もどる                           ブログ  

         デフレ・インフレの一般理論
日付順

2007年02月13日 徒労に終わる成長力底上げチームの設置

徒労に終わる成長力底上げチームの設置

政府のこのような計画はなるほど今までの景気対策や福祉対策としては当たり前すぎることであり、及第点以上だろう。そして誰もこれに正面切っ手反対も唱えないだろう。意見を言う人達も所詮このような施策を考え、どの方面に力を入れ、どこを削るかに過ぎないからだ。多かれ少なかれ同じ穴のムジナの発想に過ぎない。

しかし考えていただきたいことはこのようなことはデフレになってから既に何度もやってきているということだ。デフレ下ではほとんど効果がなく、成長力の底上げや格差の解消には結び付かないのだ。いまだにデフレでの経済を成長させるやり方を知らないからである。
今まで述べてきたようにデフレでは企業側に力をいれても無駄であり、消費の方に力を入れる政策が必要なのだ。金魚に栄養剤を打っても、水がなければ金魚は大きくならないからである。

例えばフリーターの能力開発支援、生活保護所帯の就労支援、中小企業の生産性向上支援など、今まで既に名前は違っているがやってきているのだ。
失業者に対してパソコンの研修、中小企業に対して構造改革対策費、開発なんとか費などの名目で嫌というほどやってきたのだ。その効果のほどは今の現状を見ればよくお分かりであろう。検証すればもっと分かるだろうが。このような決まりきった対策は、正常な経済における場合に有効なだけで、デフレには無意味で、借金が積み上げるだけであり新たな増税の言い訳を作り上げているに過ぎない。このようなまっとうなみんなが納得する政策が失敗するのは、そのよって立つ経済学が間違っているからだ。

ケインズ経済学のような企業を刺激し活発化して景気回復を促す方法はデフレでは通用しないのだ。それ故この計画も単なる政治家や、経済学者や、労動系の社会主義者を自己満足させるものに過ぎず、国民感情を癒す程度のものに過ぎない。格差の解消にも
成長によるデフレ解消にもなんら貢献せず無駄な投資になってしまうのである。どういう現象が起こるかというと、労働供給が活発になり、労働者が増えることになる。それが企業に向かう。企業の売上が増えていればよいが、デフレでは、増えない。それが壁になっている。そうすると企業はより能力がある人を安く雇おうとする。労働供給が活発になればなるほど労働者は買い叩かれるのである。これがデフレの雇用状態なのである。これを促進させるような政策を取ろうとしているのが、この成長底上げ、格差解消チームの政策なのである。名前とやってることが全く掛け離れているのである。
水槽経済で表すと、いけすの水が減り、金魚や、フナ,鯉が、あっぷあっぷしている時に、さらにその中に金魚を増やすようなものである。ますます息苦しくなるのである。今魚がほしいのは、水である。水を増やしてほしいのだ。ケインズ経済学はこの水を増やす政策を持っていない。企業、言い変えれば金魚に栄養剤を打つ政策のみなのである。デフレでの過当競争は、蟻地獄でもがくのと同じである。http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
せっかくの成長力底上げチームも、デフレの特徴知らねば、徒労と浪費になる。成長力底上げチームの名に値するデフレ解消政策を取るべきである。