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         デフレ・インフレの一般理論
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2008年7月31日 間違った方向を示す2千8年の経済白書 

間違った方向を指し示す2千8年の経済白書

朝日新聞の7月23日版の経済白書の要約からの分析です。
先ず第一に日本は輸出に頼る経済になっているから、外需の縮小により大きく影響を受けているということだ。
これは正しい指摘だがなぜ日本は実質GDPの0、5%近くも外需に頼る情けない経済になったのかの分析をしていない。
内需が長期にわたり沈滞し縮小しているため、国内に投資機会がなく、仕方なく海外へ目を向けていったことを書いていない。

日本は内需が十分でなく外貨を輸出に頼る脆弱な発展途上国と同じような経済構造になったと指摘すべきであろう。これが小泉内閣の構造改革の成れの果てなのである。単に経済失政であるに過ぎない。
企業は、内需不振政策に対して見事に外需頼みという見事な経済的適応を見せただけのことである。

白書は先ず、政府に対して内需を発展させる方向を示させるべきであろう。

さらに上場企業がリスクを大きく取る国の方が成長率が高いという統計を載せているが、これは当たり前のことである。ことさらこのような分析しているのは、ただ白書の字数を埋めるためにしたように感じる。

この成長率を実質GDPの成長率で測っているが、名目GDPの成長率で測れば、さらに大きな差が生まれるであろう。お金が膨らんでいる国はより多くリスクが取れるのである。まして日本のように資金が減少している国では、リスクを取れないのは当たり前であり、大企業といえども低リスクで防衛しているのがはっきり見て取れよう。現状の経済情勢に見事に適応していると言えよう。

低成長で低リスクは当然である。このような対比をするのであれば、同じ成長率ではどの国がより多くリスクを取るかを分析したならば社会的に有意義な分析となったであろう。

最近発表があった政府の実質GDPや名目GDPの下方修正振りを見るにつけ分かるように、日本は低成長ではなく、実際のところ縮小している。倒産廃業が多く起業できない状態が続いているのである。
このような、深く防空壕に潜り、様子を伺っているのが適当な時に、やれリスクを取れ、起業せよ、預金を株式に投資せよと言い、防空壕から出ることを促すことは、より犠牲者を増やすようなものである。

サブプライム問題で金融情勢が不透明な時に、預金を公社債や株式に代えるべきだろうか、原油高でより景気下降が伺える時に、大きく国内投資をするリスクを負うべきだろうか、廃業や倒産が増える時に、資金の脆弱な起業家の起業が成功するだろうか。

経済白書は無責任に企業や個人にリスクを取ることを要請するのではなく、リスク取れるように経済状態を変える必要がある事を指摘すべきなのである。

今回の経済白書は、リスクを取れない現状を把握し日本の危機的状況を報告すべきだったのである。

白書がこのような間違ったことを書くと影響が大きく、何も知らない政府役人、政治家、新聞記者、アナウンサーなどがそれを引用しますます傷口を広げてしまうことであり、また誤った政策を提案する危険性が高まるのである。
(その最たるものは、いざなぎを越える経済成長が続いているというものである。実際は経済が縮小していたことはもう誰もがお分かりであろう。現在の日本経済が瀬戸際まで追い込まれたのは、このような間違った経済認識が大いに災いしている。名実GDPの成長率が逆転しその差が大きく解離しているのは、デフレスパイラルに入っているのであり、企業は赤字で物をたくさん売っている事を意味し、資金が減少し続けているのである。それは経済が縮小している事を意味している。)

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/デフレ・インフレの一般理論第二十四章小泉政権の内政の失敗参照
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/小泉政権下の経済失政参照