしたことが、福田氏の単なるチョンボであり、退陣の主要な原因である。もしガソリン税の値上げがなかったら、今頃人心も安定し違った反応を見せたことであろう。

降って湧いたガソリンの暫定税率廃止という幸運を、
この稀代の幸運児が、自らの暗愚により取り逃がしたのである。それにより日本民族の苦難はさらに続いているのである。

道路特定財源の一般財源化などせず、廃止して、ガソリン税を安くすれば、デフレ解消の道筋が見えてくるであろう。
そうすれば、
むだな補正予算など組む必要がない。そしてガソリンが安くなるにつれ、資金がどんどん消費者に注入されることになる。それはが消費復活の起爆剤になって行くであろう。

道路財源を削ることになるが、赤字の道路をたくさん作って、その借金まで返す余裕は日本にはない。

この経済対策を実行するより、ガソリン税の軽減であり、道路特定財源の暫定税率の廃止だ。一般財源化などする必要がない。そんな場合ではない。
財源を考える必要がない。借金も赤字も増えない理想の経済対策である。これをやるのが正解なのである。
これが日本の正しい政策であり、デフレ解消のへの近道なのです。

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/デフレ・インフレの一般理論第3章デフレのメカニズム参照のこと