先の戦争で日本は負けたのか?

2007年2月11日



皆さん、日本は先の大戦において、アメリカを始めとする連合国に

敗戦したと学校でも教わったと思いますし、実際そのように認識している

方達が殆どだと思います。

しかし、今回はその事に対し、委員長の考察を述べてみたいと思います。


日本国は軍隊の「無条件降伏」を受託しましたから、武力的な敗北は疑いません。

圧倒的な物資の差は如何ともし難く、航空戦力も底をつき、盟友ドイツも無条件降伏

となり、完全に行き詰まり原爆の投下により、終戦を迎えます。


しかしながら、日本国の掲げた「アジアの解放」の大義に目を向けた時、その評価は

少し違ってきます。


それまでは、武力を背景に主に白人たちが有色人種を奴隷支配するのが当たり前の

所謂「帝国主義」と呼ばれる暗黒の時代でした。

日本は、ペリーの黒船来航以来、そういった帝国主義の世界に否応無しに

入っていかざるをえませんでした・・・

その中で日本は色々な事を学んでいきました。

そして、日本国が白人の奴隷にならない為には、日本が先進国の仲間入りを

果たさないといけないと思い、国際法を学んで、世界でもっとも早く、人種差別の無い

学校を作り、身分制度を廃止して、武士の子供も農民の子供も同じ学校で学んで

世襲制ではなく、実力のあるものが大事な役職に付くと言う、近代国家の礎ともなる

教育制度などを築き上げ、最小限の流血で国家体制を作り変える事に成功しました。


それ以後も主にロシアの脅威から日本を守る為、様々な政治的、軍事的な模索を

しながら、自主独立を保ちつづけてきました。


数多くのアジアの国々がオランダ・フランスなどの植民地となっていた時代に日本は

タイと共にアジアでたった二つの独立国のひとつになっていました。

そして、アメリカ主導によるABCD包囲陣やハル・ノートなどをきっかけに日本は

「奴隷として尊厳を捨てて生き残る」道を選ばず、「人間としての尊厳を捨てず戦う」道を

選択し、勝てない相手であるアメリカと戦争に突入して行きました。

その過程で日本は大義を掲げます。


「アジアを奴隷支配している白人達からアジアを開放する」


これは後付けであったのも事実でしょう・・・、しかし、兵隊さん達はその立派な大義を

胸に抱いて、聖戦を戦い抜いたのも紛れも無い事実であります。


日本は立派に戦いました。


アメリカは都市空襲で民間人を殺戮しました。

非戦闘員である民間人の頭上に焼夷弾を落として、生きた人間を焼き殺した鬼畜米英に

日本人は徹底抗戦の決意が固まっていきます。

それは、戦争を長引かして「原爆」開発まで戦争終結を引き伸ばす為の作戦でした。

民間人への爆撃は米軍内部でも強い反発があったと聞きます。

「ナチと同じ事をすれば我々の正義はどこへ行く?」と・・・

そして、日本は「気球爆弾」へ「細菌兵器」を搭載する事でアメリカ本土を

細菌兵器で爆撃する事が出来たにも関わらず、罪も無い人々を悪戯に殺傷し

被害を甚大にする事を望む為の戦争ではなかった為、実行される事は無かったのですが

アメリカは「原爆」を投下しました。


戦争は兵隊同士が殺し合います。悲しい行為ですが、それが「戦争」です。

ですから、いくら同胞が殺されても、こちらも敵を殺す以上、諦めざるを得ません。

しかしながら、民間人は違います。

これは、戦争行為の最中に行われた「殺人」「虐殺」であります。

ナチの「ホロコースト」とアメリカの「都市空襲」「原爆」は同じです。

日本はアメリカと正々堂々と戦争している最中に、アメリカによって

無実の国民を大量虐殺され始めたのです。

それで、日本はこれ以上の戦いは平和を望む世界の意思に反するばかりか

我が民族の滅亡を招来すると判断し、卑劣な「原爆」の前に日本は軍隊の無条件降伏を

受け入れました。


日本は「原爆」に負けたかもしれませんが、非戦闘員を虐殺し始めたアメリカの行為は

戦争行為ではない国際法違反の大量虐殺であるため、安易に「原爆」によって、軍隊の

無条件降伏を受け入れたからといって、必ずしも国家の敗北と同一視するべきで無いと考えます。


戦争犯罪(原爆は戦争犯罪ですらないのですが)はいわば、反則であります。

正規のルールから外れた反則からの緊急回避の為の「軍隊の無条件降伏」として評価を

考えてみるとき、これを無批判に受け入れる事は、

勝ってしまえば、いかなる無法も「正義」に変換出来るという前例を残す結果に繋がる事の

危険性を感じずにはいられません。


更に、日本は正に「アジアの解放」の志半ばで力尽きましたが、日本が掲げて戦った

「白人からの脱却」の戦いは、日本の大義を受け継いだ多くのアジアの国々によって

継承され、自主独立の機運は将に高まり、遂には日本国の打ち込んだ巨大なダムの壁への

くさびを多くの兄弟たちが後に続いて打撃を与えつづけ、遂には大きな穴を開けるに至るが

如き、次々とアジアの国々は白人達からの独立を勝ち取るに至ります。


フランスの教科書には「日本がアジアを開放した」と書かれている通り

日本の大義は達成されるのです。


長い文章となりましたが、お付き合いありがとうございます。

今回は敢えて結論は書きません。

「日本は負けたのか?」

この答えは皆さん一人一人が考えて出して下さい。