新選組について

2006年1月4日



前回「忠臣蔵」が史実と異なる扱いを受けているという内容を書きましたが、

今回は「新選組」について書きたいと思います。

私自身の知識としては、それ程深いものであるとは思っていないのですが、

最近のテレビ番組などでの(特にNHK)扱いは特に酷いように感じられるようなので

ちょっと一言を言わせて下さい。

まず彼らは「幕府」(当時の権力の中枢)の下の「京都守護職」の下部組織として

出来上がりました。この段階では「警察」に近い組織なのですが、

内部においては、局長の近藤や土方などの一存による粛清などが繰り返され

悪名高い「連合赤軍」と全く同じ体質の集団であった。

そもそも、「みぶろう」と呼ばれる彼らは「壬生」に居座る「浪士」という意味で

「武士」ではないと京都の民からは冷ややかな目で見られていた。

その名の通り、食い詰めた浪人が「幕府」から「金」を貰って「人を切る」集団で

あるという実態を隠しすぎているように思います。

確かに百姓や身寄りがないなどの貧しい身分の出が多い彼らに「武士」というものに

対する「理想」「憧れ」が非常に強く、より「武士」らしくと望んだ為にという弁護が

出来ない事もないかもしれない。

しかし、どう美化しようとも、「金で雇われた人殺し」「仲間同士でも事ある度に

切腹・粛清」の集団である事までは否めない。

職務での戦死者などに比べ、切腹・粛清などによる死者は40人程に達し、

いかに日常的に仲間同士で人を殺していたかがわかります。

ただ、ここまでの新選組ならば、それでも「権力」の側についた「治安維持組織」なので

少なくとも「合法」な組織であると言えますし、「罪人」でもないでしょう。

しかし、その後激動する幕末において「大政奉還」を迎えるに当たって、「新選組」は

雇い主である「幕府」を失います。

近藤は「武士は二君に交えず」と「慶喜」が「権力」の座を降りても、一度仕えた以上

最後まで「命」を「主君」の為に投げ出すのが「武士」であると考えたのでしょう。

結局、近藤や土方を中心に「旧幕府軍」として「新政府軍」と戦いを続けます。

この段階において、もはや「旧新選組」は「官軍」ではなく、「賊軍」へと

なっています。

新政府への抵抗は、「天皇」への抵抗であり、「旧新選組」は「天皇」へ弓引く

「賊軍」として、多くの隊士は戦って散って行きます。

彼らには彼らの主張があったようですが・・・

「天皇」は「薩摩」「長州」に騙されている、だから、「天皇」をおとしめようとしている

「賊」である「薩摩」「長州」を打つのであって、決して「朝廷」に弓を引くつもりは

ないというものです。

近藤は偽名を使って投降するも「近藤」である事が判明し斬首になりますが

「勝海舟」との関係を最後まで沈黙を続けて死んでいきました。

「武士」を貫こうとした彼の生き様や信念までは否定するつもりは無いです。

土方も「武士は二君に交えず」を貫き、「信念」のままに突き進みます。

北海道で戦死するのですが、「(ここで手を裏返して新政府軍側に寝返ったら」

死んで近藤に合わせる顔がない」と勝てない戦いに身を投じます。

土方歳三などは、一人の人間としては尊敬を覚える「信念」と「義勇」を持った

人物であると思います。

私は「新選組」の個人の一人一人が人間として「卑しい」集まりだとは言いません。

が、集団としてみた時には決して「誉められた」部分ばかりの集団ではなく、

「人殺し」「仲間殺し」の「集団」であったのが事実であるという事を言いたいのです。

そして、その後は「天皇」にたてつく「賊軍」であった事を考察すると、少なくとも

NHKが視聴者の金で「美化して報道」するのは異を唱えざるを得ません。

民放ならまだしも・・・

少なくともNHKが歴史の捏造はするのは駄目だと言わなければなりません。